SHARE 隈研吾による、東京・世田谷の「成城木下病院」の画像
隈研吾のウェブサイトに、東京・世田谷の「成城木下病院」の画像が掲載されています
隈研吾のウェブサイトに、東京・世田谷の「成城木下病院」の画像が4枚掲載されています。
文化人に愛された世田谷区成城の、産科を主とした病院の建替え計画。古くから地域に根ざしたちいさな病院で、都市・環境との距離感をテーマにした、ささやかながら新しいタイプの病院を建設中である。
従来から、病院建築は複雑な組織が同居することを根とした狭義の機能性、効率性、画一性を偏重するがゆえに外部環境と断絶した「白い巨塔(棟)」をロールモデルにすることから抜け出せないでいる。加えて近年はインテリアの小手先な対応が横行し、ますます閉鎖的な院内環境を作りだし、外と断絶された箱化が進められている。ここでは、成城の地域が育んだグリーンを用いて積極的に開いた建築を提案し、外皮には浮遊する自然木のルーバーを纏った建築とした。緑と木を細やかに配置することで視線の制御を入念に計画し、環境との距離を曖昧にして内外をやわらかく繋いでいる。
設計、デザインは、病院設計における常識を排除し、現場職員を含む細かい協議を経て実効的なものかどうかを入念に確認し進められた。この病院ならではの、経営層/ドクター/コ・メディカル(さらには患者も!)の垣根が低くキメ細やかな連携・配慮による高度な医療の実現を目標に掲げる病院だからできる、地域・産科医療、病院建築の全方位に投石するプロジェクトである。