SHARE 403architecture [dajiba]による、浜松市中区の店舗「鍵屋の基礎」
all photos©長谷川健太
403architecture [dajiba]が設計した、浜松市中区の店舗「鍵屋の基礎」です。
洋服店に勤めていたクライアントから、独立するにあたって依頼された、新店舗の計画。クライアント自らが洋服のリメイクを制作・販売するとのことであったため、その工房を中心に据え、周囲を販売・陳列スペースとしている。制作している雰囲気が通りからなるべく見えやすいように、工房を通りに対して最も近づけ、出入口とショーウィンドウはセットバックさせた。
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以下、建築家によるテキストです。
洋服店に勤めていたクライアントから、独立するにあたって依頼された、新店舗の計画。クライアント自らが洋服のリメイクを制作・販売するとのことであったため、その工房を中心に据え、周囲を販売・陳列スペースとしている。制作している雰囲気が通りからなるべく見えやすいように、工房を通りに対して最も近づけ、出入口とショーウィンドウはセットバックさせた。工房は基礎部分にRCブロックを使い、上部構造はそのピッチを基礎に習った間柱材と胴縁によって簡素に組み上げている。 内外境界には制作のスチールサッシを用いることで、存在感を抑えながらも、同時に仮設的とも捉えられるよう意図している。 築50年を超えるRC造の建物の1階に、建設途中の小さな工房が自律して置かれているような、即物的な状態をめざした。
浜松の郊外にはかつて多くの繊維工場が存在していたが、製造業が発展する一方で進んだ繊維産業の衰退により、その多くは大型SCなどの消費の場に置き換えられた。このプロジェクトはそのような生産機能を、中心市街地という空洞化した消費の場に召還することで新たな生産と消費の関係を作り出しているともいえる。市街地-郊外といった場所や、戦後-現代といった時代をマトリクスを基準にして、そのコンテクストを再編することを試みた。
■建築概要
物件名: 鍵屋の基礎
所在地:浜松市中区
主要用途:アパレルショップ
工事種別:改修
内装設計監理:403architecture [dajiba]
床面積:30m2
竣工:2015年9月
施工:株式会社 杢理