SHARE 麻生征太郎+園田慎二による、東京都渋谷区の、住宅兼店舗の建物を、事務所兼店舗のテナントビルへ整える改修計画「CATプロジェクト」
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麻生征太郎+園田慎二(麻生征太郎建築設計+SSA)による、東京都渋谷区の、住宅兼店舗の建物を、事務所兼店舗のテナントビルへ整える改修計画「CATプロジェクト」です。
原宿のアパレル系店舗がひしめく通り沿いに建つ住宅兼店舗の建物を、事務所兼店舗のテナントビルへ整える改修計画です。この建物を住宅たらしめていた引違い窓やクロス貼りの壁、木仕上げを徐々にはぎ取っていき、同時に新たなプランに応じた階段や手摺を加え、大きなサッシュでファサードを作り変えることで、店舗としての設えを導きだしていきました。特に、前面道路が地盤面より700mm程高いことから、大きなサッシュを通して2階の吹抜け状の店舗スペースが、通りと近く感じられるようにしました。
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以下、建築家によるテキストです。
原宿のアパレル系店舗がひしめく通り沿いに建つ住宅兼店舗の建物を、事務所兼店舗のテナントビルへ整える改修計画です。この建物を住宅たらしめていた引違い窓やクロス貼りの壁、木仕上げを徐々にはぎ取っていき、同時に新たなプランに応じた階段や手摺を加え、大きなサッシュでファサードを作り変えることで、店舗としての設えを導きだしていきました。特に、前面道路が地盤面より700mm程高いことから、大きなサッシュを通して2階の吹抜け状の店舗スペースが、通りと近く感じられるようにしました。
また、今回はスケルトンでの引き渡しであり、今後入居するテナントにより、別途内装工事が生じるという前提がありました。なので、不用意に内装を仕上げてしまわないように、全体を通じて最低限の要素で構成しています。ALCの壁にGLボンド跡がのこる荒々しい壁や、エンジ色の錆止め塗装の鉄骨は、美装するのではなくそのまま露出させています。
また、防火上の理由による亜鉛鉄板敷きの床や、既存根太材の延長として立ち上げたニ重格子状の手摺、既存の横樋と揃えた庇なども、不可欠なものにちょっと手を加えてデザインしたものです。
住宅としての設えをそぎ落とす中で、ささやかなデザインを散りばめていき、店舗としての構えをつくることを意識しました。併せて、スケルトンという内装一歩手前の状態にあって、ひとつの完成形としてみなすことが出来る質を如何に確保できるかを考えた建物になります。
■建築概要
プロジェクト名:CATプロジェクト
計画種別:外装およびインテリアの改修
用途:店舗兼事務所
設計期間:2016年1月~2016年4月
施工期間:2016年5月~2016年6月
計画面積:103㎡
計画地:東京都渋谷区神宮前
設計:麻生征太郎+園田慎二(麻生征太郎建築設計+SSA)
施工:株式会社辰
撮影:刀祢平喬