SHARE ツバメアーキテクツが空間デザインを担当した、アーティスト・西尾美也のプロジェクト「移民の学校 《Self Select: Migrants in Tokyo》」
all photos©長谷川健太
ツバメアーキテクツが空間デザインを担当した、アーティスト・西尾美也のプロジェクト「移民の学校 《Self Select: Migrants in Tokyo》」です。
美術家西尾美也氏のプロジェクトに空間デザインとして参加し、4人の移民が生徒となる「移民の学校」を作りました。
東京に暮らす海外からの移住者が 街中で見ず知らずの日本人と衣服の交換を試みるフェーズ1と、その経験をもとに自分のための新しい服を作るフェーズ2という期間が設けられています。このような条件に対し、ツバメアーキテクツでは、小さなオブジェクトの集合として全体を構成し、フェーズ毎に変化する空間構成を提案しました。
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以下、建築家によるテキストです。
美術家西尾美也氏のプロジェクトに空間デザインとして参加し、4人の移民が生徒となる「移民の学校」を作りました。
東京に暮らす海外からの移住者が 街中で見ず知らずの日本人と衣服の交換を試みるフェーズ1と、その経験をもとに自分のための新しい服を作るフェーズ2という期間が設けられています。このような条件に対し、ツバメアーキテクツでは、小さなオブジェクトの集合として全体を構成し、フェーズ毎に変化する空間構成を提案しました。
フェーズ1では、机を中央に集め、周囲を回遊できるようにしています。街中でのワークショップが主な活動となるために、この空間は、移民のことを来場者が知るための展示スペースとして機能します。各国の衣服におけるステレオタイプをヒヤリングしたスケッチ、街中でのワークショップの様子を示す写真をピンナップしました。机には各参加者のルーツを示すオブジェクトや、Phase2で使うミシンなどの道具やトルソーが集中します。
フェーズ2では、机を左右に分解し、服作りに集中するために壁に向き合います。目の前の壁面に貼られたスケッチや写真を眺めたり、正面の巨大な姿見を使いながら服を製作していきます。この姿見は複数のミラーシートを組み合わせているので、顔や体型が歪んで面白く見えたり、素材と風景の境界が曖昧になったり、新たな気付きを与えてくれます。
いろいろなものやスキルを寄せ集め、服や場所が同時に出来上がっていくような構築的な空間構成になりました。
■作品概要
アーティスト:西尾美也
参加者:オーラン・ディスコール、ダン・ウェイカン、ノエミ・ゴメス・ロボ、パトリシア・ルーシド
空間ディレクター:ツバメアーキテクツ
リサーチ・イラスト:ノエミ・ゴメス・ロボ
映像ディレクター:西野正将
撮影・編集:高嶋直人(NPO法人アート&ソサイエティ研究センター)
ファッションディレクター:竹内大悟
助成:資生堂 特別協力:アフリカ屋、移住連、OGU MAG、港区国際交流協会
詳細:「ソーシャリーエンゲイジドアート展 社会を動かすアートの新潮流」
制作:2017年