SHARE 元木大輔 / DDAAによる、東京・西麻布の事務所「Dappled house 3F / DAQ Office」
元木大輔 / DDAAが設計した、東京・西麻布の事務所「Dappled house 3F / DAQ Office」です。
元々はフレンチレストランが入居していたフロアを改修して、AndmeshやSquairというiPhoneガジェットブランドを運営する株式会社DAQのための24席のフリーアドレスのオフィスをデザインした。大きなワンルームの執務室とその他会議室や社長室などの小部屋を、パンチング状に穴を開けた黒い間仕切り壁で仕切っている。南と東側からの採光を全ての席に確保するために、ワンルームのプランにしたのだけど、それだけだと各々の席が単調になってしまうし、単純に席の個性が日当たりの良さによって決定してしまう。フリーアドレスの利点を活かしてその日の気分で席を変えられるように一般的なデスク席に加え、日当たりと眺望の良い窓際の席、スタンディングやハイスツールで作業ができる少し背の高いデスク、また集中したい時や人に見られたくない時に使うことができる漫画喫茶サイズの篭り席など、いくつかキャラクターの違う席を用意することにした。
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以下、建築家によるテキストです。
元々はフレンチレストランが入居していたフロアを改修して、AndmeshやSquairというiPhoneガジェットブランドを運営する株式会社DAQのための24席のフリーアドレスのオフィスをデザインした。大きなワンルームの執務室とその他会議室や社長室などの小部屋を、パンチング状に穴を開けた黒い間仕切り壁で仕切っている。南と東側からの採光を全ての席に確保するために、ワンルームのプランにしたのだけど、それだけだと各々の席が単調になってしまうし、単純に席の個性が日当たりの良さによって決定してしまう。フリーアドレスの利点を活かしてその日の気分で席を変えられるように一般的なデスク席に加え、日当たりと眺望の良い窓際の席、スタンディングやハイスツールで作業ができる少し背の高いデスク、また集中したい時や人に見られたくない時に使うことができる漫画喫茶サイズの篭り席など、いくつかキャラクターの違う席を用意することにした。
漫画喫茶サイズの篭り席は、家具用のフェルトを使用したパーティションによって柔らかく視線を区切っている。直角に曲がる部分はジッパーを転用してファブリックのヨレを防止していて、内側にはA4サイズの書類が入るポケットと、手元を照らすタスクライトをつけた。可動式のタスクライトはフェルトのパーティションに備え付けたベルトに引っ掛けることで簡単に位置を移動することができる。シャツの胸ポケットにメガネやペンを引っ掛けるように、カジュアルに照明器具を壁に引っ掛けることができる。
執務エリアと社長室/打合せ室/ロッカーなどを区切っているこの象徴的な間仕切り壁は、DAQの看板商品のパンチング状のメッシュをモチーフにしているので、会社のアイデンティティを空間的に説明することができるのと、空気や光や視線が抜けるので狭い社長室や会議室にエアコンの空気や光をまわすためにも機能している。さらに、大きめに開けた壁の穴を利用して、ドアの把手を挟み込んで取付けたり、どの穴にも位置を移動できる可動式の棚板を作った。
床はフレンチレストランだった頃のフローリングを研磨、塗装をしなおしてそのまま使っているので、そのために床下に配線経路をつくることが出来なかった。天井から引き回すという手もあったのだけれど、フローリングを1枚だけ剥がして電気配線用の経路にすることにした。コードの配線が見えるように、剥がした部分に1枚だけガラスで蓋をしている。
■建築概要
所在地:東京都港区西麻布
用途:事務所
設計監理:株式会社DDAA 元木大輔
施主:株式会社 KOMORI, 株式会社 DAQ
施工:株式会社 古賀造
家具製作:株式会社E&Y
構造:鉄筋コンクリート+一部鉄骨造(既存)
仕上:壁 /既存駆体壁塗装
:床 /既存フローリング研磨の上水性UV塗装
:天井 /既存駆体塗装
延床面積:107.41㎡
竣工:2017年