SHARE 元木大輔 / DDAAによる、テーブルウェア「Stacking Pots」
元木大輔 / DDAAがデザインした、テーブルウェア「Stacking Pots」です。
適当さを楽しむかたち
ふつう、テーブルウェアのスタッキングは大きい器の上に小さな器が重ねられる。つまり整理整頓というコンセプトに基づいた行為だ。それは機能的だし良いと思うのだけど、適当にスタッキングしても大丈夫な「途中の状態」を楽しむ形を作ることができないだろうか。適当さや雑さ、というものをデザインの問題として扱うことで、完成した後もデザインやモノのかたちによって、人の生活に少しだけ良い影響をあたえたりできないだろうか。ピシッとキマった状況だけが「正しいふるまい」ではなく、もう少し適当さを許容できるようなデザインのあり方を考えてみたい。
この器は、○△□をモチーフにした壺をちょうど中心の水平ラインでカットした形をしている。それぞれの器のへりは同じ直径になっているので、適当に使った順番のままコケシやトーテムポールのようなかたちにスタッキングすることができる。「正しい順番」というものはなく、どんな組み合わせでもスタッキングすることができる。きれいに片付けるだけではない整理の方法によって、テーブルの上の雰囲気を日替わりで楽しめたり、片付け方そのものを考えるきっかけになるといいと思う。
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■建築概要
Stacking Pots
用途:食器
プロジェクトチーム:元木大輔 Matias Carbone
製作:高橋美衣
製作:2018年2月
撮影:長谷川健太