SHARE 井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studio Inc.による、神奈川・横浜市の「角でつながる住宅」
井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studio Inc.が設計した、神奈川・横浜市の「角でつながる住宅」です。
何パターンかの方向性を模索していく中で、最終的に採用されたのはリビングやダイニング、その他将来的な子供部屋であるフリースペース等の空間を斜めにずらし、繋げていく計画。四角い部屋を斜めにずらして重なった角がつながっている形状だ。
リビングとダイニングは、平面的につながり視覚的な広さを感じることができ、個々のスペースは、4方を壁に囲まれた独立性の高いスペースに。それぞれの空間の独立性や居心地を確保している。
また、窓の配置もななめの抜けに合わせるように配置し、角で合わさるような配置とした。壁で囲まれつつ、角は窓で抜けている状態。心地よい囲まれ感と、視線や光の抜け感が同居する空間をつくろうと考えた。ある場所のある一瞬の見え方が良いという形ではなく、多様な光のグラデーションをもった空間が連鎖し繋がっていくような、時間的な奥行きをもった空間が、日々の生活においてリラックスしリフレッシュすることができる住宅としての役割をつくりだしてくれるのではないかと考えている。
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以下、建築家によるテキストです。
新しく分譲された土地の新築計画で、夫婦2人と男の子3人の5人家族のための住宅。
施主からの要望を聞き取っていく中で、徐々に浮かび上がってきたものは、オーソドックスな住宅でありたいということ、広い空間ではありながら、ダイニングやリビング等個々のスペースの独立性は担保し、5人の家族が同時にいてもそれぞれが心地よい距離感を保てる空間をつくること。一方でそれらの空間が分断されすぎていないこと。このポイントについて設計していくことになった。
以前の住まいは、マンションでLDKは大きいが、ひとまとまりの空間で、家族全員がそろうとなんとなく居心地がよくない状態が、気になっていたとのこと。
「斜めにつなげる」
何パターンかの方向性を模索していく中で、最終的に採用されたのはリビングやダイニング、その他将来的な子供部屋であるフリースペース等の空間を斜めにずらし、繋げていく計画。四角い部屋を斜めにずらして重なった角がつながっている形状だ。
リビングとダイニングは、平面的につながり視覚的な広さを感じることができ、個々のスペースは、4方を壁に囲まれた独立性の高いスペースに。それぞれの空間の独立性や居心地を確保している。
また、窓の配置もななめの抜けに合わせるように配置し、角で合わさるような配置とした。壁で囲まれつつ、角は窓で抜けている状態。心地よい囲まれ感と、視線や光の抜け感が同居する空間をつくろうと考えた。
ある場所のある一瞬の見え方が良いという形ではなく、多様な光のグラデーションをもった空間が連鎖し繋がっていくような、時間的な奥行きをもった空間が、日々の生活においてリラックスしリフレッシュすることができる住宅としての役割をつくりだしてくれるのではないかと考えている。
また、サッシや外壁面の断熱性を高め、第一種換気の採用、小屋裏や床下空間の熱循環設備を導入し、極力エアコンに頼らない計画としている。冬は1階の床に設けた床暖房の空気のみで家全体が温まり、夏は床下内の冷たい空気を吹抜を介して循環させ、家全体の空気環境を整えている。
■建築概要
所在地:神奈川県横浜市
規模:木造2F約140㎡
主用途:住宅
竣工:2018年12月
構造:川田知典構造設計
照明:吉楽広敦(ツキライティングオフィス)
施工:株式会社坂牧工務店
写真:渡邊聖爾(わたなべせいじ)