SHARE 石川素樹建築設計事務所による、神奈川・厚木市の、専用住宅・店舗「望月商店」
石川素樹建築設計事務所が設計した、神奈川・厚木市の、専用住宅・店舗「望月商店」です。
「望月商店」では、オーナーがすぐ使えるように、かつ店舗の接客に影響を及ぼさないように2階住居部に隣接して商談とお得意さんが試飲できる場を設け、吹抜けを介して1 階店舗とも一体となるようにしている。各空間の端から端まで天窓を設けることで安定した光量を確保し、さらに障子に通すことで、季節や場面に応じたやわらかい光を店内まで届くようにした。障子類は光や酒類に対する紫外線をやわらげるのみならず、閉めればプライベートな空間にでき、開け放して吹抜けとつなげることで自然通風によって暖気を逃し、室温を調整する役割も果たしている。
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以下、建築家によるテキストです。
「望月商店」では、オーナーがすぐ使えるように、かつ店舗の接客に影響を及ぼさないように2階住居部に隣接して商談とお得意さんが試飲できる場を設け、吹抜けを介して1 階店舗とも一体となるようにしている。各空間の端から端まで天窓を設けることで安定した光量を確保し、さらに障子に通すことで、季節や場面に応じたやわらかい光を店内まで届くようにした。障子類は光や酒類に対する紫外線をやわらげるのみならず、閉めればプライベートな空間にでき、開け放して吹抜けとつなげることで自然通風によって暖気を逃し、室温を調整する役割も果たしている。
建物に囲まれている敷地条件から住居部にも天窓を設け、接する階段やバルコニーの屋根はくり抜き、窓の開閉により、そのときどきの季節や朝晩といった生活リズムに合わせた光や風の採り入れ方が可能となっている。各室は建具で区切る程度で完全に閉じていないため、光と風がまわり、閉塞感を感じさせない空間構成となっている。加えて、住居部ロフトから店舗吹抜けまで通るトンネル状開口からもれる光によって、全体像とその気配をうっすら感じ合える関係性とした。
(建築家著書「ELEMENTS 5つの建築 5つの断章」本文より)
■建築概要
設計:石川素樹建築設計事務所 石川素樹
構造:mono 森永信行
造園:zoen 蓑田真哉
家具:RILNO 田中智也
主要用途:専用住宅、店舗
所在地:神奈川県厚木市
構造・構法:鉄筋コンクリート造、木造
規模:地上2階
竣工:2017年12月
敷地面積:208.03㎡
建築面積:141.61㎡
延床面積:240.86㎡
写真:西川公朗
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ELEMENTS 5つの建築 5つの断章
建築を設計する際に考えるべき大事なことを
5つの建築の断片を通して、凝縮し、問いかける。一般の人にとっては、建築が作られる過程で設計者が何を考えているかを知ることができる本であり、学生や設計者にとっては、建築が時間を経てもなお色褪せずに建ち続けることができる方法を考え続けるための本である。
「iF DESIGN AWARD 2019」にて、最優秀のiF Gold Award受賞。
A’Design Award & Competition Gold Award、
DFA Design for Asia Awards Bronze Award、
日本建築学会作品選集新人賞、日本建築士会連合会賞など、受賞多数。国内外から注目を集める若手建築家の、書き下ろし初著書。
【目次】
1対話/ 中央の家
2観察/ 南荻窪の家
3全体/ 望月商店
4過程/ 桜丘町のビル
5細部/ 西参道テラス