SHARE 浅井正憲+浅井百合 / 浅井アーキテクツによる、東京・葛飾区亀有の「亀有香取神社計画」
浅井正憲+浅井百合 / 浅井アーキテクツが設計した、東京・葛飾区亀有の「亀有香取神社計画」です。浅井正憲と浅井百合は新居千秋都市建築設計出身の建築家。
鎮座740周年を記念して境内全体の再構築、信仰の場と地域の憩いの場を両立させる、新しい神社の在り方を考えるプロジェクトである。
かつてまちの中心であった香取神社は環状七号線によって孤立したが、ずっと亀有のハレの場であり続けてきた。亀有駅から近いこと、隣接地に大規模商業施設がオープンしたことなどから、近年、葛飾区では最も参拝者が訪れる大変賑やかな神社となった一方で、境内設備の不足や老朽化等、参拝者を迎える体制が年々厳しくなってきており、社務所棟・茶屋棟新築工事、境内バリアフリー工事、ライトアップ等をまとめて行ない、神社の人々の賑わい・日常の中心としての価値を捉えなおし、門前町の起点となるような核としての再整備を目指した。
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以下、建築家によるテキストです。
鎮座740周年を記念して境内全体の再構築、信仰の場と地域の憩いの場を両立させる、新しい神社の在り方を考えるプロジェクトである。
かつてまちの中心であった香取神社は環状七号線によって孤立したが、ずっと亀有のハレの場であり続けてきた。亀有駅から近いこと、隣接地に大規模商業施設がオープンしたことなどから、近年、葛飾区では最も参拝者が訪れる大変賑やかな神社となった一方で、境内設備の不足や老朽化等、参拝者を迎える体制が年々厳しくなってきており、社務所棟・茶屋棟新築工事、境内バリアフリー工事、ライトアップ等をまとめて行ない、神社の人々の賑わい・日常の中心としての価値を捉えなおし、門前町の起点となるような核としての再整備を目指した。
社務所棟を既存配置より北側へずらし、本殿に隣接して配置することで、社務所棟が本殿をサポートする機能をより強化するとともに、環状七号線側・亀有駅方向へ視界が開けた広場を設けた。賑わいの拠点となる茶屋棟「ラ・ローズ・ジャポネ」とともに、境内の各棟の軒下空間が向かい合い、広場をコの字に囲んでおり、神社の広場を人々の日常に寄り添う都市空間として再整備した。
本殿の周囲にあったけやき、イチョウ等の既存高木は全て残し、社務所棟はそれを縫うように本殿に接続している。動線空間を覆うひのきを軒裏に張った折れた屋根は、外観からは本殿より低くなるよう配慮し、内部に入った際には、屋根勾配が逆方向にねじれていくことによって、本殿に対して視界が開けるようにしている。そのことによって、祈願を待つ気分に高揚感を与え、スロープを登って本殿に向かっていく「参進」の体験をより神聖なものと感じられるようにした。
参拝者からも非常に好評で、広場を子供たちが走り回り、七五三などの祈祷を終えた家族連れが茶屋棟でくつろいで帰るなど、境内全体が活性化されている。
■建築概要
住所:東京都葛飾区亀有3丁目42−24
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社務所棟 神社
RC造地上2階
敷地面積:1898.40㎡
建築面積:525.10㎡
延床面積:661.79㎡
竣工:2018年12月12日
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茶屋棟「ラ・ローズ・ジャポネ」 店舗
鉄骨造2階建
建築面積:159.38㎡
延床面積:246.74㎡
竣工:2017年12月22日
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設計者:浅井アーキテクツ
構造:川村構造設計室
設備:PAC
照明:シリウスライティングオフィス
施工:三浦工務店