中西ひろむ建築設計事務所による、福井・大野市の、築120年超の木造古民家を耐震補強・改修した現代美術館「COCONOアートプレイス」です。施設の公式サイトはこちら。
福井県大野市の旧市街地に位置する築120年超の木造古民家をコンバージョンし、市民所有のアートワーク展示を主とした現代美術館としました。
ここでは、かつての「小コレクター運動」で残されたアート作品や、展開された運動を伝えています。
また、周辺市街地では空洞化が問題となっているため、作品展示だけでなく、教育や飲食、物販等の活動を通し地域の拠点としています。
構造補強にあたり、90角超の地産杉材を並べた「壁柱工法」により、既存架構の柔軟性の維持と構造強度の確保を両立させています。
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以下、建築家によるテキストです。
福井県大野市の旧市街地に位置する築120年超の木造古民家をコンバージョンし、市民所有のアートワーク展示を主とした現代美術館としました。
ここでは、かつての「小コレクター運動」で残されたアート作品や、展開された運動を伝えています。
また、周辺市街地では空洞化が問題となっているため、作品展示だけでなく、教育や飲食、物販等の活動を通し地域の拠点としています。
構造補強にあたり、90角超の地産杉材を並べた「壁柱工法」により、既存架構の柔軟性の維持と構造強度の確保を両立させています。
また、日射や通風、地下水など自然エネルギー活用により屋内環境を向上させました。
重厚な既存外観を保ちながらも軒下の大開口により街に大きく開き、通りから軒をくぐると既存の小屋組まで開放された大きな土間に導かれます。
また、既存建築の配置を活かし、複数の展示室を分散配置することで各室ごとの運用を可能にし、それぞれの間に回遊性を持たせ、街の延長のような場をつくっています。
この建築の再スタートが、市民の間で残されたアートワークのみならず、旧市街地の街並みやそこで育まれてきた活動など、地域の魅力を見出していくことにつながればと思います。
■建築概要
名称:COCONOアートプレイス
所在地:福井県大野市
主要用途:美術館
建築主:大野市
面積
敷地面積:776.39m2
建築面積:422.96m2
延床面積:478.40m2
設計者:中西ひろむ建築設計事務所
構造設計:関西木材工業
設備設計:幹設備設計事務所
サイン:グッドマン
庭園監修:六堂舎 中井造園
施工
建築:大野建設工業
空調・衛生:中川設備
電気:前田電気
写真:中村絵写真事務所
期間
設計期間:2016年8月~2017年3月
施工期間:2017年4月~2018年1月