佐々木祐治 / U.L.A.Designによる、神奈川・横浜市の住宅「Garden Wall House #2」 photo©田中克昌
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佐々木祐治 / U.L.A.Design が設計した、神奈川・横浜市の住宅「Garden Wall House #2」です。
横浜市内の傾斜地に建つ、夫婦と子供三人のための住宅である。背後は高さ6m以上の巨大な擁壁で囲われていたため、擁壁方向を「捨てる」計画とし、南東側に予算と建築的な要素を集約させることで、プライバシーの確保と眺望や採光の両立、屋内と屋外が対等で豊かな関係性を感じられる住宅を提案した。
建物形状は普遍的で力強い箱型とし、北西方向は換気口以外の開口部を一切設けていない。南東方向の窓と屋外テラス、駐車スペースを通じて光と風を取り込む計画である。
木造で鉄骨造のようなカーテンウォールを構想したが、防火地域や延焼ラインの問題で住宅用サッシによる連窓は厳しく、予算の問題でビル用サッシの採用も難しい。しかし在来軸組工法ならではの合理性と構造美を目指し、一定の間隔で構造柱とサッシを並べた結果、伝統的な西洋の壁式構造のようでもあり、日本建築の柱と梁のイメージも併せ持った、先進的な木造建築が実現できたように思う。
敷地面積が限られる都市住宅において、最小限の面積で最大限の緑化を実現するシステム、それが「Garden Wall」である。高さ6m、幅20m以上の「塀」でありながら、道路や隣地からの視線を適度に遮り、プライバシーを確保しつつ、周囲に対しては閉鎖的な威圧感を与えない。植物が育つまでの視覚効果と本物のツタが絡む下地材を兼ねた造花をネットに絡ませることで、地面に植えた植物は5年~10年かけて成長し、やがて多種多様なツタで覆われていく。春には花を咲かせ、秋には真っ赤に紅葉する「庭壁」は、設置面積もわずかなため、屋外テラスや駐車スペースとして敷地を最大限活用できる。木材の経年変化、植物の成長と共に、家族の成長を楽しめる住まいになれば嬉しい。
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佐々木祐治 / U.L.A.Designによる、神奈川・横浜市の住宅「Garden Wall House #2」 photo©田中克昌
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佐々木祐治 / U.L.A.Designによる、神奈川・横浜市の住宅「Garden Wall House #2」 1F PLAN image©U.L.A.Design
佐々木祐治 / U.L.A.Designによる、神奈川・横浜市の住宅「Garden Wall House #2」 2F PLAN image©U.L.A.Design
佐々木祐治 / U.L.A.Designによる、神奈川・横浜市の住宅「Garden Wall House #2」 外観パース image©FRASCO
佐々木祐治 / U.L.A.Designによる、神奈川・横浜市の住宅「Garden Wall House #2」 内観パース image©FRASCO
以下、建築家によるテキストです。
横浜市内の傾斜地に建つ、夫婦と子供三人のための住宅である。背後は高さ6m以上の巨大な擁壁で囲われていたため、擁壁方向を「捨てる」計画とし、南東側に予算と建築的な要素を集約させることで、プライバシーの確保と眺望や採光の両立、屋内と屋外が対等で豊かな関係性を感じられる住宅を提案した。
建物形状は普遍的で力強い箱型とし、北西方向は換気口以外の開口部を一切設けていない。南東方向の窓と屋外テラス、駐車スペースを通じて光と風を取り込む計画である。
内部は1FにパブリックスペースとしてLDKと浴室、2Fにプライベートな各居室を配置し、どの部屋からも「庭」を眺めながら過ごすことができる。また一般的な玄関の概念に囚われず、出入時以外はデッドスペースとなる玄関をリビングと一体化することで、面積以上に自由で開放的な空間となった。
木造で鉄骨造のようなカーテンウォールを構想したが、防火地域や延焼ラインの問題で住宅用サッシによる連窓は厳しく、予算の問題でビル用サッシの採用も難しい。しかし在来軸組工法ならではの合理性と構造美を目指し、一定の間隔で構造柱とサッシを並べた結果、伝統的な西洋の壁式構造のようでもあり、日本建築の柱と梁のイメージも併せ持った、先進的な木造建築が実現できたように思う。
敷地面積が限られる都市住宅において、最小限の面積で最大限の緑化を実現するシステム、それが「Garden Wall」である。高さ6m、幅20m以上の「塀」でありながら、道路や隣地からの視線を適度に遮り、プライバシーを確保しつつ、周囲に対しては閉鎖的な威圧感を与えない。植物が育つまでの視覚効果と本物のツタが絡む下地材を兼ねた造花をネットに絡ませることで、地面に植えた植物は5年~10年かけて成長し、やがて多種多様なツタで覆われていく。春には花を咲かせ、秋には真っ赤に紅葉する「庭壁」は、設置面積もわずかなため、屋外テラスや駐車スペースとして敷地を最大限活用できる。木材の経年変化、植物の成長と共に、家族の成長を楽しめる住まいになれば嬉しい。
さらに大開口の窓を設けた際に課題となる真夏の日差し、その冷却装置であると同時に、室内から詩的な水のアートとして楽しめる「Rain Wall」を考案した。太陽光パネルや屋根、窓や外壁に静かに水を流すことで遮熱と冷房効果を得る、いわば建築版の水冷システムである。原始的なアイデアでありながら社会全体に普及するポテンシャルがあると考えており、今後は地下水や地中熱を利用し、噴水のように水を循環させることでより高いレベルでの経済性、環境性の両立を目指していきたい。
■建築概要
作品名:「Garden Wall House #2」
所在地:神奈川県横浜市
主要用途:専用住宅
構造:木造在来構法 2階建
設計:U.L.A.Design
施工:中田工務店
敷地面積:173.32 ㎡
建築面積:60.05.㎡
延床面積:120.12 ㎡
設計期間:2019年12月~2020年3月
施工期間:2020年4月~2020年10月
竣工年月:2020年10月
撮影:田中克昌
CG:FRASCO