伊原慶 / TA+Aが設計した、東京・代官山の美容室「SAL Hair Salon」です。
流行の変化が盛んな地域に計画されました。本来の機能にギャラリーを加えた3層の店舗で、建築家は、散髪行為に見出した“彫塑性”を“敢えて直截的”に什器等で表現しました。そして、可変性も導入し運営者の完成に応答する柔軟な空間を作る事も意図されました。店舗の公式サイトはこちら。
代官山より少し北に位置する、西郷山公園近くの美容室である。
流行の移ろいが盛んな土地に建ち、道路に面した地上階は自らの審美眼で選んだ海外のアーティスト作品やストリートカルチャーの展示を不定期開催するギャラリーを併設したロビー空間、上階にヘアサロンの諸機能を配置することで、発信拠点の機能を併せ持つヘアサロンとなった。
開業からまだ間もないが、主宰する方々のキャラクターや空間に引き寄せられるように個性に富んだ展示が既に行われている。
一般的な木造戸建の素形を保ちながらも、経年で改修や増築が施された経緯から、構造壁や平面構成は大きく改変せずに、それらに纏わるように什器や機能を付加することで美容室の形式へと更新を行った。
“髪を切る”という行為のなかに潜在的に宿る彫塑性を見立てながら、あえて直截的な形をギャラリーやセット面の什器に表現し、またそれらを幾度となく塗装や研磨を重ねることで石のような肌理を生み出した。来訪者が親近感や楽しさを見た姿のまま感じ取れる空間とした。
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以下、建築家によるテキストです。
美容とアートの空間に同居する彫塑性
代官山より少し北に位置する、西郷山公園近くの美容室である。
流行の移ろいが盛んな土地に建ち、道路に面した地上階は自らの審美眼で選んだ海外のアーティスト作品やストリートカルチャーの展示を不定期開催するギャラリーを併設したロビー空間、上階にヘアサロンの諸機能を配置することで、発信拠点の機能を併せ持つヘアサロンとなった。
開業からまだ間もないが、主宰する方々のキャラクターや空間に引き寄せられるように個性に富んだ展示が既に行われている。
一般的な木造戸建の素形を保ちながらも、経年で改修や増築が施された経緯から、構造壁や平面構成は大きく改変せずに、それらに纏わるように什器や機能を付加することで美容室の形式へと更新を行った。
“髪を切る”という行為のなかに潜在的に宿る彫塑性を見立てながら、あえて直截的な形をギャラリーやセット面の什器に表現し、またそれらを幾度となく塗装や研磨を重ねることで石のような肌理を生み出した。来訪者が親近感や楽しさを見た姿のまま感じ取れる空間とした。
「待合スペース」という常にセット面の箇所数との“せめぎ合い”の関係にある機能は、「ギャラリー」というもう一つの性質を帯びることとなった。可動什器や回転建具、調光調色ができる照明器具を導入し、時間帯や使い方に応じて空間が可変的に振る舞う。
面積や機能に縛られた定型的なサロンを解きほぐし、運営する方々の感性に合わせ応答する柔軟な空間が立ち現れた。
■建築概要
題名:SAL Hair Salon
設計・監理:TA+A 伊原慶
所在地:東京都渋谷区鉢山町14-4
主用途:美容院(ヘアサロン)
階数:地上3階
施工:株式会社ストロール
延床面積:104.48㎡
設計期間:2021年9月~2022年1月
工事:2022年1月~2022年3月
竣工:2022年3月
写真:小野寺宗貴
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 外構・床 | 外構 | 土間コンのうえ防塵塗装仕上
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外装・壁 | 壁 | モルタル左官仕上
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外装・建具 | 建具 | 木製建具[ポリカーボネイト版t15象嵌] ツインカーボタフネス(AGC)
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内装・床 | 床 | カチオン樹脂モルタル+強化防塵塗装 アクアカラー(アッシュフォードジャパン)
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内装・壁 | 壁 | GB-R t12.5 EP塗装
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内装・天井 | 天井 | GB-R t12.5 EP塗装
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内装・建具 | 建具 | 木製建具耐蝕鏡両面張りの上ガラス取手フォトボンド接着
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内装・造作家具 | 家具 | ラワンランバー組物+EP塗装 研磨仕上げ
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内装・照明 | 照明 | ダウンライト・ライン照明 Synca(遠藤照明)
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