SHARE 関西の建築界を牽引した石井修の、生誕100周年を記念した展覧会が開催。兵庫県立美術館のギャラリーを会場とし、倉方俊輔のキュレーションで、代表作品の図面・写真・模型を公開
- 日程
- 2022年11月3日(木)–11月27日(日)
関西の建築界を牽引した石井修の、生誕100周年を記念した展覧会が開催されます。兵庫県立美術館のギャラリーを会場とし、倉方俊輔のキュレーションで、代表作品の図面・写真・模型が公開されます。会期は、2022年11月3日~2022年11月27日。会場は、兵庫県立美術館ギャラリー棟3ギャラリーです。【ap・ad】
2022年は、六甲山東端の甲山の南斜面に位置する目神山町に自邸を構え、関西の建築界を牽引してきた建築家・石井修の生誕100年となります。「建築に外観はいらない」と語った石井は、自然の地形を最大限に生かし、樹木や周辺環境と共存した建築を多く手がけました。今回、石井修の生誕100年を記念し、代表的な作品の図面・写真・模型を展示する展覧会を開催します。また、シンポジウムを開催するとともに、全作品をアーカイブした作品集の出版も行います。本展は、多様な展示資料を通して建築家・石井修の建築・理念・活動を多くの人々に知っていただくことを目的としています。
以下に、キュレーションを手掛けた倉方俊輔のテキストも掲載します。
以下の写真はクリックで拡大します
キュレーター倉方俊輔によるテキスト
石井修という建築家は、どのように生まれ、何を残しているのか。没後15年を経て、歴史的に考えるべく、薫陶を受けた建築家から、直接には知らない関西の若手建築家、学生までが集まって展覧会を企画しました。
石井修は1976年の自邸を皮切りに、六甲山の麓に位置する住宅地である目神山において、住宅を全部で20軒も設計しています。一人の建築家が、次第次第に依頼されたまとまりとして、世界でも珍しい現象でしょう。
建物は完成した時以上に、多くが緑に覆われています。それが従来の建築に疑問を投げかける彼の思想を、いっそう物語っています。さらに自然と共存する住宅のありようが、後に地域コミュニティの指針となり、個人の作風であることを超えた持続性をもたらしていることも近年、知られるようになりました。
1922年という建築におけるモダニズムを担った中心的な世代に生まれながら、環境性や継承性といった現在的なテーマを予告しているのはなぜでしょうか?残された問いに答えるべく、私たちは石井修の生を、新出資料も含めてできるかぎり露わにします。
会場には「目神山の一連の住宅」を中心に、ビルやガソリンスタンドといった未発表の刺激的なデザインの数々、集合住宅の試みなどが並びます。新作の模型と同時に、事務所に残されていた模型、そして詳細な図面も展示され、交友関係や趣味を示す資料と共に、石井修の世界を明らかにします。