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2022.11.24Thu
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小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOによる、東京・小金井市の住宅「スケールの家」。都市計画と税制で“標準化”した住宅地に計画。施主の経験を起点に“均質なスケール”の逸脱を求め、都市的サイズで“尺度を抽象化”した居住空間を考案。“都市に浮遊”し自由をもたらす建築を作る
photo©吉田誠

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architecture|feature
IN STUDIO内田産業MOF建材(内装・床)建材(内装・壁)建材(内装・天井)建材(内装・キッチン)建材(内装・浴室)建材(内装・水廻り)建材(内装・金物)住宅小金井市奥村直子吉田誠小笹泉図面あり東京
小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOによる、東京・小金井市の住宅「スケールの家」。都市計画と税制で“標準化”した住宅地に計画。施主の経験を起点に“均質なスケール”の逸脱を求め、都市的サイズで“尺度を抽象化”した居住空間を考案。“都市に浮遊”し自由をもたらす建築を作る photo©吉田誠
小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOによる、東京・小金井市の住宅「スケールの家」。都市計画と税制で“標準化”した住宅地に計画。施主の経験を起点に“均質なスケール”の逸脱を求め、都市的サイズで“尺度を抽象化”した居住空間を考案。“都市に浮遊”し自由をもたらす建築を作る photo©吉田誠
小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOによる、東京・小金井市の住宅「スケールの家」。都市計画と税制で“標準化”した住宅地に計画。施主の経験を起点に“均質なスケール”の逸脱を求め、都市的サイズで“尺度を抽象化”した居住空間を考案。“都市に浮遊”し自由をもたらす建築を作る photo©吉田誠

小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOが設計した、東京・小金井市の住宅「スケールの家」です。
都市計画と税制で“標準化”した住宅地に計画されました。建築家は、施主の経験を起点に“均質なスケール”の逸脱を求め、都市的サイズで“尺度を抽象化”した居住空間を考案しました。そして、“都市に浮遊”し自由をもたらす建築を作る事も意図されました。

均質なスケールの住宅地に家を設計することになった。
建主は快適で住みやすい家を望まれていたのだが、よくよく話を深めてみると、どうやら大きな空間を望まれていることも分かってきた。建主はかつて海外に住んでいて、そこで大きな空間で生活をしていたときに自由を感じていたそうである。こうして、均質なスケールの住宅地から逸脱したスケールの住宅をつくることになった。ここに人の生活の自由がもたらされそうな予感がした。

建築家によるテキストより

設計にあたり、まずはなるべくスケールオーバーに計画しようと、物理的なスケールである寸法を拡大した。高度地区付きの第一種低層住居専用地域で可能な最大の外形のなかに、都市のスケールともいえる7×8×4mの大きな室を確保し、4×4mの大きな窓を空けた。そしてその残りを個室とした。大きな窓からは自分の庭と隣地の庭を望み、高く持ち上げられた個室からは地平線まで広がる武蔵野の住宅地を望むことになる。

さらにスケールレス化を図った。つまり、知覚的なスケールである尺度を抽象化した。窓は正方形とし、内外装は白で仕立てた。2階建ての建物に対して立面は3層に分節した。窓はときに層や角をまたぎ、フロストガラスからわずかに生活をほのめかす。スケールレスを主調としたうえで、大きな室は身の丈の高さだけ木で造作して生活機能を担保した。

建築家によるテキストより

こうして、見慣れたものの組み合わせからなる住宅が、スケールの操作によって見慣れぬ様相を手に入れた。宗教建築はプロポーションと光で慣習的な雰囲気を脱したが、この住宅ではスケールの操作で慣習的な雰囲気を脱している。これが慣習的な家らしさに縛られない自由な気分をもたらす。

一方で、この異質な住宅のスケールは住宅地の文脈に接続する。道のスケールに似た室、空地のスケールに似た窓、高く持ち上げられて住宅地の上に顔を出す2階の個室などは、再帰的に住宅地に根ざしている。そして窓から望む具体的な住宅地の風景は、都市に住む実感を繋ぎ留める。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOによる、東京・小金井市の住宅「スケールの家」。都市計画と税制で“標準化”した住宅地に計画。施主の経験を起点に“均質なスケール”の逸脱を求め、都市的サイズで“尺度を抽象化”した居住空間を考案。“都市に浮遊”し自由をもたらす建築を作る photo©吉田誠
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小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOによる、東京・小金井市の住宅「スケールの家」。都市計画と税制で“標準化”した住宅地に計画。施主の経験を起点に“均質なスケール”の逸脱を求め、都市的サイズで“尺度を抽象化”した居住空間を考案。“都市に浮遊”し自由をもたらす建築を作る image©IN STUDIO

以下、建築家によるテキストです。


関東平野のほとんどは背の低い住宅で覆われた平たい住宅地である。
駅の周辺や幹線道路に沿って少しばかり背の高い建物があるけれど、遠目から見ればやはり東京は平たい。都市計画によって田畑は低層の住宅が建つべき土地と位置づけられた。そして税制によって大きな土地が小住宅のための小さな土地に分筆されていき、標準的な家計によって標準的な大きさの戸建住宅が建てられていき。つまり、都市と経済の両面からの誘導によって土地と住宅外形が等粒化してきた。

さらに戦後には、健康で文化的な最低限度の生活を保証するために、プライバシーと衛生を確保が優先されて、住宅内部は必要な数の個室とそのほかの室に分割された。個室での生活は次第に充実して、個室はますます個を確立してきた。住宅外形から個室を差し引いた残りがいわゆるLDKとなるが、その寸法はもはや個室と大差ない。近代的な生活を保証するために、住宅内部の室もまた等粒化した。

そして住宅の外形と室は規格寸法の構造と建材でつくられ、住空間は画一化した尺度をまとう。平面は0.9~1.0mの方眼で計画され、2.4mの天井高が割り当てられ、よくみる寸法のサッシが数個はめられる。これらの寸法は、住人にとって穏当であり、生産性に配慮されて経済的であるけれど、しかし画一的な尺度の住空間である。

土地・住宅・室は等粒化し、住空間の尺度は画一化した。寸法と尺度をまとめてスケールと呼ぶとしたら、人が住む空間のスケールは均質化したことになる。いかなる場所にあっても、いかなる人が住んでも、外装や内装の色柄が多種多様であっても、均質なスケールの住宅はほとんど同じ経験しかもたらさない。均質なスケールの住宅に住まわされる私たちは均質化し、均質なスケールの住宅が建つ私たちの都市もまた均質化するのではないかと恐ろしくなる。均質なスケールは私たちに利便をもたらしていると同時に、優しい力で私たちを拘束しているのではないか。

このような均質なスケールの住宅地に家を設計することになった。
建主は快適で住みやすい家を望まれていたのだが、よくよく話を深めてみると、どうやら大きな空間を望まれていることも分かってきた。建主はかつて海外に住んでいて、そこで大きな空間で生活をしていたときに自由を感じていたそうである。こうして、均質なスケールの住宅地から逸脱したスケールの住宅をつくることになった。ここに人の生活の自由がもたらされそうな予感がした。

設計にあたり、まずはなるべくスケールオーバーに計画しようと、物理的なスケールである寸法を拡大した。高度地区付きの第一種低層住居専用地域で可能な最大の外形のなかに、都市のスケールともいえる7×8×4mの大きな室を確保し、4×4mの大きな窓を空けた。そしてその残りを個室とした。大きな窓からは自分の庭と隣地の庭を望み、高く持ち上げられた個室からは地平線まで広がる武蔵野の住宅地を望むことになる。

さらにスケールレス化を図った。つまり、知覚的なスケールである尺度を抽象化した。窓は正方形とし、内外装は白で仕立てた。2階建ての建物に対して立面は3層に分節した。窓はときに層や角をまたぎ、フロストガラスからわずかに生活をほのめかす。スケールレスを主調としたうえで、大きな室は身の丈の高さだけ木で造作して生活機能を担保した。

こうして、見慣れたものの組み合わせからなる住宅が、スケールの操作によって見慣れぬ様相を手に入れた。宗教建築はプロポーションと光で慣習的な雰囲気を脱したが、この住宅ではスケールの操作で慣習的な雰囲気を脱している。これが慣習的な家らしさに縛られない自由な気分をもたらす。

一方で、この異質な住宅のスケールは住宅地の文脈に接続する。道のスケールに似た室、空地のスケールに似た窓、高く持ち上げられて住宅地の上に顔を出す2階の個室などは、再帰的に住宅地に根ざしている。そして窓から望む具体的な住宅地の風景は、都市に住む実感を繋ぎ留める。

住宅地にそぐう外形のなかで、住宅地の等粒化したスケールから一歩引いて、私的経験を手がかりにしたスケールで住宅をつくり、いたるところで均質かつ慣習的なスケールから逸脱する。このように住宅地の構造から選択的に逸脱することで、家に閉じこもらず都市に浮遊するような住宅となって、人の生活に自由がもたらされるのではないか。

■建築概要

設計:IN STUDIO 担当/小笹泉、奥村直子
監理:IN STUDIO 担当/小笹泉、奥村直子
構造設計監理:MOF 担当/諸藤仁美
施工:内田産業
所在地:東京都小金井市
階数:地上2階
構造:在来木造
建築面積:59.62m2
延床面積:98.61m2
設計期間:2019年11月~2020年9月
施工期間:2020年9月~2021年3月
写真:吉田誠

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
内装・床玄関床

モルタル金コテ 表面強化剤:アッシュフォードフォーミュラ(コスモトレードアンドサービス)

内装・床リビング床

ナラ無垢フローリング オークユニ(チャネルオリジナル)

内装・床寝室・洗面所・トイレ・ロフト床

Pタイル Modern(タジマ)

内装・壁リビング壁

シナ合板 OS
ビニルクロス:TH8911(サンゲツ)

内装・壁寝室・洗面所・トイレ・ロフト壁

ビニルクロス:TH8911(サンゲツ)

内装・天井天井

ビニルクロス:TH8911(サンゲツ)

内装・キッチン厨房機器

シエラ(LIXIL)

内装・キッチン換気扇

SSQR-3A-6016 W(富士工業)

内装・浴室浴室

サザナ(TOTO)

内装・水廻り便器

ZJ(TOTO)

内装・水廻り洗面カウンター

ピアラ(LIXIL)

内装・金物ドアノブ

1-V4C-N-LJ(カワジュン)

内装・金物取手

丸棒取手(栃木屋)

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※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません


Most of the Kanto Plain is a flat residential area covered with short houses. There are a few tall buildings around train stations and along main roads, but from a distance, Tokyo is still flat. Urban planning has positioned fields as land on which low-rise housing should be built. The taxation system divided large plots of land into smaller plots for small houses, and standard-sized detached houses were built by standard households. In other words, land and housing were isogranularized by both urban and economic inducements.

Furthermore, in the postwar period, in order to guarantee a minimum standard of living, privacy and hygiene were prioritized, and the interior of the house was divided into a necessary number of private rooms and other rooms. Life in private rooms was gradually enhanced, and the private rooms became more and more individualized. The remaining space after subtracting the private rooms from the exterior of the house is the so-called LDK, the dimensions of which are no longer much different from those of the private rooms. In order to guarantee modern living, the rooms inside the house have also become more homogenized.

The exterior of the house and its rooms are built with standardized construction and construction materials, and the living space is clad in a uniform scale. The plan is planned on a 0.9 to 1.0 meter grid, with a 2.4 meter ceiling height and a few sashes of common dimensions. These dimensions are reasonable, productive, and economical for the inhabitants, but they are a uniform scale of living space.

Land, houses, and rooms have become isogranular, and the scale of living space has become uniform. If dimensions and scale are collectively called scale, then the scale of human living space has become homogenized. No matter where it is located, who lives in it, or the variety of colors and patterns of the exterior and interior, a homogeneous scale house will provide almost the same experience. I fear that we will become homogenized by the homogeneous scale of housing, and that our cities, where homogeneous scale housing is built, will also become homogenized. Homogeneous scale brings us convenience, but at the same time, it may be holding us back with a gentle force.

I was asked to design a house in such a homogeneous scale residential area. The client wanted a comfortable and livable house, but upon further discussion, it became clear that he also wanted a large space. The owner had lived abroad in the past and had felt a sense of freedom when living in a large space there. Thus, it was decided to create a house on a scale that deviated from the homogeneous scale of residential areas. We had a feeling that this would bring freedom to people’s lives.

In designing the house, we first tried to plan it as over-scale as possible, so we enlarged the physical scale of the house. Within the largest possible exterior dimensions in a first-class low-rise residential district with an elevated zone, we secured a large room (7 x 8 x 4 m), which could be described as urban scale, with a large window (4 x 4 m). The rest of the room is used as a private room. The large window overlooks one’s own garden and the garden of the neighboring property, while the raised private room overlooks the Musashino residential area, which stretches to the horizon.

Furthermore, we tried to make the house scale-less. In other words, scale, the perceptual scale, was abstracted. The windows are square, the interior and exterior are white, and the elevation is divided into three levels in relation to the two-story building. The windows sometimes straddle layers or corners, and frosted glass hints slightly at life. Scalelessness is the main tone, and large rooms are made of wood only as high as the height of the owner’s body to ensure the functionality of the living space.

In this way, the house, which is a combination of familiar objects, acquires an unfamiliar aspect through manipulation of scale. Religious architecture has escaped the conventional atmosphere through proportions and light, but this house has escaped the conventional atmosphere through manipulation of scale. This brings about a feeling of freedom from conventional house-ness.

On the other hand, the scale of this heterogeneous house connects to the residential context. Rooms that resemble the scale of a street, windows that resemble the scale of an empty lot, and private rooms on the second floor that are lifted high and face out over the residential area are recursively rooted in the residential area. The concrete view of the residential area seen through the windows keeps the sense of living in the city alive.

In the external form that fits the residential area, the house is created on a scale that takes a step back from the isogranular scale of the residential area, and on a scale that takes its cue from private experience, and everywhere deviates from the homogeneous and conventional scale. By selectively deviating from the structure of the residential area in this way, the houses will not be confined to the house, but will be floating in the city, bringing freedom to people’s lives.]

House in Scale
Design: IN STUDIO (Izumi Kozasa, Naoko Okumura)
Supervision: IN STUDIO (Izumi Kozasa, Naoko Okumura)
Structural Design & Supervision: MOF (Hitomi Morofuji)
Construction: Uchida Sangyo
Location: Koganei-shi, Tokyo
Building area: 59.62m2
Total floor area: 98.61m2
Number of floors: 2 floors above ground
Structure: Conventional wood
Design Period: 2019.11-2020.9
Construction Period: 2020.9-2021.3
Photo: Makoto Yoshida

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    小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOによる、埼玉の住宅「耕の家」
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    東海林健+平野勇気 / 東海林健建築設計事務所による、新潟市の「山五十嵐こども園」。少子高齢化が進む郊外での建替。地域を巻き込み施設の在り方の対話を重ねて、交流の場となる“境界の弱い拡張する”建築を志向。木製トラス屋根で場所毎に表情の異なる環境と緩やかな繋がりも作る
    photo©藤井浩司(TOREAL)

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    architecture|feature
    建材(外装・屋根)佐藤将之廣瀬J・ツカサ設計CADシステムIPE平野勇気東海林健TOREALコモレビデザイン田中哲也建築構造計画建材(外装・壁)建材(内装・天井)建材(内装・壁)建材(外装・床)建材(内装・床)藤井浩司図面あり新潟教育施設
    東海林健+平野勇気 / 東海林健建築設計事務所による、新潟市の「山五十嵐こども園」。少子高齢化が進む郊外での建替。地域を巻き込み施設の在り方の対話を重ねて、交流の場となる“境界の弱い拡張する”建築を志向。木製トラス屋根で場所毎に表情の異なる環境と緩やかな繋がりも作る photo©藤井浩司(TOREAL)
    東海林健+平野勇気 / 東海林健建築設計事務所による、新潟市の「山五十嵐こども園」。少子高齢化が進む郊外での建替。地域を巻き込み施設の在り方の対話を重ねて、交流の場となる“境界の弱い拡張する”建築を志向。木製トラス屋根で場所毎に表情の異なる環境と緩やかな繋がりも作る photo©藤井浩司(TOREAL)
    東海林健+平野勇気 / 東海林健建築設計事務所による、新潟市の「山五十嵐こども園」。少子高齢化が進む郊外での建替。地域を巻き込み施設の在り方の対話を重ねて、交流の場となる“境界の弱い拡張する”建築を志向。木製トラス屋根で場所毎に表情の異なる環境と緩やかな繋がりも作る photo©藤井浩司(TOREAL)
    東海林健+平野勇気 / 東海林健建築設計事務所による、新潟市の「山五十嵐こども園」。少子高齢化が進む郊外での建替。地域を巻き込み施設の在り方の対話を重ねて、交流の場となる“境界の弱い拡張する”建築を志向。木製トラス屋根で場所毎に表情の異なる環境と緩やかな繋がりも作る photo©藤井浩司(TOREAL)

    東海林健+平野勇気 / 東海林健建築設計事務所が設計した、新潟市の「山五十嵐こども園」です。
    少子高齢化が進む郊外での建替です。建築家は、地域を巻き込み施設の在り方の対話を重ねて、交流の場となる“境界の弱い拡張する”建築を志向しました。そして、木製トラス屋根で場所毎に表情の異なる環境と緩やかな繋がりも作る事も意図されました。

    「しぜんに、しぜんと」を理念とするこども園。
    敷地は新潟市西区五十嵐3の町西。村の小道をくねくねと抜けた先の自然豊かな砂丘の頂に位置する木造平家建の園は、歩を進める毎にパラパラとシーンやニッチを展開し子供達に多様な拠所を提供する。保育室、更には園舎、園庭を越えて周辺地域までを一つの連続体とした「大きな保育環境の構築」、子供達の学びと遊びに村全体で寄添い、そして子供達が村に活性を育む、そんな「相互に見守る関係の構築」を目指した。

    建築家によるテキストより

    「この園、誰のため、何のため?」をテーマとして、保育の研究者、保育士、父母、地域住民を巻込みワークショップを重ね、少子高齢化の時代に、衰退が進む郊外の敷地で園を建替することの意味について、子供達のため村のためとなる園のあり方について対話を積み上げ、「村のように園をつくり、園のように村をそだてる」をビジョンとして定めた。

    建築家によるテキストより

    子供たちが保育室の外に出ていき、園庭やまちにあふれる遊び場を活用することと同時に、こども園を地域の交流の場として解放し、村の人々にこども園に来てもらう「境界の弱い拡張するこども園」を提案。子供達に多様な学びと遊びが生まれる環境作りを目的に、保育をひとつの室だけではなく他の室に開き、屋内を自然あふれる屋外に開き、こども園を村に開き、それぞれの「境界」をいかに溶かすのかが課題となった。

    大きな材が運べない敷地条件のもと、現場で小さな材を組み合わせた木製トラスを作り、大きな保育空間を作った。頂点が上を向いたトラスと下を向いたトラスを組み合わせ、トラス屋根の連続を作っている。トラスの交点を間仕切り壁の上からずらして載せることで、各室ごとに表情の異なる環境を作り出すと同時に、間仕切り壁の上部に抜けを作り、それぞれの環境を緩やかにつなげている。

    建築家によるテキストより
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    建材(外装・屋根)佐藤将之廣瀬J・ツカサ設計CADシステムIPE平野勇気東海林健TOREALコモレビデザイン田中哲也建築構造計画建材(外装・壁)建材(内装・天井)建材(内装・壁)建材(外装・床)建材(内装・床)藤井浩司図面あり新潟教育施設
    2022.11.24 Thu 16:04
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    木村松本建築設計事務所による、図面集『住宅設計原寸図集』を先行プレビュー。力強い架構を持つ木造建築で評価される建築家の代表作を、豊富な図面・スタディ模型・撮り下ろし写真等で紹介

    SHARE 木村松本建築設計事務所による、図面集『住宅設計原寸図集』を先行プレビュー。力強い架構を持つ木造建築で評価される建築家の代表作を、豊富な図面・スタディ模型・撮り下ろし写真等で紹介

    architecture|book|promotion
    木村松本建築設計事務所による、図面集『住宅設計原寸図集』を先行プレビュー。力強い架構を持つ木造建築で評価される建築家の代表作を、豊富な図面・スタディ模型・撮り下ろし写真等で紹介
    柳々堂のWebストアで、木村松本建築設計事務所による『住宅設計原寸図集』の著者サイン本を予約受付中です
    ryuryudo.stores.jp

    木村松本建築設計事務所による、図面集『住宅設計原寸図集』を先行プレビューします。
    力強い架構を持つ木造建築で評価される建築家の代表作を、豊富な図面・スタディ模型・撮り下ろし写真等で紹介する内容となっています。発売日は2022年12月20日です。amazonでの予約ページはこちら。

    JIA新人賞受賞など近年めざましい活躍を続ける
    「木村松本」の初の著作にして図面集が、ついに完成!

    多義的で大らかと称される独自の建築が生まれる背景に、いまでも描かれ続ける「1/1」の原寸図の存在がありました。
    原寸図は、ディテールを決めるためだけでなく、「つくるとつかう」を同時共存させるために欠かせない、といいます。

    この本では、代表作となる3軒の住宅「house T/salon T」「house A/shop B」「house S/shop B」を取り上げ、原寸図を中心とした設計図のほか、スタディ模型やスケッチ、撮り下ろし写真を多数収録し、「木村松本」の設計手法を明らかにします。

    ・特別寄稿:植田実、家成俊勝、藤原徹平、満田衛資、仲野寛州央
    ・写真撮影:大竹央祐、笹倉洋平、増田好郎 (ほか)
    ・ブックデザイン:原田祐馬+岸木麻理子(UMA/design farm)

    リリーステキストより

    木村吉成+松本尚子によるコメント

    建築とはある場所における、さまざまな条件のせめぎ合いが均衡したものであり、また唯一のものである。(中略)私たちはそのせめぎ合いが均衡した状態、いいかえれば動きがつり合った有り様を建築に少しでもとどめることができないか、と思っている。

    建築は動かない。だけどそのように「いまのところは止まっている」ということを全体の質として保存することができたら、建築はずっと動き続けるのではないか。そしてその動きは、人に、行為に、そして周りの環境に作用し、たとえ主が移り変わっても、異なった使われ方がされようとも、その場に長く建ち続けるのではないか。

    そんなことを願いながら、建築を「1/1」で考え続けている。 

    木村松本建築設計事務所『住宅設計原寸図集』の「序に代えて」より一部抜粋

    藤原徹平によるコメント

    彼らの建築が単純なようでいて、どこか掴み切れないような多様さを帯びていること。
    機能が欠落しているようでいて、むしろ多機能のように感じること。
    そのような新しい状態を希求する可能態としての建築がこれからどのように展開していくのか、その試みに共感する建築家として非常に楽しみにしている。  

    特別寄稿より一部抜粋
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    2022.11.24 Thu 08:10
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    2022.11.23Wed
    • 首都大学東京名誉教授の深尾精一が審査委員長を務める「第26回木材活用コンクール」が応募作品を募集中。木造及び混構造建築、木質空間(内装、エクステリア)、クリエイティブユースの作品を募集。選定作品には“農林水産大臣賞”や“国土交通大臣賞”等が贈呈
    • 湯浅良介による建築展「Pole Star」。洋菓子店の上階のスペース“un”での展示。自身の建築の“捉え方”の表現を求め、華美な装飾が施され光を反射し回転する“柱”を製作。構造とは異なる“柱”の意味に注目し“想像の銀河”を重ねて構想
    2022.11.25Fri
    • 山根俊輔 / 山根製作所による、福岡市の「スティーブンホール棟511リノベーション」。世界的に著名な建築家の集合住宅での計画。既存の一般建材が使用された状況に対し、共用部に見られる“ホールらしさ”を住戸内へ引継ぐ設計を志向。時間を超え存在する建築に“使命感”を持ち向き合う
    • 中山英之建築設計事務所による「『川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり』展 会場構成」。東京オペラシティ アートギャラリーでの展示。其々の作品群に“固有な手触り”を空間化する為、展示室の中に“6つの全く異なる場所”と“巡る経路”を設計。作家の眼差しと会場での時間が重なる経験を志向

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