胡実建築設計事務所が設計した、東京の住宅「摂取する中庭」です。
都市部の住宅地に計画されました。建築家は、外部を慎重に取捨選択して取込む為、最小限の面積で積極的に環境を取り込む“能動的な形状”の中庭を考案しました。音と光や風等を“摂取”する“消化器官”としての中庭が志向されました。
快適な温熱環境、音環境、季節ごとの適切な採光など、前にもまして建築は外部を慎重に取捨選択して取り込まないといけない。
それはまるで外部を摂取しているかのようである。
摂取、つまり動物が食べるという行為は、内部をなるべく外にさらけ出さずに、外部をフィルターにかけながら内部に取り込む行為である。
この住宅における中庭は、いわば外部の環境(音、光、風、ビュー)を取り入れる消化器官である。
外との熱的境界を最小限としながら、外界を積極的に取り入れる動物的、能動的な形状が、断熱性能が求められる都市型住宅の一つのあり方であることを提示する。
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以下、建築家によるテキストです。
快適な温熱環境、音環境、季節ごとの適切な採光など、前にもまして建築は外部を慎重に取捨選択して取り込まないといけない。
それはまるで外部を摂取しているかのようである。
摂取、つまり動物が食べるという行為は、内部をなるべく外にさらけ出さずに、外部をフィルターにかけながら内部に取り込む行為である。
この住宅における中庭は、いわば外部の環境(音、光、風、ビュー)を取り入れる消化器官である。
面積は最小限ながら、外部を積極的に取り入れられる形状としている。
南側を低くすることで、光が奥まで差し込むようになり、南風が内部に取り込まれやすくなる。
サンルームから広い空が見えるようになる。
外との熱的境界を最小限としながら、外界を積極的に取り入れる動物的、能動的な形状が、断熱性能が求められる都市型住宅の一つのあり方であることを提示する。
■建築概要
名称:摂取する中庭
所在地:東京都
用途:専用住宅
意匠設計:胡実建築設計事務所 胡実
構造設計:田村愛構造設計工房 田村愛
施工:株式会社清水工務店
建築面積:106㎡
延床面積:251㎡
竣工年月:2022年8月
写真:田中克昌、白井洋平