SHARE OKDOによる、東京・杉並区の「線路のとなりの小さな家」。線路沿いの高台に計画。人が集まる“公”の空間を持つ住宅を目指し、“公”と“私”の出入口を別けて開放的な“サロン”をメインに空間を構成。“よそ行き”の場が新しい生活や繋がりを生み出す
OKDOが設計した、東京・杉並区の「線路のとなりの小さな家」です。
線路沿いの高台に計画されました。建築家は、人が集まる“公”の空間を持つ住宅を目指し、“公”と“私”の出入口を別けて開放的な“サロン”をメインに空間を構成しました。そして、“よそ行き”の場が新しい生活や繋がりを生み出します。
敷地は都内住宅街の高台にあります。
南側隣地には高さ1.2m程の生垣が植えられており、生垣の向こうの崖下には線路が走ります。線路越しの対岸には公園の豊かな緑を借景として臨めます。
既成の住宅建築の枠組みに不自由を感じていたクライアント夫婦が求めたのは、夫婦各々が独立できる家であること、人が自由に集まることができるパブリックスペースがあること、そしてそこに生まれる新しいライフスタイルでした。
家の中に、サロンという「よそ行き」「出会い」の場があることで、夫婦が心地よい距離感を保って生活できるようになりました。また、夫婦の子どもや友人がサロンを訪れ、今まで接点のなかった者同士が自然と時間を共有することも頻繁に起こるようになりました。従来の住宅の概念に縛られた不自由な生活を解放すると、自然と新しい生活や繋がりが生まれることを、この建築は実証しています。
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以下、建築家によるテキストです。
建築の構成
敷地は都内住宅街の高台にあります。
南側隣地には高さ1.2m程の生垣が植えられており、生垣の向こうの崖下には線路が走ります。線路越しの対岸には公園の豊かな緑を借景として臨めます。
既成の住宅建築の枠組みに不自由を感じていたクライアント夫婦が求めたのは、夫婦各々が独立できる家であること、人が自由に集まることができるパブリックスペースがあること、そしてそこに生まれる新しいライフスタイルでした。
プライベートエントランスを入って半地下に下ると、動線・設備コアの両側に夫婦の個室が配置されています。生垣に囲まれた専有庭を持つ、プライベート性の高い空間です。
一方、道路から続く外階段を1.2m程上がったパブリックエントランスを入ると、南側を全面開口とし、生け垣を超えて崖にせり出すサロン空間があります。床はアプローチ同様スレート敷きにすることで外部との連続性を高め、対岸の公園と連続する開放的な空間としました。
家の中に、サロンという「よそ行き」「出会い」の場があることで、夫婦が心地よい距離感を保って生活できるようになりました。また、夫婦の子どもや友人がサロンを訪れ、今まで接点のなかった者同士が自然と時間を共有することも頻繁に起こるようになりました。従来の住宅の概念に縛られた不自由な生活を解放すると、自然と新しい生活や繋がりが生まれることを、この建築は実証しています。
構造計画
この建築の最大のテーマは、木造で8mスパンの大開口を作り、サロンを外部と一体化させることでした。南面のスチールサッシは垂直力のみ負担させて部材寸法を小さく納め、ブレスなど視界を遮るものは排除しました。水平力は東面外壁に設けた2枚の耐力壁が担っています。この壁の間にはTVなどの生活家電が収納され、構造のみならず生活空間の要として機能しています。
■建築概要
題名:線路のとなりの小さな家
所在地:東京都杉並区
主用途:住宅
設計:OKDO 担当/岡田周也、木藤美和子、渋谷真弘(監理協力)
構造設計:馬場貴志構造設計事務所
施工:株式会社キド建設
施工協力:旭ビルウォール株式会社 担当/小野田一之(施工当時)谷口幸雄
材料協力:旭ビルウォール株式会社 担当/小野田一之(施工当時)谷口幸雄、グラストップ株式会社、東リ株式会社、インビスタジャパン合同会社
階数:地下1階、地上2階
構造:地下RC造、地上木造
敷地面積:93.13㎡
建築面積:46.49㎡
延床面積:119.04㎡
設計期間:2014年1月~2015年5月
工事期間:2015年6月~2016年2月
竣工:2016年2月
写真:鈴木淳平、池田真、木藤美和子
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
外装・屋根 | 屋根 | ZAM(MAX KENZO) |
外装・壁 | 外壁 | ZAM(MAX KENZO) |
外装・建具 | 大型サッシ | |
内装・床 | サロン・階段・風呂床 | グレースレート(澤田商店) |
内装・床 | 個室・図書室床 | |
内装・壁 | サロン壁 | |
内装・天井 | サロン天井 | |
内装・建具 | ブラインド | |
内装・浴室 | 風呂撥水処理 |
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