小山光+KEY OPERATIONが設計した、東京・豊島区の「池袋テラスビル」です。
駅前の間口の狭い敷地に建つ商業ビルです。建築家は、隣接建物の後退に着目し、角部に積層させたテラスが“大きな袖看板”の様に賑わいを周知する建築を考案しました。また、軒裏を第二のファサードと捉えて意識的な素材選択と照明計画も行われました。
池袋東口からサンシャイン60へ向かうサンシャイン60通りとサンシャイン通りを繋ぐ脇道に面した、ラウンドワンの大きなビルとラウンドワンの機械式駐車場の建物に挟まれた敷地に建つ地上8階、地下1階の商業テナントビル。
間口6.8m、奥行き16mという間口の狭い敷地なので、通常であればアピールできるファサードが前面のみに限定されるが、左右のラウンドワンの建物は10階建てにするため3mほどセットバックしており、前面以外に側面の一部もファサードとして見せることができる。
1階部分はこの突出した形状を利用して、人を招き入れるように作られている。よりトラフィックの多いサンシャイン60通り側は共用エレベーターのホールと1階店舗への入り口に誘導するように飛び出している。反対のサンシャイン通り側は屋外避難階段が設置され、地下テナントへの誘導ができる設えとしている。
我々の設計してきた飲食テナントビルでは、恵比寿のテラスビル、神田テラスなどコロナ禍以前から積極的に提案してきたが、コロナ禍以降はテラスなどの屋外空間を設けることを望むテナントがより多く増えてきた。このビルでも、サンシャイン60通り側の側面ファサードには2.5m角のテラスを設けている。
さらに建物に近づくと、ファサードは立面図としての見え方ではなくなり、見上げて見える軒裏がファサードとなる。このテラスの軒裏は燻製したアッシュで仕上げて、さらに手すりの上に設置された照明でライトアップすることで、このビルで一番目につく軒裏の天井面をもう一つのファサードとして立体的に表現している。外壁面のアスロックも木目のあるものを採用し、塗装も木調にして、モノトーンなラウンドワンの建物に対して有機的な佇まいを対照的に見せるようにしている。
立体的な垂直ガーデンテラスを作ることで、それぞれのレストランがもっと街に関わることができる空間を持ち、人と交通が行き来する都市のなかで食事を楽しめるダイナミックなパブリックランドスケープを提起している。
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以下、建築家によるテキストです。
池袋東口からサンシャイン60へ向かうサンシャイン60通りとサンシャイン通りを繋ぐ脇道に面した、ラウンドワンの大きなビルとラウンドワンの機械式駐車場の建物に挟まれた敷地に建つ地上8階、地下1階の商業テナントビル。
間口6.8m、奥行き16mという間口の狭い敷地なので、通常であればアピールできるファサードが前面のみに限定されるが、左右のラウンドワンの建物は10階建てにするため3mほどセットバックしており、前面以外に側面の一部もファサードとして見せることができる。
1階部分はこの突出した形状を利用して、人を招き入れるように作られている。よりトラフィックの多いサンシャイン60通り側は共用エレベーターのホールと1階店舗への入り口に誘導するように飛び出している。反対のサンシャイン通り側は屋外避難階段が設置され、地下テナントへの誘導ができる設えとしている。
我々の設計してきた飲食テナントビルでは、恵比寿のテラスビル、神田テラスなどコロナ禍以前から積極的に提案してきたが、コロナ禍以降はテラスなどの屋外空間を設けることを望むテナントがより多く増えてきた。このビルでも、サンシャイン60通り側の側面ファサードには2.5m角のテラスを設けている。
屋外避難階段の周囲2mは開口制限があるため、階段横のファサード面を前面まで押し出すと、ファサード面のほぼ全てが壁になってしまうが、テラスを設けてセットバックすることで、開口制限をかわして大きな開口を設けた。内外を連続させてテラスを使用できるように、全面開放できる折り戸のサッシを設置した。サンシャイン60通りからアプローチすると、この積層するテラスは大きな袖看板のように見えて、賑わいを通りにアピールすることができる。
さらに建物に近づくと、ファサードは立面図としての見え方ではなくなり、見上げて見える軒裏がファサードとなる。このテラスの軒裏は燻製したアッシュで仕上げて、さらに手すりの上に設置された照明でライトアップすることで、このビルで一番目につく軒裏の天井面をもう一つのファサードとして立体的に表現している。外壁面のアスロックも木目のあるものを採用し、塗装も木調にして、モノトーンなラウンドワンの建物に対して有機的な佇まいを対照的に見せるようにしている。
立体的な垂直ガーデンテラスを作ることで、それぞれのレストランがもっと街に関わることができる空間を持ち、人と交通が行き来する都市のなかで食事を楽しめるダイナミックなパブリックランドスケープを提起している。
■建築概要
建物名称:池袋テラスビル
所在地:東京都豊島区東池袋
主要用途:商業テナントビル
事業主:シティホームズ
設計:小山光+KEY OPERATION INC.
設計協力:小林泉
構造:有限会社構造設計工房デルタ
設備:株式会社エナ・デザインコンサルタント
施工:中央建設株式会社
主体構造・構法:鉄骨造
基礎:杭基礎
階数:地上8階
最高高さ:25.122m
敷地面積:103.54 ㎡
建築面積:75.83m2(建蔽率73.24% 許容80%:商業地域の防火地区内における耐火建築物のため制限なし100%)
延床面積:680.43m2(容積率496.26% 許容600%)
竣工:2022年11月
写真:矢野紀行
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 外装・床 | 共用エントランス、1F東側エントランス 床 | 外装用床タイル [湿式]
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外装・床 | バックヤード、躯体~隣地境界線間 床 | コンクリートたたき+撥水剤
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外装・床 | バルコニー 床 | アスファルト防水の上抑えコンクリートt60~100
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外装・床 | 屋上 床 | アスファルト防水の上に断熱材t50+押さえコンクリートt60-120
一部グレーチングによる床上げ [メンテナンス動線確保のため]
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外装・壁 | 外壁 | 水平金属パネル:St.PL t=2.3 高耐食メッキ鋼板特殊塗装:CRAFT-N. CN-L相当 [N4調色](フロント)
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外装・壁 | 南面、北面、西面 外壁 | ALC t=100 親水性フッ素樹脂塗装
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外装・壁 | 屋外避難階段 外壁 | アスロックt60 親水性フッ素樹脂塗装(ノザワ)
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外装・壁 | 地階 外壁 | RC躯体の上防水
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外装・建具 | 南面 開口部 | アルミサッシFIX窓
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外装・建具 | 東面 開口部 | アルミ製大開口折れ戸あけてんで
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外装・建具 | 設備バルコニー出入口 建具 | SD
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外装・建具 | 屋外避難階段出入口 建具 | SD、ガラス框SD
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外装・建具 | 1F東側地階用エントランス 建具 | 煙感連動随時閉鎖式SD [常開]
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外装・その他 | 共用エントランス、バルコニー 軒裏 | 燻製ホワイトアッシュt12 [下地:ケイカル板t=4捨貼りAEP]
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外装・その他 | バックヤード、設備バルコニー 軒裏 | デッキプレートフッ素樹脂塗装
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外装・その他 | 金属製転落防止柵 | 縦格子:FB t6x32 @110 スチール溶融亜鉛めっき+フッ素樹脂焼付塗装
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外装・その他 | 金属製手摺 | FB t6x32 スチール溶融亜鉛めっき+フッ素樹脂焼付塗装
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外装・その他 | バルコニー手摺緑 | つる植物付きプランター
潅水設備
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外装・その他 | 屋外階段 | 鉄骨階段:踏み板、蹴込板
踊場:チェッカープレート+アクリル樹脂塗装
ささら:アクリル樹脂塗装
縦格子:FB t12x32 @110 スチールアクリル樹脂塗装
踊場に点状ブロック
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内装・床 | 床 | 合成スラブ用デッキプレート+コンクリート金コテ仕上げ
EV前木軸による床上げ [合板t12]+スロープ1/12設置
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内装・床 | 地階 床 | コンクリート金コテ仕上げ
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内装・壁 | 壁 | ALC素地
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内装・壁 | 地階 壁 | コンクリート打放し
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内装・壁 | 屋内避難階段 壁 | ALCアクリル樹脂塗装
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内装・天井 | 天井 | デッキプレート現し
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内装・天井 | 地階 天井 | コンクリート打放し
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内装・天井 | 屋内避難階段 天井 | 鉄骨表し
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※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません