高塚陽介 / TYdo architectsが設計した、静岡・磐田市の「久保町の住宅」です。
様々な“異なる性格”の土地に面した敷地での計画です。建築家は、生活リズムが不規則な施主の為に、夜中でも気を遣わず“不自由のない日常”を送れる建築を志向しました。そして、隣接状況と呼応するように距離・機能配置・開口部を操作して建築を造りました。
静岡県磐田市の住宅密集地の中に計画した木造平屋建の住宅です。
施主は、仕事の関係で生活リズムが昼夜で逆転することも頻繁にあることから、夜中でも周辺宅へ気を使うことなく不自由のない日常を送ることを強く要望された。
敷地は、周囲の土地に対して東西に細長い形状をしており、接する隣地が多いという特徴を持つ。東側は小学校への通学路となる歩道のない道路であり、南面はセットバックが必要な二項道路となっている。
さらに周辺状況を細かく読み解くと、北側東寄りは平日日中のみ使用されることが多い月極駐車場で、西寄りは敷地まで迫って建つ二階建て住宅があり、西側は同じく敷地側まで近接する二階建て住宅、南面西寄りは二項道路を挟んで少しセットバックされた新築二階建ての住宅、東寄りは道路に近接されて建つ二階建て住宅がある等、計6種の異なる性格の敷地と接している。
まずは建物を敷地の中央に配置することで、東西側の隣接地からは適度に距離をとることとし、南面からの採光を期待してリビングと同幅の中庭を南側道路沿いに配す構成とした。また中庭には木塀で視線をコントロールしている。建物東側の道路沿いはランドリールームとし、昼夜問わず洗濯機をまわしたり洗濯物を干したりすることを想定してる。
建物西側は周辺を2階建ての住宅に囲われているため採光が他の部屋よりも期待できないことを逆手に取り、日中の安眠のため地窓を設えた寝室を計画した。リビングの天井は片流れの形状とし、中庭側は庇を大きくせり出させ中庭との連続性を意識したものにしている。反対に北側の隣地側はハイサイドライトを設え駐車場との関係を遮断した。
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以下、建築家によるテキストです。
静岡県磐田市の住宅密集地の中に計画した木造平屋建の住宅です。
施主は、仕事の関係で生活リズムが昼夜で逆転することも頻繁にあることから、夜中でも周辺宅へ気を使うことなく不自由のない日常を送ることを強く要望された。
敷地は、周囲の土地に対して東西に細長い形状をしており、接する隣地が多いという特徴を持つ。東側は小学校への通学路となる歩道のない道路であり、南面はセットバックが必要な二項道路となっている。
さらに周辺状況を細かく読み解くと、北側東寄りは平日日中のみ使用されることが多い月極駐車場で、西寄りは敷地まで迫って建つ二階建て住宅があり、西側は同じく敷地側まで近接する二階建て住宅、南面西寄りは二項道路を挟んで少しセットバックされた新築二階建ての住宅、東寄りは道路に近接されて建つ二階建て住宅がある等、計6種の異なる性格の敷地と接している。
まずは建物を敷地の中央に配置することで、東西側の隣接地からは適度に距離をとることとし、南面からの採光を期待してリビングと同幅の中庭を南側道路沿いに配す構成とした。また中庭には木塀で視線をコントロールしている。建物東側の道路沿いはランドリールームとし、昼夜問わず洗濯機をまわしたり洗濯物を干したりすることを想定してる。
建物西側は周辺を2階建ての住宅に囲われているため採光が他の部屋よりも期待できないことを逆手に取り、日中の安眠のため地窓を設えた寝室を計画した。リビングの天井は片流れの形状とし、中庭側は庇を大きくせり出させ中庭との連続性を意識したものにしている。反対に北側の隣地側はハイサイドライトを設え駐車場との関係を遮断した。
静岡県磐田市におけるローカリティとは何かについて考えている。地域行事で醸成されたコミュニティ、慣習、風土を念頭に置きつつ、この地での普遍的で豊かな暮らし方を模索し続けている。本プロジェクトは、弊社磐田事務所より半径1km以内に建築した8例目のものである。
■建築概要
題名:久保町の住宅
所在地:静岡県磐田市中泉
主要用途:住宅
設計:TYdo architects / 高塚陽介
施工:常盤工業株式会社
構造:高橋俊也構造建築研究所 / 高橋俊也
構造:木造
階数:平屋建
敷地面積:319.22㎡
建築面積:88.89㎡
延床面積:83.20㎡
竣工:2023年10月
写真:Kenta Hasegawa