津金愛理+フン・チョク・テイ / オンデザインが設計した、東京・世田谷区の住戸改修「拡がるリビングの家」です。
築40年の集合住宅内での計画です。建築家は、家族や友人とシェアできるリビングの要望に、集まるだけではない“様々な活動が同時多発的に起こる”空間を志向しました。そして、個室の機能の一部も取り出してリビング内に多様な居場所を作りました。
築40年のマンションの一室の改修。
施主の要望はリビングを大きくし、友人や家族でリビングをシェアしたいというものであった。
従来のリビングは、家族全員でテレビを見たり食事をしたりと、一箇所に集まって過ごすことを想定して作られていたことが多かったように思う。リビングでの活動が多様化している中、一箇所に集まるだけではなく、様々な活動が同時多発的に起こるようなリビングのあり方が必要ではないか。
キッチンとリビングの間仕切り壁を撤去し、オープンなキッチンに変更した。
既存の間取りは、北側が寝室、南側がリビング、その間が廊下と一般的な間取りであった。寝室や収納を確保すると、リビングを大きくするには限界があった。そこで寝室の一部を共用部に置換し、収納や本棚、読書スペースなどの共用の機能を挿入し、その場所をサブリビングと名付けた。サブリビングの窓は玄関まで光と風を通す。
サブリビングでは1人で読書や、仕事をしたり、2,3人で話をしたり、リビングの延長線として過ごすことができる。
またリビングの窓際に造作カウンターを設けた。視線は外に向き、リビングとルーフバルコニーが繋がる。
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以下、建築家によるテキストです。
築40年のマンションの一室の改修。
施主の要望はリビングを大きくし、友人や家族でリビングをシェアしたいというものであった。
従来のリビングは、家族全員でテレビを見たり食事をしたりと、一箇所に集まって過ごすことを想定して作られていたことが多かったように思う。リビングでの活動が多様化している中、一箇所に集まるだけではなく、様々な活動が同時多発的に起こるようなリビングのあり方が必要ではないか。
キッチンとリビングの間仕切り壁を撤去し、オープンなキッチンに変更した。
既存の間取りは、北側が寝室、南側がリビング、その間が廊下と一般的な間取りであった。寝室や収納を確保すると、リビングを大きくするには限界があった。そこで寝室の一部を共用部に置換し、収納や本棚、読書スペースなどの共用の機能を挿入し、その場所をサブリビングと名付けた。サブリビングの窓は玄関まで光と風を通す。
サブリビングでは1人で読書や、仕事をしたり、2,3人で話をしたり、リビングの延長線として過ごすことができる。
またリビングの窓際に造作カウンターを設けた。視線は外に向き、リビングとルーフバルコニーが繋がる。
一般的にワンルームのプランは、個室の必要床面積を確保した後それ以外を共用部とする。
ここでは共用部の境界を少しだけ個室側に拡げ、様々な活動を受け止めるおおらかな空間を生み出した。多様な居場所を持ったリビングがワンルームの中に心地よい距離感をつくりだす。
■建築概要
題名:拡がるリビングの家
所在地:東京都世田谷区
構造:RC造
規模:地上4階
主用途:住宅
設計:津金愛理+Fung Cheuk Ting / オンデザインパートナーズ
施工:QUMA
延床面積:97m²
設計:2023年2月~2023年6月
工事:2023年7月~2023年10月
竣工:2023年10月
写真:鳥村鋼一