小泉誠 / Koizumi Studioが設計した、東京・東村山市の「いとう家の住宅」です。
住宅の建ち並ぶ路地にある敷地です。建築家は、“暮らしながら働く”住まいとして、働く居場所を点在させて緩やかに繋げた“家族の気配も感じられる”建築を考案しました。また、周囲の建ち方を尊重しつつ下屋を追加して“独特な”家の形も作りました。
いとう家は、馴染みの工務店に務める、気心知れた三人家族の住まいです。
計画がコロナ渦と重なり、打ち合わせも非常事態宣言が続き、オンラインでしか出来ない状況でした。それならば「プレゼンテーションは家族とだけではなく知人を集めて楽しくやろう!」ということで、夫婦の両親・工務店の仲間や職人・小泉の教え子や仲間たちと、総勢30名ほどでの公開オンラインプレゼンを行い、この家づくりがはじまりました。
敷地は路地を入って三軒目の南向きで、敷地に立つと北側が隣家の庭で抜けていて、西側には豊かな森が望めました。そこで、南北を貫く空間を主な居場所(居間)として、その周辺に水回り・北側の涼しいデッキ・小上がり+窓ベンチを設けました。
階段は居間の中央に配して空間を適度に仕切っています。この階段を登った二階では西側の森を望め、家族が学び働く場所が連なり、その先の寝る場所へと繋がります。
この家では、夫婦共に仕事をするため「暮らしながら働く」ことを目指し、働くことができる居場所を点在しながらも緩やかにつなげ、家族の気配を感じられる計画をしたことで「廊下のない家」が実現しました。
建物の形は、この路地に面した建物数件が南面に駐車スペースを取り全ての建物が6mほどセットバックしていました。
そして、路地の突き当たりの隣家の二階には森を眺める窓があり、その窓を邪魔しないために、二階建ての建物を他の家の面に合わせ、路地側に下屋を付け足す手法を行い、独特な家の形が出来上がりました。
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以下、建築家によるテキストです。
いとう家は、馴染みの工務店に務める、気心知れた三人家族の住まいです。
計画がコロナ渦と重なり、打ち合わせも非常事態宣言が続き、オンラインでしか出来ない状況でした。それならば「プレゼンテーションは家族とだけではなく知人を集めて楽しくやろう!」ということで、夫婦の両親・工務店の仲間や職人・小泉の教え子や仲間たちと、総勢30名ほどでの公開オンラインプレゼンを行い、この家づくりがはじまりました。
敷地は路地を入って三軒目の南向きで、敷地に立つと北側が隣家の庭で抜けていて、西側には豊かな森が望めました。そこで、南北を貫く空間を主な居場所(居間)として、その周辺に水回り・北側の涼しいデッキ・小上がり+窓ベンチを設けました。
階段は居間の中央に配して空間を適度に仕切っています。この階段を登った二階では西側の森を望め、家族が学び働く場所が連なり、その先の寝る場所へと繋がります。
この家では、夫婦共に仕事をするため「暮らしながら働く」ことを目指し、働くことができる居場所を点在しながらも緩やかにつなげ、家族の気配を感じられる計画をしたことで「廊下のない家」が実現しました。
建物の形は、この路地に面した建物数件が南面に駐車スペースを取り全ての建物が6mほどセットバックしていました。
そして、路地の突き当たりの隣家の二階には森を眺める窓があり、その窓を邪魔しないために、二階建ての建物を他の家の面に合わせ、路地側に下屋を付け足す手法を行い、独特な家の形が出来上がりました。
下屋の屋根の形は路地の先に小さな小屋があるように感じ、路地に新たな風景をつくることができました。
■建築概要
題名:いとう家の住宅
主用途:住宅
住 所:東京都東村山市
設 計:小泉誠+KoizumiStudio 担当/馬場泰輔
施 工:相羽建設株式会社 担当/渡邊拓也、麻生莉紗子
大工:小林優太(棟梁)、谷口智也、上小園光虹
サポート:城丸智也
衛星:大滝工業
左官:二階堂左官+増田左官工業
建具:青建社
塗装:七田塗装工芸
タイル:里見タイル
造園:小林賢二アトリエ 担当/小林賢二
照明計画:たけでん 担当/高野雄介
アートワーク:北川陽史
家具:こいずみ道具店 担当/大柴いずみ
テーブル工房 kiki
家具の手(若葉家具株式会社)
大工の手(わざわ座+相羽建設)
構造:構法木造住宅2階建(在来工法)
規模:地上2階
構造:木造
耐震等級:耐震等級3
断熱性能:G2(HEAT20)相当
敷地面積:117.58㎡(35.5717坪)
建築面積:46.98㎡(14.2坪)
延床面積:82.62㎡ (24.9坪)
竣工年月:2023年3月
撮影:ナカサ&パートナーズ、Koizumi Studio