SHARE アトリエインクによる”ぐんま総合情報センター”
アトリエインクが設計した”ぐんま総合情報センター“です。
この施設は、東京・銀座に「首都圏における情報収集・発信の拠点」として開設されました。(場所はこちら)設計者のアトリエインクは古谷誠章氏が選定委員会委員長を務めるコンペにより選出された。建物一階部分は、エントランスと物販スペースなど。二階には多目的に使うことができるスペース・事務スペースなどがある。
一階エントランス部分。
©Atelier I.M.K.
一階部分。
©Atelier I.M.K.
壁面の合板(木漏れ日パネル)は、場所ごとに厚みが異なる。結果として装飾的な模様が浮かび上がると共に、最も薄い部分では背面の光がぼんやりと透けて見える。
プロジェクトの特徴といえる、この”木漏れ日パネル”は、アトリエインクと天童木工が共同で開発した。
二階へのぼる階段。壁面の色に黒が選択されており、二階天井の明るさを引き立たせている。
2階天井。木漏れ日を思い出させる光が室内に満ちている。
©Atelier I.M.K.
可動壁(木漏れ日パネル)。空間の使い方に合わせて動かすことができる。
©Atelier I.M.K.
木漏れ日パネルで空間を仕切った状態。
©Atelier I.M.K.
©Atelier I.M.K.
小さい開口部には写真が埋め込まれている。
窓から見える銀座の景色。
木漏れ日パネルの表面。
©Atelier I.M.K.
家具はアトリエインクとカッシーナの共同で開発された。床に落ちる影が印象的である。
©Atelier I.M.K.
様々な色が重なる。
©Atelier I.M.K.
□アトリエインクと天童木工が共同で開発した”木漏れ日パネル”の制作プロセス写真
process photo:©Atelier I.M.K.
以下、建築家によるプロジェクトに関する記述です。
ぐんま総合情報センターについて
設計中に考えていたことは、装飾についてです。
狭い既存ビルの改修ということで、内装仕上げの変更のみが仕事の範囲です。
また、特に強いブランドイメージがあるわけでもなく、それを新しく作り強要するような施設でもないです。
何となく柔らかい雰囲気で物産イベントなどの雰囲気も損ねず、かつ、いろいろ乱暴に使われても消えてしまわない空間の質、というちょっと矛盾した役割が”内装”に求められました。
派手だけど控えめ。自己主張はしないけどオリジナル。みたいな装飾です。
求められた「ぐんまPRの展示パネル」と「いろいろな場を作る可動間仕切り」を一緒にしちゃって、それだけで空間をつくろう。というのが設計のスタートです。
そこに写真や展示棚をはめ込もうと。。
ぐんまのイメージを考え、自然素材で作ろうというのはすぐに決まりましたが、さらにそれが半透明になっていて後ろの光や気配を通すと、柔らかい雰囲気が出せるのではないかと考えました。
和紙や薄い石などいろいろな素材を考えましたが、自立してかつ可動となるとなかなかシンプルにはいきません。どうしても枠の様なものが必要になってきます。
そこで、その枠がそのまま部分的に薄くなり、半透過するようなものは出来ないかと考え「一枚の分厚い木を極限まで削る」という方法に至りました。
天童木工と共同で、素材・削り方・最薄部分の補強などを開発し、部分的に光を通す一枚木のパネル=木漏れ日パネル、が実現しました。
なんだかすごい技術で、わりと自然な装飾をつくる。おもしろい空間が出来たのではないかと思っています。(菊地裕)
□関連リンク
>アトリエインクのホームページ
>ぐんま総合情報センターのホームページ