平山健太建築設計事務所が設計した、東京・文京区の住戸改修「白山の住宅」です。
大きな緑地に面した角の区画に計画されました。建築家は、大きな柱や梁がない“RC壁式構造”の躯体に着目し、構造体と内装に“丁寧な関係”をつくる設計を志向しました。そして、工事の簡素化も意図し“造作家具と建具”を用いて間仕切る計画を考案しました。
室内面積約57㎡のマンション住戸のリノベーション計画。
コンパクトな住戸ではあるが、角部屋であると共に大きな緑地にも面しており、小さいながらも豊かな生活像を思い描ける住戸であった。
本建物はRC壁式構造であり、プランニングに制限はあるが、大きな柱や梁が無いため目に見える構造体の厚みが小さく、コンパクトな住居のスケール感にとてもフィットしていた。スケルトンになった空間を見ながら、そのような実感をもとに、内装デザインにおいても構造体と丁寧な関係をつくるように設計をした。
工事を簡素化するために、間仕切壁はできるだけ作らないようにし、主に造作家具と建具でプランを構成するように計画した。この工夫はコンパクトな住居に軽やかさと広がりを与えることにも繋がっている。
夫婦と小さな子供が暮らすこの家では、キッチンが生活像の中心にあった。
キッチンをプランの中心に据え、キッチンカウンターに立つとダイニングやデスクスペース、寝室に目が届くよう意図した。また、キッチンの奥が行き止まりにならないようにリビングへ通じる導線を設けている。回遊性のある導線は小さな住居を狭く感じさせない工夫にもなっている。
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以下、建築家によるテキストです。
室内面積約57㎡のマンション住戸のリノベーション計画。
コンパクトな住戸ではあるが、角部屋であると共に大きな緑地にも面しており、小さいながらも豊かな生活像を思い描ける住戸であった。
本建物はRC壁式構造であり、プランニングに制限はあるが、大きな柱や梁が無いため目に見える構造体の厚みが小さく、コンパクトな住居のスケール感にとてもフィットしていた。スケルトンになった空間を見ながら、そのような実感をもとに、内装デザインにおいても構造体と丁寧な関係をつくるように設計をした。
工事を簡素化するために、間仕切壁はできるだけ作らないようにし、主に造作家具と建具でプランを構成するように計画した。この工夫はコンパクトな住居に軽やかさと広がりを与えることにも繋がっている。
夫婦と小さな子供が暮らすこの家では、キッチンが生活像の中心にあった。
キッチンをプランの中心に据え、キッチンカウンターに立つとダイニングやデスクスペース、寝室に目が届くよう意図した。また、キッチンの奥が行き止まりにならないようにリビングへ通じる導線を設けている。回遊性のある導線は小さな住居を狭く感じさせない工夫にもなっている。
素材選定においては、約50年前に打設された少し荒っぽいコンクリートとのコントラストを作るように、木目がきめ細やかで肌触りの良いチェリー材をメインの材料としている。
また、長いデスクやコーヒーテーブルにはケヤキの無垢板や端材をつかい、窓先の緑地のケヤキ林とささやかな関係を持てるようにしている。
プラン上作らざるを得なかったコンロ裏の壁は大きな鏡貼りとすることで存在を消しつつ、視覚的に奥行きをあたえ、窓先の豊かな緑を住居内に取り込む装置にもなっている。
■建築概要
題名:白山の住宅
所在地:東京都文京区白山
主用途:住宅
設計:平山健太建築設計事務所
施工:株式会社ファインアーツ
家具:有限会社坪原木工
ケヤキの家具:中村猛
構造:RC造3階建ての2階部分
専有面積:56.89㎡
設計期間:2023年6月~2023年9月
工事期間:2023年9月~2023年12月
竣工:2024年1月
写真:見学友宙