SHARE 増田信吾・大坪克亘・島田雄太による”風がみえる小さな丘”
増田信吾・大坪克亘・島田雄太が設計した”風がみえる小さな丘”です。SDレビュー2008の入賞作品です。
風がそよぎだした。
晴れた空には数個の形のよい雲が流れ、
遠くの尾根に連なる風車は大きな弧を描いている。
シラカバの葉や草花たちが、わずかな揺れからざわめきだすと
奥にぽつりとある細長い建物はゆっくりと、のっそりと、
その微風を享受し、周りと呼吸を共にし、
なびきだした。
揺らぐ建物の中には不揃いな椅子が2脚。
誰か先ほどまでいたのだろうか。
高い天井から降り注ぐ光は、
水の中に居るかのようにゆらゆらと内部を漂い満たす。
椅子に座り、その時間の不確かな場所から外を覗いた。
その窓は鼓動しているかのように、外に広がる美しい景色を
優しく、そして微弱に切り取り写し出した。
設計 増田信吾+大坪克亘+島田雄太
構造設計 佐藤淳構造設計事務所
2009年春竣工予定