武田慎太良+篠元貴之+住野裕樹 / MYSTが設計した、愛知・名古屋市の店舗「ESSENCE」です。
アロマ等の香りを扱うカフェバーの内装計画です。建築家は、様々な表情を見せる“魅惑的な煙”を参照し、強弱や緩急があり“奥へと誘なう”空間を志向しました。また、平安時代から使われる深みのある色を用いて動きのある場に落ち着きも与えることも意図されました。施設の場所はこちら(Google Map)。
名古屋市内のアロマとシーシャを中心とした香りに重きをおくカフェバーの内装計画。
お香や水タバコの煙はゆらりと漂いながら上昇をしたり、時には渦をまいたり、様々な表情を見せます。
この一様ではないものの、指向性をもって漂う魅惑的な煙に倣い、強弱や緩急を含みながらも、奥へ奥へ誘なうような空間構成としています。
色彩計画においては、無機質すぎず、家のような日常すぎる環境にならないように、色の氾濫もさけながら、日常生活ではあまり使用されない「蘇芳(すおう)」という平安期から使用される色を中心に据えました。
蘇芳の深い赤茶色は、十二単でも好まれたとされており、動きのある空間に落ち着きを与えることを期待しています。お香もまた平安の時より嗜まれたことも含めて、親和性が高いことを期待しました。
昼間はカフェ、夜はバー営業という店舗の特性から、単なる華やかさを追求することはせず、深みのある色を選ぶことで、光の受光面としての空間に奥行きが生まれたと考えています。
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以下、建築家によるテキストです。
名古屋市内のアロマとシーシャを中心とした香りに重きをおくカフェバーの内装計画。
お香や水タバコの煙はゆらりと漂いながら上昇をしたり、時には渦をまいたり、様々な表情を見せます。
この一様ではないものの、指向性をもって漂う魅惑的な煙に倣い、強弱や緩急を含みながらも、奥へ奥へ誘なうような空間構成としています。
色彩計画においては、無機質すぎず、家のような日常すぎる環境にならないように、色の氾濫もさけながら、日常生活ではあまり使用されない「蘇芳(すおう)」という平安期から使用される色を中心に据えました。
蘇芳の深い赤茶色は、十二単でも好まれたとされており、動きのある空間に落ち着きを与えることを期待しています。お香もまた平安の時より嗜まれたことも含めて、親和性が高いことを期待しました。
昼間はカフェ、夜はバー営業という店舗の特性から、単なる華やかさを追求することはせず、深みのある色を選ぶことで、光の受光面としての空間に奥行きが生まれたと考えています。
お香やシーシャの煙と落ち着きに呼応するようにつくられた空間が、喧騒から離れたリラックスの場となることを願います。
■建築概要
題名:ESSENCE
所在地:愛知県名古屋市中区丸の内3-22-8 HP-SQUARE MARUNOUCHI 5F
主用途:飲食店
設計:MYST / 武田慎太良+篠元貴之+住野裕樹
施工会社:株式会社アローズ
特殊塗装:ⅢCONS.
客席数:18席
床面積:66㎡
設計:2023年10月~12月
工事:2023年12月~2024年3月
竣工:2024年4月
写真:森田真悠