
SHARE 妹島和世による、岡山・犬島のパヴィリオン「HANA」。“犬島 くらしの植物園”での計画。園のランドスケープとの呼応も意図し、“みんなで集まれる”花のような形態の建築を考案。“少し鈍い鏡面仕上げ”で周囲の木々や夕日などの変化する風景を映し出す



妹島和世が設計した、岡山・犬島のパヴィリオン「HANA」です。
“犬島 くらしの植物園”での計画です。建築家は、園のランドスケープとの呼応も意図し、“みんなで集まれる”花のような形態の建築を考案しました。また、“少し鈍い鏡面仕上げ”で周囲の木々や夕日などの変化する風景を映し出します。
本建築は、公益財団法人 福武財団が運営する「犬島 くらしの植物園」に新たに設置されたパヴィリオンです。
この植物園は、2016年に、妹島和世と、ガーデンデザインユニットの明るい部屋が企画して約4,500㎡の土地とガラスハウスを再生した場所。地域との交流を基盤とした場づくりを行い、島の方々や来訪者が日常的な手入れやワークショップに参加することで、多様な人たちが憩い、学び合う場となっているとのこと。
そして、この植物園にて、2025年6月に妹島和世とPRADAのコラボレーションによるイベント「犬島プロジェクト」が企画・開催されました。それに合わせてPRADAから寄贈され作られたのが「HANA」です。
以下に、その他の写真や植物園の概要なども掲載します。
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以下、作品についてのテキストです。
「犬島 くらしの植物園」にできた常設のパビリオン。植物園のランドスケープと呼応する、花のような形をしたパビリオンが2つ咲くことで、「みんなで集まれる」場所をつくり出します。厚さ3mmのステンレスの板材を曲げ加工し、船で犬島に運び込んだ後、現場で溶接、研磨を施しました。少し鈍い鏡面仕上げが、周りに広がっている木々や花、夕日の光など、日々変化する植物園の風景を映し出ます。
■建築概要
名称:HANA
設置場所:犬島 くらしの植物園内 岡山県岡山市東区犬島50
設計:妹島和世建築設計事務所
構造:Arup
施工:ARTISAN
寸法:高さ2965.37mm
規模:投影面積20.36㎡
管理:公益財団法人 福武財団(理事長:福武英明)
「犬島 くらしの植物園」について
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以下、施設についてのテキストです。
妹島氏と、2016年に犬島に移住したガーデンデザインユニット「明るい部屋」による「犬島 くらしの植物園」は、長く使われていなかったガラスハウスを中心とした 約4,500㎡の土地を再生し、犬島の風土や文化に根ざした植物園として展開。完成された場としての見学型の植物園ではなく、島の方々や来訪者とともに土地を開墾していきながら、自然のサイクルに身を置き、食べ物からエネルギーに至るまで、自給自足しながら自然とともにくらす歓びを体験できる場づくりをしていきます。
自然の巡りや植物の力をくらしに活かす術を島の方々に教えていただきながら、ワークショップ等を通じて 「食」や「香り」「学び」「遊び」など、「植物にできることのすべて」が体感できるような機会と空間を提供しています。島の方々と来訪者が憩い、学び合う場でもある 「犬島 くらしの植物園」において、訪れる方とともに「これからのくらし方」を考えていきます。
■施設概要
主催人・運営:公益財団法人 福武財団
企画:妹島和世+明るい部屋
建築:妹島和世建築設計事務所
植栽:明るい部屋
敷地面積:約4,500㎡