高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 外観、東側より見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 外観、北東側より見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 2階、ダイニングから居間側を見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 2階、ダイニング側から居間側を見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 高橋勝建築設計事務所 が設計した、京都市の「今熊野の家」です。
京都の今熊野の最深部、東山の風景の中で暮らすための、ご夫婦の住まいである。
長年探してようやく見付だされた敷地は、東山のふもとから続く住宅地をどんどん登って行った一番端、自然と人工物の境に位置していた。
急こう配の稲荷山等の谷間の敷地であり、土砂災害に配慮した建築方法が必須の地域である。
谷の上流から土石流に加え、南の山からのがけ崩れが想定されており、土砂災害特別警戒区域の2種類の指定が敷地内に達していた。これらに対抗するには土砂が来る方向に開口を設けず、強靭で分厚いRC躯体を建ち上げる必要がある。
この規制の中で、数少ない比較的自由になるパラメータが、建築高さである。我々はより多くの風景を取り込むため、2階の階高さを3.7mとし、4mの流通木材を有効に使える範囲で極力高く設定している。
トレイルのコースでもある敷地周辺は観光客や散歩のご近所さんも多く、また、地上付近は土砂災害に対応するため、風景の中の暮らしは天井の高い2階になる。
この2階の自然に面する、東と南面を条例で許された形状で可能な限り開き、風景をめいっぱい取込む構成とした。反対の北、西面は閉じる事で人工物が見えない。この2階をワンルームの居間と食堂にし、自然の中で過ごす場所とした。
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高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 俯瞰、東側より見下ろす。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 俯瞰、北側より見下ろす。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 俯瞰、敷地上空より見下ろす。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 外観、南側の山道より見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 外観、南側の山道より見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 外観、南側の山道より2階部分を見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 外観、東側より見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 外観、北側より見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 外観、北東側より見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 外観、北東側より見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 1階、軒下から玄関土間を見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 1階、玄関土間からホール側を見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 1階から2階への階段 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 2階、階段側から居間とダイニングを見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 2階、ダイニングから居間側を見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 2階、正面奥:階段、手前:ダイニング、右:居間 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 2階、ダイニング側から開口部越しに外部を見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 2階、ダイニング側から居間側を見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 2階、キッチンから開口部越しにバルコニーを見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 1階、寝室 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 1階、洗面脱衣室から浴室とトイレを見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 外観、東側より2階部分を見る。夜景 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 外観、南側の山道より見る。夜景 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 外観、南側の山道より見る。夜景 photo©笹の倉舎 笹倉洋平 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 1階平面図 image©高橋勝建築設計事務所 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 2階平面図 image©高橋勝建築設計事務所 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す 断面図 image©高橋勝建築設計事務所 
高橋勝建築設計事務所による、京都市の「今熊野の家」。住宅地の端の自然を眼前とする敷地。地域の厳しい法規制に対し、比較的自由になる“建築高さ”に可能性を見出す設計を志向。高い天井と多数の開口部に加え余白も用意して室内に“優しい自然の風景”を生み出す ビューシミュレーション image©高橋勝建築設計事務所 以下、建築家によるテキストです。
東山の風景の中で暮らす 
京都の今熊野の最深部、東山の風景の中で暮らすための、ご夫婦の住まいである。
長年探してようやく見付だされた敷地は、東山のふもとから続く住宅地をどんどん登って行った一番端、自然と人工物の境に位置していた。
土砂災害特定地域の中の風致地区建築 
急こう配の稲荷山等の谷間の敷地であり、土砂災害に配慮した建築方法が必須の地域である。
谷の上流から土石流に加え、南の山からのがけ崩れが想定されており、土砂災害特別警戒区域の2種類の指定が敷地内に達していた。これらに対抗するには土砂が来る方向に開口を設けず、強靭で分厚いRC躯体を建ち上げる必要がある。
この規制の中で、数少ない比較的自由になるパラメータが、建築高さである。我々はより多くの風景を取り込むため、2階の階高さを3.7mとし、4mの流通木材を有効に使える範囲で極力高く設定している。
望んでいた風景に大きく開く 
トレイルのコースでもある敷地周辺は観光客や散歩のご近所さんも多く、また、地上付近は土砂災害に対応するため、風景の中の暮らしは天井の高い2階になる。
この2階の自然に面する、東と南面を条例で許された形状で可能な限り開き、風景をめいっぱい取込む構成とした。反対の北、西面は閉じる事で人工物が見えない。この2階をワンルームの居間と食堂にし、自然の中で過ごす場所とした。
余白のある窓辺 
階段を登ると、東山の力強い自然の風景が眼前に広がる。この窓辺の周辺には特に住いとしての機能を与えず、通るだけの余白としている。
■建築概要 
題名:今熊野の家