
SHARE 貝島桃代と能作文徳の対談「穴が開くほど見る―建築写真から読み解く暮らしとその先 第11回」の動画がLIXILのサイトで期間限定で無料配信。其々が選んだ、斉藤助教授の家、谷川さんの住宅、上原通りの住宅、ハウス・グミュールの写真を題材に議論

貝島桃代と能作文徳の対談「穴が開くほど見る―建築写真から読み解く暮らしとその先 第11回」の動画がLIXILのウェブサイトで期間限定で無料配信されています。
其々が選んだ、斉藤助教授の家、谷川さんの住宅、上原通りの住宅、ハウス・グミュールの写真を題材に議論されています。視聴申込期間は、2025年12月21日(日)まで。また、本記事では、テーマとなった写真と語られた内容のキーワードも掲載します。【ap・ad】
LIXILと「新建築住宅特集」は、これまで「穴が開くほど見る──建築写真から読み解く暮らしとその先」と題し、名作住宅の建築写真を隅々まで掘り下げて読み取る企画を展開してきました。
1枚の写真から時代背景、社会状況、暮らし、建築家の思いなど、読み取る側の想像も交えながら細部まで紐解くことで、時代を超えた大切なものを見つめ直し、未来に向けた建築のあり方を探ります。
今回は、「新建築住宅特集」25年10月号に掲載された、本企画 第11回目の貝島桃代氏と能作文徳氏の対談動画を、期間限定で配信いたします。ぜひご登録のうえ、ご視聴ください。
(2025年8月18日 東京都港区 SHIBAURA HOUSEにて収録)
能作文徳が冒頭で語った、自身に影響を与えた写真(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
自身は塚本由晴先生に学んだので建築雑誌などの写真をよく見ていた / 研究室で作品研究・構成論を行う時に戦後から現代までの作品を見る / 東工大に入学する切っ掛けは、雑誌に載っていたアトリエワンの「ミニハウス」の写真 / 篠原一男の「上原通りの住宅」を雑誌で見て建築が面白いと思うようになった / その他
貝島桃代が冒頭で語った、自身に影響を与えた写真(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
写真よりも図面が好きで、子供のころから不動産広告の間取りを見て、想像を膨らませていた / 大学時代に高橋公子先生のレポート課題で、建築雑誌の中から好きな物を選んで説明するものがあり、毎月雑誌を見るようになった / 妹島和世さんの「PLATFORM」でレポートを書いたが、丘の上の佇まいにショックを受けた / マリオ・ボッタの「カサ・ビアンキ」を見て、ここに住みたいと思った / その他
能作文徳が冒頭で語った、どのような写真を撮ってほしいか? / 惹きつけられるような写真とは?(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)「高岡のゲストハウス」では、屋根をクレーンで吊り上げるプロセスを残しておきたかった / 建築雑誌に掲載されたとき見開きに使われたので驚いた / その他
貝島桃代が冒頭で語った、どのような写真を撮ってほしいか? / 惹きつけられるような写真とは?(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
アニハウスの見開きで、建物を設計したというより隣地との間の庭を設計した表現にしたかった / 隣との境界線を左右対称にしたいと言った / その他
貝島桃代のプロフィール

貝島桃代(かいじま・ももよ)
1969年東京都生まれ/1994年東京工業大学(現、東京科学大学)大学院修士課程修了/1996~97年スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETHZ)奨学生/2000年東京工業大学大学院博士課程満期退学/2000~09年筑波大学講師/2009~22年同准教授、Harvard GSD、ETHZほか、客員教授/2017年~ETHZ Architectural Behaviorology教授、NPO法人チア・アート副理事長
能作文徳のプロフィール

能作文徳(のうさく・ふみのり)
1982年富山県生まれ/2005年東京科学大学工学部建築学科卒業/2007年同大学大学院理工学研究科建築学専攻修士課程修了/2010年能作文徳建築設計事務所設立/2012年東京科学大学博士(工学)学位取得/2012~18年東京科学大学大学院環境・社会理工学院建築学系助教/2018~21年東京電機大学未来科学部建築学科准教授/2021~23年東京都立大学都市環境学部建築学科准教授/2024年~東京科学大学環境・社会理工学院准教授
能作文徳が選んだ1枚目の写真「清家清の撮影による『斉藤助教授の家』」(1952年)

この写真について語られたキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
2017年の「日本の家」展で、この作品の1:1模型をつくったので、穴が開くほどこの写真を見なければいけなかった / 清家清が色彩についての論考を書いている / (作品の概要欄に)マンセル値が書いてある / 日本の建築家シリーズの中に唯一カラーの一枚が載っていた(当時は白黒写真の時代) / 2寸勾配の屋根となっている / 解体直前の外壁は青色だった / 雑誌の文章には海老茶色という記述があり、その確証を得た写真 / 清家研究室とデザインシステムの図面が不整合していて、写真からどちらが正しいかを確認した / 全体の端から端まで色々な等分割がある / 色々な比例関係が重層化しているのが写真からも分かる / 清家清が自分で撮った写真 / カラー写真が普及する前にいち早くカメラを入手して写真を撮ったのではないか / 構造に対する挑戦をした建築 / その他
貝島桃代が選んだ1枚目の写真「多木浩二の撮影による『谷川さんの住宅』」(1974年)

この写真について語られたキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
多木浩二の写真 / 新建築の写真には人が映っていない、多木の写真は黒い地面と上の白い空間が同じバランスになるように造られている / 20年前に連れて行ってもらった / 斜面に建っているが、どちらからも光が入っている(敷地の先が谷だから両側から光が入っている) / 谷川さんの詩に入ったような雰囲気(能作) / 多木の写真は他と圧倒的に違う(能作) / 「中野本町の家」の写真もそうだが、空間が続いているのを写真に撮れている / 建築の意味や時間を撮っている / その他
能作文徳が選んだ2枚目の写真「多木浩二の撮影による『上原通りの住宅』」(1976年)

この写真について語られたキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
多木浩二の書いた『建築家・篠原一男: 幾何学的想像力』の表紙につかわれた / 建築写真のセオリーから逸脱している / 真ん中の三角形はアルミパネルのはずだが、こんなに光るのか? / 書籍のタイトル『幾何学的想像力』と合っている / 篠原一男に呼ばれて撮った写真 / 四角い建物なのに四角く撮れていない / おどろおどろしさがあってワクワクする(貝島) / 建築写真は説明的、人間の経験は建築中心ではなく環境中心(貝島) / その他
貝島桃代が選んだ2枚目の写真「シルビア・グミュールの撮影による『ハウス・グミュール』」(1978年)

この写真について語られたキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
大学でスイスの個人住宅をルネサンスから現代まで時代ごとに見ていく授業をやっている / 谷川さんの住宅と同じような矩勾配で坂道に建っている / 真ん中の柱が丸太 / プランを見ても全然わからない / シルビア・グミュールは、子育てしながらスイスの建築家の第一世代として活躍した人 / 斜面なのでスキップフロアになっている / キッチンにいれば家全体の事が分かるような空間 / 林雅子の建築を感じさせる(能作) / 女性建築家がつくったものを並べると視点が違うことに気づく / かつては背後にあったキッチンが前に出てくるようになってくるのだけど、それを1987年にやっている / その他
対談風景




