デザイナー清水久和とデザインディレクター岡田栄造による”鏡の髪型 清水久和”展のプレビュー
サムネイル:デザイナー清水久和とデザインディレクター岡田栄造による

デザイナー清水久和とデザインディレクター岡田栄造による”鏡の髪型 清水久和”展のプレビュー

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東京・勝どきの@btfで、デザイナー清水久和とデザインディレクター岡田栄造による展覧会”鏡の髪型 清水久和“が行われる。会期は2010年1月22日(金曜日)~2010年2月28日(日曜日)(休館日:月曜日/祝日※詳しい情報は最下部を参照ください。)
ここでは作品の一部の写真や制作プロセスの写真、岡田によるテキストによって展覧会をプレビューします。

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パリのギャラリー・ダウンタウンでの展示の様子。
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パリのギャラリー・ダウンタウンでの展示の様子。
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パリのギャラリー・ダウンタウンでの展示の様子。
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パリのギャラリー・ダウンタウンでの展示の様子。
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制作プロセス。
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制作プロセス。
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制作プロセス。
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制作プロセス。
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制作プロセス。
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聖徳太子 / Prince Shōtoku、2010年
アクリルミラー、グラスファイバー、アルミニウム
W1200mm H1640mm D60mm W16kg

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長谷川平蔵 / Hasegawa Heizo、2009年
アクリルミラー、グラスファイバー、アルミニウム
W1560mm H1380mm D60mm W15.5kg

以下、ディレクターの岡田栄造による展覧会についてのテキストです。


なぜ鏡に髪型が必要なのでしょう?
– 鏡は髪型をチェックするためのものだからです。
(清水久和)

髪を整えるとき、人は鏡を使う。鏡がなければ、髪型を確かめることはできない。人が髪型を気にするのは、身だしなみのためである。他者が見る自分を、自分が思う自分らしさと一致させるためである。髪型は自分らしさの媒体である。鏡に映った髪型が、人のイメージをつくる。
髪型は、人物の代名詞にもなる。髪型を描くだけで、見る人に特定の人物を思い出させることができる。髪型が分かりやすければ、顔は必要ない。塗り残されたキャンバスでよいし、楕円形の鏡でいい。「鏡の髪型」は肖像画である。メディアに流通する著名人のイメージを写した絵である。
「鏡の髪型」には、平面的ではあるが特徴的な髪型が描かれている。それによって単なる楕円形の鏡が歴史的な人物の顔に見えてくる。私たちは想像する。聖徳太子や紫式部の、歴史の教科書で見た肖像を思い出し、髪型と楕円の関係から、適切な目や鼻や口の位置と形を描こうとする。私たちの想像はしかし、頭の中で確かな像を結ぶことがない。教科書の記憶は曖昧である。そもそも鏡の周囲に描かれた髪型自体が、デザイナーの記憶をもとにしている。描かれた髪型は、私たちに特定の人物を思い出させる。にもかかわらず、その顔を正確に思い描くことは不可能である。
顔の部分が塗り残されたキャンバスだったらどうか。白いキャンバスは、肖像画の抽象性を保証するだろう。同時に、私たちにキャンバスの物質性を意識させるに違いない。情報が不足しているとき、私たちの脳はどんな些細なものも想像に活かそうとする。キャンバスに傷があれば、それを目に、鼻に、口に見立てようとする。傷がなければ、キャンバスのテクスチャーが補助線として浮かび上がる。
鏡は塗り残されたキャンバスとは異なる。髪型の絵に縁取られた鏡には、物質性は感じられない。その代わり、鏡には常に何かが映っている。見ている人や、鏡の向かいの壁が映る。それらの像は、キャンバスに残された傷と同じように使うことができる。私たちの想像の重要な補助線となる。私たちは、例えば鏡に映った床の目地をもとに口を描こうとする。鏡に映った照明が目に見える。映るのはどんなものでもいい。「鏡の髪型」を見ている私たちにとって、楕円の鏡に映るものすべてが、想像のための貴重な資源となる。
本展ディレクター 岡田栄造
■展覧会概要
主催 : バタフライ・ストローク・株式會社
協力 : ギャラリー・ダウンタウン(パリ)
会期 : 2010年1月22日(金曜日)~2010年2月28日(日曜日)
開館時間 : 11:00~19:00
休館日:月曜日/祝日
入場料 : 無料
会場 : @btf
住所 : 〒104-0054 東京都中央区勝どき2-8-19 近富ビル倉庫3階3A
アクセス:都営大江戸線「勝どき駅」A2出口より徒歩3分
レセプションパーティー : 2010年1月22日(金曜日) 19:00~21:00
トークショー : 2010年2月6日(土曜日) 15:30~17:00

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