SHARE +ticの設計施工による、連結式移動建築「cube」
写真提供:+tic
+ticの設計施工による、連結式移動建築「cube」です。
一辺2,300mmの立方体をモジュールとした連結式移動建築。計画地は、地方市街地の立体駐車場上層階で、郊外大型SCの台頭などによって生まれた街中の空洞部である。路面ではなく使用頻度も低いネガティブな与条件を、市街地の中心に位置する車でアクセス可能な広大な敷地として捉え直すことで、SCや小売店の商業地と異なる実験的な場をまちに生み出すことを試みている。
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以下、建築家によるテキストです。
一辺2,300mmの立方体をモジュールとした連結式移動建築。計画地は、地方市街地の立体駐車場上層階で、郊外大型SCの台頭などによって生まれた街中の空洞部である。路面ではなく使用頻度も低いネガティブな与条件を、市街地の中心に位置する車でアクセス可能な広大な敷地として捉え直すことで、SCや小売店の商業地と異なる実験的な場をまちに生み出すことを試みている。 基本ユニットは木とスチールの混構造フレームで成立する。車両に見立てられたユニットは車輪を備えた可動式とし、複数台連結することでプログラムに応じた床面積を展開する。壁面二面には木製サッシとテラスによって、外部空間としての駐車場へ開く仕組みを持たせ、残り二面はスチールアングルで構成され、簡易に連結と壁面の増設が可能なものとした。入居者の増減と車両や人の往来に対応するフレキシブルな形式を、フレームの差異と立方体モジュールによって操作している。
縮退する市街地における建築を、固定された箱物ではない即興的かつ即物的な設えをした枠組みによって応答している。立体駐車場という生み出されてしまった空洞をのりしろに、まちとの新たな関係性を舞台装置のような建築によって演出されることを目指した。
■建築概要
題名:cube
計画地:静岡県浜松市中区田町 万年橋パークビル 7F
建築面積:5.3m2(ユニット1台)
設計施工:+tic
監修:彌田徹(彌田徹建築事務所)
建具工事:大森 皓太
竣工:2017年4月