中村好文が審査する「第26回ユニオン造形デザイン賞(テーマ:働きものの住宅)」が応募作品を募集中。賞金総額は約200万円以上。

中村好文が審査する「第26回ユニオン造形デザイン賞(テーマ:働きものの住宅)」が応募作品を募集中。賞金総額は約200万円以上。

中村好文が審査する「第26回ユニオン造形デザイン賞(テーマ:働きものの住宅)」が応募作品を募集中。賞金総額は約200万円以上。

中村好文が審査する「第26回ユニオン造形デザイン賞」が応募作品を募集しています。参加資格は学生(大学生、大学院生、専門学校生)及び実務経験10年以内の社会人(但し、1990年1月1日以降生まれの方)。賞金総額は約200万円以上です。作品応募期間は、受付開始:2019年10月28日~締切り:2019年12月27日。こちらで過去の受賞作品の画像を見ることができます。【ap・ad】

●テーマ「働きものの住宅」 ●審査員 建築家 中村 好文

学生時代から憧れていたシェーカー教徒の「家具」と「建築」を実際にこの目で見、この手で触れるために、アメリカ東部に点在するシェーカー村々を初めて訪れたのは1989年の初夏でした。

以来、繰り返しシェーカー村を巡る旅を繰り返すことになったのですが、最初の訪問のとき、村の中に点在しているいくつかの建物が、そこに暮らす人たちの日々の生活に役立つ有用な道具として機能するように考えられていることに気付き、そのことに大きく心を動かされました。奇妙な表現に聞こえるかもしれませんが、ぼくの目にはそうした建物のひとつひとつが甲斐甲斐しく立ち働く「働きもの」に見えた‥‥と言ったら、そのニュアンスが伝わるかもしれません。

そして、そのことに気付くと同時に、建築雑誌などに華々しく取り上げられる建築家の設計した建物、とりわけ住宅作品に「働きもの」を感じることがないことに思い至りました。

残念ながら建築家の手がける住宅作品の多くは、必ずしもそこに住まう人の日々の暮らしに役立っているようには思えません。そうした「住宅作品」は新奇性や独創性を誇示することや、話題性を獲得することには役立っていますし、なによりも建築家自身が自己満足することに大いに役立ってはいますが、そのことに腐心するあまり、日々の暮らしの細部への目配りや思い遣りはないがしろにされがちのように見受けられるのです。

そうしたことに思いを馳せつつ、今回のテーマを「働きものの住宅」としたいと思います。

このテーマについて少し補足しておきます。

今回のテーマは「働きものの住宅」ですが、「働きものの建築」という言葉からぼくがまっ先に連想するのは「水車小屋」です。小川の水で水車でまわし、内部で精米したり、製粉したりする水車小屋は文字どおり健気な「働きものの建築」そのものだと思うのです。そして、その水車小屋からさらにぼくが連想するのは、水道管を流れる水流で発電する極小の発電機です。この発電機は公共トイレの男性用の小便器に取り付けられていて、使用後に少量の水を流すための電力をまかなっています。言ってみれば先端技術を駆使した水車小屋といったところでしょうか。

ローテクとハイテクの水車小屋の例は、出題者であるぼくからのヒントです。太陽光や、風や、雨などの自然の恵みを、有効かつ巧みに利用できる住宅も「働きものの住宅」と呼べると思います。その利用方法がローテクであっても、ハイテクであってもかまいません。肝心なのは「働きものの住宅」の前に「市井の生活者のための」という言葉を付けることを忘れないことです。

日々の暮らしの機微を愛し、建築的な創意工夫をこよなく愛するぼくが、思わず共感と称賛の拍手を贈りたくなる作品に巡り会えることを期待しています。

審査員 中村 好文

以下に、応募概要を掲載します

以下の写真はクリックで拡大します

中村好文が審査する「第26回ユニオン造形デザイン賞(テーマ:働きものの住宅)」が応募作品を募集中。賞金総額は約200万円以上。

応募概要

●ユニオン造形デザイン賞
大賞 1点(賞金 100万円)
奨励賞 2点(各賞金 50万円)
佳 作 数点
※但し、審査の結果、賞名・賞金が変更される場合があります。前回は計11点が受賞となりました。

●作品応募期間/送付方法
受付開始 令和元年 10月28日(月)
締切り 令和元年12月27日(金)
郵便または、宅配便にて送付してください。
※当日消印有効

●応募資格
学生(大学生、大学院生、専門学校生)及び実務経験10年以内の社会人。但し、1990年1月1日以降生まれの方とします。共同制作の場合、代表者を決め共同制作者全員を連名してください。

●応募作品に関する注意事項
応募点数は同一年度において1申請者につき1点とします。
未発表のもの、他の顕彰を受けてないものに限ります。応募作品で、既に発表されたもの、同一、類似のものは、審査の対象から除外され、受賞発表後であっても受賞は取り消しとなります。

●応募方法
Entry formボタンより応募申請必要書類(Excelフォーマット)をダウンロードいただき、必要事項をご記入いただいた「応募申請書」・「作品説明書」のExcelデータを下記E-mailアドレスに添付し送信してください。「作品出品表」は必要事項をご記入いただいた後印刷し、作品に貼り付け、郵便または、宅急便にて下記住所まで送付してください。
・作品(応募作品出品票添付)
・作品説明書(400字以内)
・応募申請書

●送付先・お問い合わせ先
〒550-0015 大阪市西区南堀江2-13-22 公益財団法人 ユニオン造形文化財団 デザイン賞係
TEL : 06-6532-8764
メールアドレス:kuwata(■)artunion.co.jp(※メール送信時は(■)を@マークに置き換えてください)

●応募作品の形式
1、A2(420×594mm)サイズの用紙1枚にまとめてください。
2、作品はテーマに即した形で自由に行ってください。
3、作品の主旨を、作品説明書に400字以内にまとめてください。
4、模型及び立体の応募は、受付けません。
※作品オモテ面右下に、「応募作品出品票」を添付してください。

●作品の返却
応募作品は返却いたしません。

●審査結果通知
令和2年1月末(予定)に受賞者のみ、文書で通知します。

●受賞者の表彰
令和2年3月中旬(予定)に受賞者の表彰式を行います。

●諸権利
入賞作品に係る諸権利は、応募者に帰属いたします。ただし、企業等が商品化を希望する場合は、主催者の承認のもとに、応募者と話し合いをしていただきます。また、作品の展示及び出版に関する権利は、主催者が優先保持します。

●その他
1、作品の破損等、保険、意匠登録は、提出前に済ませてください。
2、上記に関する問題には、主催者側は、一切責任を負いません。
3、主催者側において作品の保管中、天災や不可抗力の事態が生じて破損した場合も、主催者側は責任を負いません。

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