SHARE 二俣公一 / ケース・リアルによる、東京・中央区のキッチンスタジオ「NÔL」
二俣公一 / ケース・リアルが設計した、東京・中央区のキッチンスタジオ「NÔL(ノル)」です。別の特集記事で紹介した「DDD HOTEL」内の施設。
1階にあるスペース「nôl(ノル)」は、唯一無二をコンセプトとした実験的なキッチン空間。フレンチレストランとして機能する一方で、実力派のシェフたちが、店舗という固定の場所にとらわれず、ケータリングや不定期に行われるディナーイベントなど様々な活動に利用できるスタジオのような場所でもある。そのため広さのある厨房面積に対して、客席はわずかテーブル8席。コンパクトながらも、非日常を感じられる料理に相応しい空間が求められた。
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以下、建築家によるテキストです。
1階にあるスペース「nôl(ノル)」は、唯一無二をコンセプトとした実験的なキッチン空間。フレンチレストランとして機能する一方で、実力派のシェフたちが、店舗という固定の場所にとらわれず、ケータリングや不定期に行われるディナーイベントなど様々な活動に利用できるスタジオのような場所でもある。そのため広さのある厨房面積に対して、客席はわずかテーブル8席。コンパクトながらも、非日常を感じられる料理に相応しい空間が求められた。また、名前がフランス語の「non-usuel(普通ではない)」「Noir(黒)」などに由来していることから、黒をベースにした空間、さらにそのスタンスから決してフルオープンではない特別感などがリクエストされた。客席スペースは、ダークトーンのマットなリシンで壁から天井まで空間全体を仕上げている。そしてこれを全面均一な「黒」にするのではなく、ブルーグレーからダークグレーのグラデーショナルな表情をつけることで空間の奥行きを持たせた。客席上部のペンダント照明は空間に合わせてオリジナルで製作し、シェード部分までリシンで仕上げて天井と一体に表現しつつ、天井部分との明暗差を強調した。厨房内はステンレスをベースに明るい仕上げとし、黒の客席に対してステージのような空間対比を考えた。
■建築概要
NÔL(ノル)(2019年/東京)
クライアント:丸太屋株式会社
計画種別:インテリア改修
用途:キッチンスタジオ(複合ホテル内)
計画期間:2017年10月~2019年5月
計画面積:127m2
計画地:東京都中央区日本橋馬喰町2-2-1
ディレクション:Aid Inc
設計:ケース・リアル 二俣公一 下平康一 有川靖(パートナー)
施工:TANK、田辺建設
照明計画:BRANCH lighting design 中村達基
家具製作:E&Y
サイン計画:Aid Inc
塗装:中村塗装工業所
撮影:志摩大輔