隈研吾のウェブサイトに中国・杭州のIT企業の本社ビル「タオバオシティ」の写真が掲載されています
隈研吾のウェブサイトに中国・杭州のIT企業の本社ビル「タオバオシティ」の写真が11枚掲載されています。
中国を代表するIT企業の本社ビル。杭州郊外の湿地帯に床を積層させてつくった低層の建築を分散配置することで、自然とワーキングスペースとの新しい関係を築き、新しい時代の新しい企業にふさわしいワーキングスタイルを提案した。
オフィス棟は奥行き20m、長さ100m程度のシンプルでフレキシブルなプレートを、緑の中庭をはさんで2枚配置する構成とした。都市のオフィスにはない、両側に緑を感じることのできる開放的なワーキングスペースを用意した。
開口部は、基本的にガラスで構成されているが、細かな凹凸をつけて、ファサードをヒダとして扱った。ヒダの一部(幅300mm)を開閉可能として、オフィスの周囲にひろがる緑の湿地の新鮮な空気を取り入れることができる。
分散配置された6つのオフィス棟同士はリンクと呼ばれるブリッジ状の空間で全てがゆるくつながれている。リンクには、スポーツ施設、ライブラリー、ミーティングスペース等が配置され、デスクワークの周辺の様々なアクティビティーを許容する、全長 1 km を超えるゆるやかな連続体を創造した。
人々と距離の近いリンクのファサードには、アルミプレートを編んで製作した。奥行き2mのメッシュの庇をとりつけ、20世紀のハコ型オフィスにかわる、やわらかで、自然と融けあうようなワーキングスペースをめざした。