all photos©水崎浩志
二俣公一 / ケース・リアルが設計を手掛けた、福岡県福岡市のレストラン「食堂セゾンドール」です。
大通りに面するフレンチレストランの計画。交通量の多い道路からのアプローチが課題になるとともに、オーナーからはカジュアルな「フレンチ食堂」という新しいスタイルを求められた。ファサードはホコリなどを嫌って開口は最小限に抑え、壁面は大きくカーブさせている。そして床や外壁には建物全体と同じタイルを使用し、空間を外部から遮断しつつも、環境に溶け込みながら店内への動線を誘導することを図った。一方の内部は、シェフのステージとも言えるオープンで大きな厨房をメインに、連続してそこへ沿うように客席をレイアウトした。作り手と食を楽しむ客がライブ感を共有できる、活気あるレストランを目指した。床は千鳥模様のタイルによって全体にカジュアルな印象を強め、奥の壁面には料理の器も監修する唐津焼の作家によってつくられた陶板を一面に貼り込んだ。上り窯の温度の違いで生まれる焼き色のグラデーションに、シェフの料理がもつ繊細な世界観を重ねた。