all photos©玉村広雅
ベルギーを拠点とする設計事務所のスティーブン・シェンク+服部大祐 / Schenk Hattori(シェンクハットリ)が設計した、新潟の住宅「Housing complex TM in Niigata」です。
一家族四世代が集い住む、既存母屋とそれに隣接する新築住宅の計画。世代・機能を超えた建築の共存を考えた時、母屋および道路向かいの神社の建築的文脈を受け継ぐことは必然の事柄として受け止められた。
敷地の半分を外部空間とし、残りの半分に切妻屋根をもつボリュームを配置した。将来的には、この外部空間を介して母屋の庭から神社の緑までが一体として繋がってゆく姿を想定している。
障子戸の連なりを連想させる外壁の構成は、矩形を基とした建物のボリュームに僅少な方向性を与えると同時に、内外部の間に機能空間を埋め込むための隙間を作り出す。内部空間を二つに分節する様に、構造的・機能的に要求されるコアを上下階で半間ずらして配置する。
これら操作の結果、母屋のそれと比較しても遜色の無いスケール感を持ち、必需機能から解放された、家族の生活の中心となるいくつかの部屋が用意された。