今津康夫 / ninkipen!が設計した、東京・広尾の日本料理店「分とく山」です。
以前の店舗の設計は隈研吾が手掛けていました。またこの店舗はミシュランガイド2018で一つ星を獲得しているとの事。お店のウェブサイトはこちら。
東京広尾に建つ日本料理店の新築である。
間口4.4m奥行18mの変形敷地において、柱型と梁型の必要が無く効率的にプランニングできる壁式構造とし、型枠にコンクリートブロックを採用することで、粒子の集まりからなる佇まいが、小さな建築の群で構成される広尾の街や周囲の木々の葉とシンクロする。
店前のシダレサクラやヤマモモの茂る道路敷のポケットパークを前庭に見立て、店名さながらに、山へ分入るようなアプローチに転用した。
アルコーブから伸びる桧板瓦のキャノピーと壁から持ち出した桧と真鍮の馬蹄形ルーバーは、無機質なコンクリートブロックに柔らかさを与えると同時に、立体的な表情をみせる。
内部は様々な樹種やラタン、和紙、タイル、漆などを階と室ごとに使い分け、多様性を持たせた。
その場所その時の旬の食材を用い、料理の中にも季節が表現される日本料理と同じように、建築もまた訪れる度に違った雰囲気を楽しむことができるだろう。