知財関連法規に詳しい弁護士・水野祐、再生建築研究所・神本豊秋、元国土交通省・佐々木晶二が参加する、建築再構企画・佐久間悠の出版記念トーク「建築と法」が開催されます。場所は青山ブックセンターで、開催日は2019年2月3日。要事前申し込み。
建物を建てるには様々な法規制をクリアしなければなりません。建築基準法や都市計画法、景観条例の他、施設の用途によっては、例えば宿泊施設なら旅館業法、保育園なら児童福祉法など、それらに付随する様々な法律の規制を考慮しなければなりません。時には「法」は自由に建築することの足枷になる場合もあります。
建築に限らず、「法」とは人々の自由を縛るためにあると考えている人は多いと思います。しかし、その一方で「法」を前向きに捉え、自分達でルールを作り、そしてそのルールを超えていこうとする動きをする方達が出てきました。
再構祭の最終審ではそのような方達の代表として、シティライツ法律事務所の水野祐さんと、再生建築研究所の神本豊秋さん、元国土交通省の佐々木晶二さんをゲストにお招きします。
近年、政府も、民泊特区や住宅ローン減税、都市再生特別措置法など、建築業界を後押ししようとする政策を数多く打ち出しています。しかし、戦後、高度経済成長を前提として作られた建築基準法や都市計画法は、新築で建てることが前提とされていました。現在の様に少子高齢化し、床が余る時代が来ることは想定されていなかったのです。
国も数年おきに建築基準法や関連法規を改正し、既存ストック活用が円滑に進むように規制緩和を進めてきていますが、それだけでは次回の統計で1,000万戸を超える事が確実と言われる空き家問題を解決することは、到底難しいでしょう。とはいえ、検査を受けていない建物を、適法である前提で改修して良いとは国も言えない。大きなジレンマを抱えているので
す。
しかしそこにこそ、超えるべきルールがあると我々は考えています。今回の最終審では、建築、特に既存建物の改修の分野で法律の枠組みを超えて行こうとする動きを起点に、これからの建築と都市の在り方についてここから議論を始めていきたいと考えています。