田根剛・中川エリカ・髙橋一平・横内敏人の作品が紹介される『TOTO通信 2019年夏号 特集:借景 家のまわりも家の中』のオンライン版

田根剛中川エリカ髙橋一平横内敏人の作品が紹介される『TOTO通信 2019年夏号 特集:借景 家のまわりも家の中』のオンライン版が公開されています。サイト全体がリニューアルされていて実際の紙面のデジタルブック版も閲覧できるようになっています。

 円通寺の縁側から、庭の垣根越しに比叡山が見える風景のように、昔から借景は、建築の質を上げてきた。それは現代の住宅にとっても同じだろう。周囲の景観を取り込めば、単体の魅力だけでなく、その土地の力を得た建築になるのではないか。しかし、どこにでも借景たりうる豊かな自然があるわけではない。自然があったとしても、それを取り込むには工夫が必要なこともある。
 一方で、街中だからといって内に閉じこもらない、開かれた住宅が求められている。せっかく開くのならば、借景を取り込みたい。では、何を借景と見立てるのか。山や海のみならず、空か、地面か、あるいは隣家の壁か。借景の力をあらためて振り返るとともに、その現代的な工夫に注目していく。

森田悠紀+古谷野裕一による、長野・小諸市の住宅「小諸の家」
森田悠紀+古谷野裕一による、長野・小諸市の住宅「小諸の家」 photo©西川公朗

森田悠紀古谷野裕一が設計した、長野・小諸市の住宅「小諸の家」です。

敷地は浅間山の裾野に位置し、南側に千曲川の支流に沿って広がる雑木林を、北側遠景に浅間山を望む事が出来る。雑木林の風景を取り込むことは自然な流れであったが、どのように取り込むかが課題となった。

傾斜地である敷地を歩くと「距離」や「視点の高さ」によって雑木林の印象が変化し様々な表情が感じられ、そのような体験を暮らしの中で感じられる様にしたいと考えた。また、別荘ではなく長い時間を過ごす住宅である為、風景をパノラマビューで一様に切り取るのではなく、各部屋の性質に合わせて様々な大きさ・プロポーションの開口部を設け、部屋ごとに雑木林の異なる表情を感じられることを目指した。

秀田佑美+秀田和則 / 秀田建築設計事務所による、京都・木津川市の住宅「城山台の家」
秀田佑美+秀田和則 / 秀田建築設計事務所による、京都・木津川市の住宅「城山台の家」 photo©秀田建築設計事務所

秀田佑美+秀田和則 / 秀田建築設計事務所が設計した、京都・木津川市の住宅「城山台の家」です。

敷地は新興住宅地の規則的に区画割された一画にあたる。正方形に近いグリッド状に整理された規則正しい敷地区画とは相反し、新築の住宅群は類似性はあるものの、形態や色調の規則性、共通性は無く、自然発生する模様のようなランダムな風景にも見える。
このような街の一画における住戸は、周辺に調和することは困難であり、むしろより個として異質な存在を表現することで、そのランダムな風景にマッチングすると考えた。

吉岡徳仁による、東京・青山の、HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKEの新旗艦店
吉岡徳仁による、東京・青山の、HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKEの新旗艦店 photo©ISSEY MIYAKE INC. / Photo by Masaya Yoshimura, Copist

吉岡徳仁がデザインした、東京・青山の、ファッションブランドHOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKEの新旗艦店です。2019年7月20日にオープンしたとの事。場所はこちらにて

新しい、未来の空間とは何か。
それは、かたちのデザインという価値観からは全く逆の空間かもしれない。

「体験をデザインする。」

インターネットの普及により、リテールは次の時代を模索しなくてはならなくなった。
未来のデザインに求められるもの。
それは、人々にどのような体験を与え、どのような時間を生み出すのかであると思う。

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