深澤直人を招いてデザイン思考について聞いている鼎談記事『日本の「デザイン思考」は誤解だらけ』

プロダクトデザイナーの深澤直人を招いてデザイン思考について聞いている鼎談記事『日本の「デザイン思考」は誤解だらけ』が、pwc.comに掲載されています。後編「デザイン思考の本質は
経験者になること」はこちら

和田寛司 / ランチ!アーキテクツが余白のある設計をし多くの施工者と現場で作り上げた、京都の築90年の既存町家の改修「DIG IN THE DOMA」
和田寛司 / ランチ!アーキテクツが余白のある設計をし多くの施工者と現場で作り上げた、京都の築90年の既存町家の改修「DIG IN THE DOMA」 photo©蒼光舎

和田寛司 / ランチ!アーキテクツが余白のある設計をし多くの施工者と現場で作り上げた、京都の築90年の既存町家の改修「DIG IN THE DOMA」です。和田は、アルファヴィル出身の建築家。

築90年の町屋改装プロジェクト。もともと九州に建てられていたものを京都に移築し、クライアント一家が4代暮らしてきた。この度、5代目の夫婦が暮らす事になり耐震も兼ねて二世帯住宅へ改装する運びとなった。これからの数世代が暮らせる現代的な生活に対応する空間をつくる。そのために、部屋数と容積をコントロールできる仕組みを考えた。

建築家によるテキストより

改修工事に際して解体してみないとどのようになっているのか分からない部分がたくさんある。既に幾度かの改装が入っており納まりにはばらつきがあって、全てに統一した納まりを適用して管理する事が難しい。現場での俊敏な対応が求められることになる。そこで、いっその事、不確定な部分は現場で即興的に設計し施工できる計画を考案する事にした。上記のような構造、機能、用途を計画した枠組み的な図面を作り、その中に空白をいくつも設けて、その部分については各施工者と相談し現場で即興的に設計施工してしまう、そういう「余白のある図面」を引いてみた。

建築家によるテキストより

彼との話をうけ「余白のある図面」をうまく機能させる為に、現場の組織のあり方について考えてみた。意図を共有しつつも、多様性を認め、施工者が自由に提案を行えるような、ヒエラルキーを極力持たない、組織が必要だと考えた。まず、分離発注形式で協力してもらえる専門業者や現場経験があるアーティストなどの非専門家でチームを組んだ。それから「余白のある図面」を見せて着工後の事について話し合った。設計者である僕自身も施工に加わる事になった。

建築家によるテキストより
松島潤平建築設計事務所による、東京の、メゾネット・アパートメントのリノベーション「TSUKUYOMI」
松島潤平建築設計事務所による、東京の、メゾネット・アパートメントのリノベーション「TSUKUYOMI」 photo©古末拓也
松島潤平建築設計事務所による、東京の、メゾネット・アパートメントのリノベーション「TSUKUYOMI」 photo©古末拓也

video©taschringo LLC.

松島潤平建築設計事務所が設計した、東京の、メゾネット・アパートメントのリノベーション「TSUKUYOMI」です。この作品は、北山孝二郎の設計で1991年に完成した集合住宅「砧テラス」の全体リノベーション計画の中で設計された、同集合住宅のモデルルームです(全体のリノベーションデザインは芦沢啓治が担当)。プロジェクトの公式サイトはこちら。また本作品に関する松島のインタビューも公開されています。

閑静な住宅地にある、変形したメゾネット・アパートメントのリノベーション。

屈折した既存平面からリビングの形状を整える際に生まれた余地の一部を“インナーバルコニー”として設え、住空間のなかにちょっとした見立ての外部空間を挿入した。息抜きのため、趣味性を高めるため、家事の補助のため、主空間からはみ出た衛星のような空間が、日々反復する行動のなかに彩りを与え、暮らしの多様性を生み出す場所となる。

建築家によるテキストより
針谷將史建築設計事務所による、栃木・那須塩原市の2世帯住宅「那須の長屋」
針谷將史建築設計事務所による、栃木・那須塩原市の2世帯住宅「那須の長屋」 photo©西川公朗

針谷將史建築設計事務所が設計した、栃木・那須塩原市の2世帯住宅「那須の長屋」です。

那須の豊かな自然環境の中に建つ、4世代7人のための住まいである。農家の広い敷地全体を居場所として感じられるように、平屋の建築をつくった。

ひとつの敷地に多世代にわたる家族同士が一緒に住むということは、それだけ関係性が多様化することになる。親世帯と子世帯、祖父母と孫など、家族同士の関係だけでなく、近隣や職場や学校も含めて考えると、直接的・間接的に他者や社会との接点は当然ながら増えていく。いくつかの種類のコミュニティが同時に存在するという意味では、限られた人しか入れない場所であっても、ある種の公共性が現れる。ここではその状況を自然に受け入れられるように、住宅とも非住宅とも捉えられる、多義的なスケールを持つ建築をつくれないかと考えた。

建築家によるテキストより

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