隈研吾へのインタビュー『隈研吾が語る、20世紀的な建築からの脱却 「新しい時間の捉え方が必要なのかも」』

隈研吾へのインタビュー『隈研吾が語る、20世紀的な建築からの脱却 「新しい時間の捉え方が必要なのかも」』が、realsound.jpに掲載されています。聞き手は速水健朗

オラファー・エリアソンの東京都現代美術館での展覧会「ときに川は橋となる」の会場動画

オラファー・エリアソンの東京都現代美術館での展覧会「ときに川は橋となる」の会場動画です。2020年5月13日現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため休館中です。図録はamazonで先行発売中

オラファー・エリアソン(1967年生まれ)はアートを介したサステナブルな世界の実現に向けた試みで、国際的に高い評価を得てきました。本展覧会は、エリアソンの再生可能エネルギーへの関心と気候変動への働きかけを軸に構成されます。それは展覧会のタイトルにも反映されています。エリアソンは言います。「〈ときに川は橋となる〉というのは、まだ明確になっていないことや目に見えないものが、たしかに見えるようになるという物事の見方の根本的なシフトを意味しています。地球環境の急激かつ不可逆的な変化に直面している私たちは、今すぐ、生きるためのシステムをデザインし直し、未来を再設計しなくてはなりません。そのためには、あらゆるものに対する私たちの眼差しを根本的に再考する必要があります。私たちはこれまでずっと、過去に基づいて現在を構築してきました。私たちは今、未来が求めるものにしたがって現在を形づくらなければなりません。伝統的な進歩史観を考え直すためのきっかけになること、それがこうした視点のシフトの可能性なのです。」

オラファー・エリアソンは1990年代初めから、写真、彫刻、ドローイング、インスタレーション、デザイン、建築など、多岐にわたる表現活動を展開してきました。本展は、エリアソンの代表作を含む、多くが国内初公開となる作品の数々で構成されています。自然現象を再構築したインスタレーション、光と幾何学に対する長年の関心が反映された彫刻、写真のシリーズ、ドローイングと水彩画、公共空間への介入をめぐる作品等が展示されます。

エリアソンは、幼少期に多くの時間を過ごしたアイスランドの自然現象を、長年にわたり撮影してきました。《溶ける氷河のシリーズ 1999/2019》(2019年)は、過去20年間の氷河の後退を鑑賞者に体感させます。また、私たちと自然との複雑な関係をめぐる思考が反映されたエリアソンのインスタレーションは、光、水、霧などの自然現象をしばしば用いることによって、周りの世界を知覚し、世界をともに制作する方法について、私たちひとりひとりの気づきをうながします。さらに、本展覧会では、最初期の代表作として、暗闇の中に虹が現れる《ビューティー》(1993年)をご紹介します。アトリウムの吹き抜け空間では、大規模なインスタレーションが本展のために制作されます。

スタジオ・オラファー・エリアソンの活動は美術作品の制作に限定されません。スタジオでは日々、実験とリサーチ、コラボレーションによって、さまざまなアイデアやプロジェクトが開発されています。本展覧会では、サステナブルな生分解性の新素材やリサイクルの技術に関する近年のリサーチの一部をご紹介します。

永松淳建築事務所による、静岡・駿東郡の住宅「長泉の家」
永松淳建築事務所による、静岡・駿東郡の住宅「長泉の家」 photo©繁田諭
永松淳建築事務所による、静岡・駿東郡の住宅「長泉の家」 photo©繁田諭
永松淳建築事務所による、静岡・駿東郡の住宅「長泉の家」 photo©繁田諭

永松淳建築事務所が設計した、静岡・駿東郡の住宅「長泉の家」です。

家族4人のための住居である。

人が集まる事のできるゆったりしたスペースと中庭がある事をご要望された。

私たちの国で作られてきた“モダンリビング”の象徴となったような中庭住居は、屋外空間である中庭を屋内に見立てるように扱われてきたものが多い。

この住宅ではその逆、屋内が屋外のように感じられる中庭住居を目指して、複数の中庭が生活空間を囲う構成をとり、それらによって生活空間に見え隠れのあるシーンの連続を生むべく意図した。

建築家によるテキストより
OHA+MOVE設計共同体による、京都の宿泊施設「長岡京のホテル」
OHA+MOVE設計共同体による、京都の宿泊施設「長岡京のホテル」 photo©exp 塩谷淳
OHA+MOVE設計共同体による、京都の宿泊施設「長岡京のホテル」 photo©exp 塩谷淳

OHAMOVE設計共同体が設計した、京都の宿泊施設「長岡京のホテル」です。施設の公式サイトはこちら

京都にあるホテルという場所について、現代における価値と京都の歴史を交えた上でのプログラムについて考えることからはじめました。

京都の生活は、ひと昔前は道中で商売を行いご近所同士での井戸端会議が行われ、地域の人々が子供の面倒を見るという習慣があったとされています。そこには、「道」という場所の余白が公共の場所として存在していたのだと思います。近年、多くのビルディングタイプが機能性や合理性により均質な空間を追求された結果、場所の固有性や特別感というものが消え、町の日常から乖離された場所となっています。改めて、生活の延長について考える必要があるのではないでしょうか。

「できごと」の舞台となるような、社会の変化に対応しうる多様性を受け入れる器となるホテルであること、建築の在り方を捉えなおすことが必要と考え計画しています。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 株式会社吉田裕一建築設計事務所が、設計監理スタッフ・アルバイトを募集中
【ap job更新】 株式会社吉田裕一建築設計事務所が、設計監理スタッフ・アルバイトを募集中
【ap job更新】 株式会社吉田裕一建築設計事務所が、設計監理スタッフ・アルバイトを募集中新保本・HOUSE・K

株式会社吉田裕一建築設計事務所の、設計監理スタッフ・アルバイト募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

設計スタッフ募集のお知らせ。

株式会社吉田裕一建築設計事務所では、プロジェクトの増加に伴い、私たちと一緒に働いてくれる設計監理スタッフ及びアルバイトを募集しております。

私たちは建築を通して人やまちとどのような関わり方ができるのかをいつも考えています。
クライアントはじめ、プロジェクトに関わる全ての人との対話や、与条件・未条件を徹底的に分析・検討し、潜在的な新しい視点や関係性を見出すことで、生きるのが楽しくなるような建築を創造したいと日々励んでいます。

個人住宅、店舗、鉄道・駅関連施設を中心に、集合住宅、商業施設、医療福祉施設、オフィス、宿泊施設など、用途や新築・改修に関わらず設計監理業務を行っています。
プロジェクトによってはプログラムからの企画、プロダクトデザイン等、さまざまなデザイン業務全般も含みます。
経験者はもとより、新卒の方もできるだけ早い時期に担当プロジェクトを持ってもらい、実践する中で成長していける環境です。

また、今後は設計と施工、そして流通を含めた建築のサイクルにおける新しいあり方に興味があり、既存の職能にとらわれない、これからの時代に求められる働き方を共に作り出そうという熱意のある方も歓迎します。

桐山啓一 / Airhouseによる、愛知の住宅「豊橋の家」
桐山啓一 / Airhouseによる、愛知の住宅「豊橋の家」 photo©矢野紀行 / Toshiyuki Yano
桐山啓一 / Airhouseによる、愛知の住宅「豊橋の家」 photo©矢野紀行 / Toshiyuki Yano

桐山啓一 / Airhouseが設計した、愛知の住宅「豊橋の家」です。

愛知県豊橋市における住宅の計画。

南と西はコンビニやその駐車場、北は住宅が隣接した東接道の敷地である。ここでは、どのようにプライバシーを確保しながら明るく開放的な住空間を確保できるかを考えた。

建築家によるテキストより
菊竹清訓の「旧都城市民会館」を3次元スキャンしたデータから制作したモデルを、ARでリアルタイムに切断して断面表示する様子の動画が、twitterに投稿され2000以上のいいねが付くほど話題に

菊竹清訓の「旧都城市民会館」を3次元スキャンしたデータから制作したモデルを、ARでリアルタイムに切断して断面表示する様子の動画が、twitterに投稿され2000以上のいいねが付くほど話題になっています。藤原龍が投稿したものです。この試みは、弊サイトでも紹介したgluonによる、「旧都城市民会館」を3次元スキャンで記録するプロジェクトを発展させたものと思われます。デジタルでの保存観点のみならず、建築を伝える新たな方法としても興味深いテクノロジーと言えるでしょう。

また、こちらのページでは、同モデルの内装情報込みのARの3Dモデルが新規に公開されていて、スマートフォンを使って、旧都城市民会館の内部の様子も閲覧できます

杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第4回「ペンから筆へ」
杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第4回「ペンから筆へ」

 
※このエッセイは、杉山幸一郎個人の見解を記すもので、ピーター・ズントー事務所のオフィシャルブログという位置づけではありません。

 


 
ペンから筆へ

text:杉山幸一郎

 
日本や世界の他の国々と同じように、スイスでも新型コロナウイルスの影響で、3月中旬から多くの経済活動が停滞し、外出はできるだけ自粛するよう要請されています。学校やスポーツ施設、文化施設は一ヶ月以上、閉まったままです。
人に会う際には社会的距離(2m)を保ちながら、それが難しい場合にはマスクを着用することが推奨されています。
今月11日からは、休校になっていた学校が再び始まりますが、まだまだ気の抜けない日々が続きそうです。この状況に憂うことなく、こうして社会が変化していく時に、何か今後のきっかけになるような物事ができないかとポジティブに捉え、模索しているところです。(2020年5月4日現在)

僕たちズントー事務所はといえば、全スタッフが9箇所のワークスペースにプロジェクト毎に分かれて配置され、それぞれ3人程度の小さなチームで作業をしています。
僕自身も新しく決まったワークスペースにパソコンを運び入れ、プロジェクトの縮尺1/10模型をチームメイトが作り上げていくのを傍目に、図面を描きながら、オンラインミーティングをしている日々です。
PC画面の図面を共有しながら、イメージを見せながらの設計作業は、参加している全員が限られた情報(ディスプレイ)に集中することができるので、慣れてしまうとそれはそれで効率がよくなっていくのを感じています。

そんな日々を送っていますが、今回は3つの事務所建築を時系列に追いながら、ズントーの変化について考えていこうと思います。

 
«アトリエを行き来して生活する»

今、ハルデンシュタイン村にある事務所の前面道路の大工事が行われています。
昨年、村の中心にあるお城の傍に2棟の新築集合住宅が建ちました。その地下に建てられたDistrict heating (地域熱供給)に村全体がアクセスできるように、いたるところで道路下のパイプ工事が行われているのです。

普段事務所へ通っている道が封鎖され、木造アトリエの隣にあった空き地に臨時駐車場ができ、そこから事務所へ向かうことになりました。簡単にいえば、今までは上の道から向かってきたのが、下の道から登ってくるようになった。ということになります。

以下の写真はクリックで拡大します

杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第4回「ペンから筆へ」 photo©杉山幸一郎

それは、とても新鮮な出来事でした。

今まで見てきた、通ってきた道が変わるだけで、こんなにも周りの景色が変わって見えるのか。
毎日歩く見慣れている景色の中では、些細な変化に目が行き、色々な発見をすることができますが、実は今回のように全く別の角度からの大きな変化に対しては、その存在すらなかなか気づくことができません。

道を挟んで点在する3つの事務所建築をある地点から同時に眺めることができたのは、この工事のおかげと言ってもいいくらい。1つ目の事務所から30年の月日を経て、結果としてできた3つの分棟が合わせて一つの事務所を作り上げています。
(写真の真ん中左にあるのが新アトリエ、写真中央のVWビートルの上にある黒い建物が木造アトリエ。そして写真真ん中右にあるのがコンクリートアトリエです。)

Subscribe and Follow

公式アカウントをフォローして、
見逃せない建築情報を受け取ろう。

「建築と社会の関係を視覚化する」メディア、アーキテクチャーフォトの公式アカウントです。
様々な切り口による複眼的視点で建築に関する情報を最速でお届けします。

  • 情報募集建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
  • メールマガジン メールマガジンで最新の情報を配信しています。