御手洗龍建築設計事務所による、東京・世田谷区の集合住宅の一住戸「Rib」
御手洗龍建築設計事務所による、東京・世田谷区の集合住宅の一住戸「Rib」 photo©Kai Nakamura
御手洗龍建築設計事務所による、東京・世田谷区の集合住宅の一住戸「Rib」 photo©Kai Nakamura
御手洗龍建築設計事務所による、東京・世田谷区の集合住宅の一住戸「Rib」 photo©Kai Nakamura

御手洗龍建築設計事務所が設計した、東京・世田谷区の集合住宅の一住戸「Rib」です。

部屋のある4階まで上がると、窓の外に庭の緑が頭を覗かせ、その先には遠くまで景色が広がっているのが印象的であった。そしてL字型の平面をしたこの部屋には沢山の窓があり、その窓辺で陽の光や涼やかな風、緑の葉擦れを日々感じられたらどんなに幸せだろうと想像した。

そこで既存の間仕切り壁と天井を取り去り、躯体の中、一から窓辺に居場所を紡ぎ出していこうと考えた。窓辺を囲むように45mm角のツガ材をリブ状に並べ、そこに13mm 厚の合板を回していく。合板は仕上げと構造を兼ねて二枚張り合わせ、窓側にラワン材、反対側には限りなく白に近いグレー色の塗装面が現れるものとした。そしてここで用いたラワン材は、穏やかな木目に沿って自然オイルを染み込ませていくと、息を吹き返したかのように赤味を帯びてくる。窓から溢れ込む陽の光の束に、肌理の荒いその木面を差し延べると、光の粒がやわらかな濃淡として現れ、得も言われぬあたたかみと落ち着きを感じさせてくれた。

建築家によるテキストより
中村拓志 & NAP建築設計事務所のデザイン監修による、東日本の既存建物を改修したヴィラ「Loggia on the Shore」
中村拓志 & NAP建築設計事務所のデザイン監修による、東日本の既存建物を改修したヴィラ「Loggia on the Shore」 photo©Nacasa & Partners Inc.
中村拓志 & NAP建築設計事務所のデザイン監修による、東日本の既存建物を改修したヴィラ「Loggia on the Shore」 photo©Nacasa & Partners Inc.

中村拓志 & NAP建築設計事務所のデザイン監修による、東日本の既存建物を改修したヴィラ「Loggia on the Shore」です。

100フィートの大型クルーザーが停留可能な海沿いのヴィラである。RC造の既存建物を改修し、宿泊機能やプール、ジム等を付帯させた迎賓館として再生させた。メインエントランスは海側にある。船から訪れたゲストをまず迎え入れるのは、プールやテラス、そして半屋外空間としてのロッジアである。

ロッジアとは涼しい風と眺めを楽しむ開放的な半屋外空間のことであるが、ここでは幅5mの特注昇降式サッシを設けることで、開放時は内外がつながり、心地よい涼風が山側の高窓へと抜けていく空間となっている。

建築家によるテキストより
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・多摩市の、住宅・治療院「取口さんち」
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・多摩市の、住宅・治療院「取口さんち」 photo©長谷川健太
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・多摩市の、住宅・治療院「取口さんち」 photo©長谷川健太
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・多摩市の、住宅・治療院「取口さんち」 photo©長谷川健太

長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、東京・多摩市の、住宅・治療院「取口さんち」です。

“取口さんち”は多摩ニュータウンの中でも最近開発された地域で新し目の建物が周りに建つ。
それは地域の相場に沿った建売住宅であることから、だいたい同じような艶の同じような色の外壁材でできた、そして同じような建具に覆われた建物が周りに建つ。

そんな中に外壁をモルタルを塗りたくり、内装を柱梁をむき出しにしてその間をラワンベニヤで覆い、用途に構わず“取口さんち”は建つ。用途は1階を取口さんが営む整体する場で、2階をご自宅として利用している。

建築家によるテキストより

取口さんは計画の段階から、細かいところにも関わり、施工会社を探し、そして最後には自ら施工にまで参加するという施主参加型のプロジェクトとなった。もちろん、理由は予算が限られていたからだが、それはいい口実でそのシチュエーションを取口さんは確実に楽しんでいた。

そもそも予算がないのでそこまで欲張らずに今のライフスタイルを全うする場を考えれば良いのだが、やはりそこは強い未来への希望があり絶対に譲って来なかった。よっていずれ新たな構成員を迎え入れることを考えそれぞれに余裕のあるスペースをとって計画した。

そこで我々は実際に手を加えて行く時もどうせならわざわざ我々が出て行かずとも自ら考え、自分で環境を変えていく生きた建築になることを期待し計画してきた。

建築家によるテキストより

また、中は敷地目一杯に建てているので単調なプランなはずだが、そのランダムに開いた窓から見える風景がまちまちで繋がらずそこでの体験が抑揚満ちたものとなっている。
つまり、構成するものはいたって単調でも、それらの組み回せ、寸法によって期待を裏切る空間はできるということになる。

建築家によるテキストより
中村拓志 & NAP建築設計事務所と大和ハウス工業による、広島市の「畑の下のラボラトリー(IROHA village)」
中村拓志 & NAP建築設計事務所と大和ハウス工業による、広島市の「畑の下のラボラトリー(IROHA village)」 photo©Nacasa & Partners Inc.
中村拓志 & NAP建築設計事務所と大和ハウス工業による、広島市の「畑の下のラボラトリー(IROHA village)」 photo©Nacasa & Partners Inc.
中村拓志 & NAP建築設計事務所と大和ハウス工業による、広島市の「畑の下のラボラトリー(IROHA village)」 photo©Nacasa & Partners Inc.

中村拓志 & NAP建築設計事務所大和ハウス工業が設計した、広島市の「畑の下のラボラトリー(IROHA village)」です。施設の公式サイトはこちら

広島の銘菓「もみじまんじゅう」を製造する老舗和菓子屋、「藤い屋」の新工場である。宮島口の店舗に引き続いて企画から設計、監理までを担当した。敷地は海を埋立てた工業地域でスケールオーバーした無味乾燥な場所であった。そこで我々は単なる工場ではなく、材料生産、研究、加工と消費がひとつながりとなった有機的な場を提案した。このブランドが地元に密着して、人の生活や自然を大切にしながら続けてきたお菓子作りを表現しようと考えた。

まずは菓子の製造と工場見学にとどまらず、つくる人の顔や材料の確かさ、企業哲学を広く伝える場所となるよう、工場と同じ面積の農園「畑LABO」を設けた。畑には小豆や小麦、レモンなどの果樹、アーモンド、オリーブなどのお菓子の材料となる樹木を植えて、食材の研究や食育の場とした。

建築家によるテキストより

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