村上智也 / BENDSによる、兵庫・淡路島の美容室「日毎」
村上智也 / BENDSによる、兵庫・淡路島の美容室「日毎」 photo©adhoc 志摩大輔
村上智也 / BENDSによる、兵庫・淡路島の美容室「日毎」 photo©adhoc 志摩大輔
村上智也 / BENDSによる、兵庫・淡路島の美容室「日毎」 photo©adhoc 志摩大輔

村上智也 / BENDSが設計した、兵庫・淡路島の美容室「日毎」です。店舗の公式ページはこちら

海、山と川、自然がそのままの形で残る淡路島で生まれ、神戸で美容師経験を積み独立を気に淡路島に移住を決断したオーナーさんの美容室、日毎 。
区画である築年数80年近い古民家は屋根裏にもスペースを持つ2階建て
増改築を繰り返す中でいびつな形の天井に様変わりし、必要な柱の何本かは欠損している状況でした
今回の業態には不必要な屋根裏部分を取り除き、5Mの高天井を持つ空間調整を行いました

屋根裏に鎮座する大梁、増改築の名残を持つ柱は時間の経過を感じさせるものであり、
その姿を新しく作り出す部分とどう絡めて共生させるかを考え、それぞれが干渉する部分に間を設け、白い帯で新旧の立体物を包む構成にしています

建築家によるテキストより
日本ペイント×architecturephotoコラボレーション企画 “色彩にまつわる設計手法” / 第4回 加藤幸枝・中編 「色彩を設計するための手がかり① 中山英之設計『Yビル』」
日本ペイント×architecturephotoコラボレーション企画 “色彩にまつわる設計手法” / 第4回 加藤幸枝・中編 「色彩を設計するための手がかり① 中山英之設計『Yビル』」

本記事は学生国際コンペ「AYDA2020」を主催する「日本ペイント」と建築ウェブメディア「architecturephoto」のコラボレーションによる特別連載企画です。4人の建築家・デザイナー・色彩計画家による、「色」についてのエッセイを読者の皆様にお届けします。色彩計画家、加藤幸枝氏担当の第4回目中編は建築家の中山英之氏の作品を測色し、判断の根拠を推測していただきました。

 
色彩を設計するための手がかり① 中山英之「Yビル」

text:加藤幸枝

 

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日本ペイント×architecturephotoコラボレーション企画 “色彩にまつわる設計手法” / 第4回 加藤幸枝・中編 「色彩を設計するための手がかり① 中山英之設計『Yビル』」「Yビル」(設計:中山英之建築設計事務所、2009年) photo©太田拓実

色彩を設計するためには、どういった視座や手法を身につけるべきなのでしょうか。
私自身は前編で述べたように、直近の、あるいはそれまでさほど気にされずに/放置されてきた色彩における課題に対する「解決策としての色彩設計」に職能としての必要性を感じ、積極的に取り組んできました。その考え方はもちろん新築の計画の際にも役立つものですが、設計という行為においては過去や現況を参照するだけでなく、色彩の現象性や色と色/色と素材とを組み合わせた時の効果や影響を充分に把握し、新しい環境の創造に活かしていくことが大切である、と常々考えています。
一方で私は、効果や影響は大きければよいというわけではない、とも考えています。

都市やまちは変わり続けるものです。周辺の環境や社会情勢等の変化をはじめ、日々の天候や季節の変化も対象にさまざまな影響を与えています。こうした影響とどこまで向き合い、対峙するべきなのか/断ち切って開拓する(・突き抜ける)べきなのか…。かれこれ30年、この仕事に係わる中でも、明確な答えは見つかっていません。
経験に基づき確信を持って言えることといえば、前編で述べた色彩の最大ともいえる特徴、「相互に作用しあう」という事象です。この特徴をできるだけ丁寧に観察し、分析・考察することで、「相互作用の程度や塩梅」を言語化することが可能になります。私はその観察の手がかりとして「色を測る」という行為を習慣化してきました。
建築家やデザイナーが色彩がもたらす影響や変化にどのように向き合い、設計において最終的な判断や決定を下す根拠を見出しているのか。3氏が手掛けた作品を実際に測色し、その数値を手掛かりに紐解いてみたい、と考えました。

  
わずかに黄みを帯びたグレイ/中山英之「Yビル」

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日本ペイント×architecturephotoコラボレーション企画 “色彩にまつわる設計手法” / 第4回 加藤幸枝・中編 「色彩を設計するための手がかり① 中山英之設計『Yビル』」「Yビル」(設計:中山英之建築設計事務所、2009年) photo©太田拓実

建設地を地図で確認してみると、これまでに何度も通りかかったことのある場所でした。T字の交差点にあり、多くの車両や歩行者から見られる環境です。
ビルの1階には現在、不動産を扱うテナントが入居されています。ファサード正面にある寒色系の帯看板(屋外広告物)は控えめなサイズと落ち着いた色調であり、周囲を見渡してみると、どのビルも同様に屋外広告物に対する工夫や配慮の様子が伺えます。
このエリアは港区の景観計画において「プラチナ通り周辺景観形成特別地区」に指定されており、通りに面する建築物は規模の大小を問わず、すべてが届出対象行為とされています。周辺の建物を含め、おそらく屋外広告物についても、建築物そのものや周辺との調和、通りの洗練されたイメージにふさわしい広告物のあり方や掲出方法について、さまざまな助言や指導が行われていることが推測できます。

外装のパネルは2.5Y 7.0/0.5程度でした。竣工から時間を経て、経年変化が見られるのかもしれませんが、完全なN(ニュートラル)系ではなく、間違いなくわずかに黄みのあるグレイでした(1階部分はすべて柱と建具で壁面がないため、写真のように離れた場所(公道から)から2階部分の測色を行いました)。向かって右側のビルの側壁面がN(ニュートラル)系でしたので、比較するとやはりYビルの方がほのかに色味があることがわかります。

【ap job更新】 オートデスクが、BIM製品の利用促進及び支援を行うシニアスペシャリストとRevitの技術サポートスタッフを募集中
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1982 年に AutoCAD を発売して以来、建築物や工業製品、ヒット映画やゲームの視覚効果など、私たちの身の回りにある多くのものでオートデスクの 3D ソフトが利用されています。特に、いま日本で盛んに進められているBIM化の波に対して、最新技術を取り入れた幅広いアプリケーション・サービス・プラットフォームを提供しています。

坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography

坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所が設計した、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」です。

都内に計画された、とても小さな店舗(cookie shop)併用住宅である。 小さなスペースと小さなテラスが、床のレベルをずらしながら連続していく。どこにいても完結されない立体的なワンルーム空間は、住まい手と店舗に訪れたお客に対して、小さいけれど狭くない環境を作り出す。1階のショップと他の住空間はガラス引戸のみで仕切られており、ショップから半階あがったダイニングキッチンではワークショップを開いたり、雨の日にお客さんに上がって待ってもらうなど、〈職〉と〈住〉の間にゆるやかな関係性を持たせている。

建築家によるテキストより

内部空間に光と風を取り入れるために、建物の角を切り落としていく過程で出来た形状は都市に芽生えた小さな「つぼみ」のようでもあり、これからも、小さいながらも発信し、成長していく建築になればと考えた。

建築家によるテキストより
建築雑誌『エル・クロッキー』の最新号(205号)がSANAAを特集。書籍収録の妹島・西沢と大西麻貴の対話パートが無料公開中

スペインを拠点とし高品質なモノグラフを刊行することで世界的に知られている建築雑誌『エル・クロッキー』の最新号(205号)がSANAAを特集しています。2015年から2020年までの作品を収録。本書籍に併せて収められている、妹島和世・西沢立衛と、o+hの大西麻貴との対話パート「Architecture and Environment as One. A Conversation with Kazuyo Sejima and Ryue Nishizawa, by Maki Onishi」がPDFで無料公開中です。

デイビッド・チッパーフィールドによる、ドイツ・パーダーボルンの、オフィス「Jacoby Studios」の写真。17世紀に修道院として建てられ、その後病院に転用された既存建築をさらに改修

デイビッド・チッパーフィールドのウェブサイトに、ドイツ・パーダーボルンの、オフィス「Jacoby Studios」の写真と図面が18枚掲載されています。17世紀に修道院として建てられ、その後病院に転用された既存建築をさらに改修した建築です。

The former ‘St. Vincenz hospital’ is situated in the medieval town centre of Paderborn next to the western tributary of the Pader Springs. The hospital moved out in 2013 and the existing complex has been converted into a new headquarters for a family-run company designed by David Chipperfield Architects Berlin.

The existing ensemble originates from a former seventeenth century Capuchin monastery. The buildings, which were used as a hospital from 1841 onwards, were severely damaged during the Second World War. Subsequently, the complex underwent several changes and extensions through reconstruction and later modifications. The conversion for the Jacoby Studios involved the removal of the post-war additions, exposing the historic building fabric of the monastery once again. In particular, the chapel façade, the cloister, the east building wing and the seventeenth century cellar were preserved and restored, creating a picturesque ruin structure made of quarry-stone masonry with the former cloister at its heart. The complex of monastery and annexes is embedded into a garden designed by Wirtz International.

New extension wings, ranging from two to three-storeys, are arranged in accordance with the orthogonal structure to the north, west and south of the original buildings. Through the historic entrance gate and the former chapel, visitors access the entrance foyer.

Echoing the historic situation, the ensemble appears once again in the cityscape as a well-balanced composition of different volumes. In the urban landscape of the Pader Springs, the new complex has its own sense of identity, while maintaining historic continuity.

ジャン・ヌーベルが計画している、サウジアラビアの、アルウラ砂漠にある砂岩の中に埋設されるホテルのCG動画

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