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2020.10.27Tue
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2020.10.28Wed
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」

595.43坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」

architecture|feature
世田谷区図面あり坂野由典太田拓実店舗兼住宅建材(内装・壁)建材(内装・天井)建材(内装・床)建材(外装・壁)建材(外装・屋根)建材(外装・床)建材(外装・建具)東京
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography

坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所が設計した、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」です。

都内に計画された、とても小さな店舗(cookie shop)併用住宅である。 小さなスペースと小さなテラスが、床のレベルをずらしながら連続していく。どこにいても完結されない立体的なワンルーム空間は、住まい手と店舗に訪れたお客に対して、小さいけれど狭くない環境を作り出す。1階のショップと他の住空間はガラス引戸のみで仕切られており、ショップから半階あがったダイニングキッチンではワークショップを開いたり、雨の日にお客さんに上がって待ってもらうなど、〈職〉と〈住〉の間にゆるやかな関係性を持たせている。

建築家によるテキストより

内部空間に光と風を取り入れるために、建物の角を切り落としていく過程で出来た形状は都市に芽生えた小さな「つぼみ」のようでもあり、これからも、小さいながらも発信し、成長していく建築になればと考えた。

建築家によるテキストより

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坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 image©坂野由典建築設計事務所
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 image©坂野由典建築設計事務所
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 image©坂野由典建築設計事務所
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、東京・世田谷区の、店舗併用住宅「Tsubomi House」 image©坂野由典建築設計事務所

以下、建築家によるテキストです。


〈職〉と〈住〉と〈まち〉がゆるやかに繋がり合い発信する、都市のつぼみ

都内に計画された、とても小さな店舗(cookie shop)併用住宅である。 小さなスペースと小さなテラスが、床のレベルをずらしながら連続していく。どこにいても完結されない立体的なワンルーム空間は、住まい手と店舗に訪れたお客に対して、小さいけれど狭くない環境を作り出す。1階のショップと他の住空間はガラス引戸のみで仕切られており、ショップから半階あがったダイニングキッチンではワークショップを開いたり、雨の日にお客さんに上がって待ってもらうなど、〈職〉と〈住〉の間にゆるやかな関係性を持たせている。

さらに、旗竿敷地の竿部分(この敷地では10m²程度)が隣家の壁に囲まれていることを逆手にとって、施主は定期的に小さなマルシェ(市場)を開催し、他の出店者とともに手づくりパンや野菜、絵本などが並ぶ空間をつくる。小さいからこその生まれる適度な密度感により、出店者や訪れた人々の間に自然と活発な交流が生まれ、「売る人」「買う人」の枠を超えたコミュニティが広がるとともに、複数のコミュニティ同士をつなぐハブの役割も果たしている。
こうした、〈職〉と〈住〉と〈まち〉の距離が近いだけでなくそれらの領域がゆるやかにつながりあう暮らしが、都市を住みこなすことの一つの方向性を感じさせる。

内部空間に光と風を取り入れるために、建物の角を切り落としていく過程で出来た形状は都市に芽生えた小さな「つぼみ」のようでもあり、これからも、小さいながらも発信し、成長していく建築になればと考えた。

■建築概要

設計:坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所
所在地:東京都世田谷区
用途:店舗併用住宅
竣工: 2010.01
規模:地下1階 地上2階
敷地面積:46.76m2
建築面積:26.20m2
述床面積:77.44m2
構造:木造在来工法 + RC造
写真:Takumi Ota Photography

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・屋根屋根

ガルバリウム鋼板 特注折[ニクスカラー アイボリーホワイト](日鉄住金鋼板)

外装・壁外壁

ガルバリウム鋼板 特注折[ニクスカラー アイボリーホワイト](日鉄住金鋼板)

外装・床床

モルタル金ゴテ押え

外装・建具玄関ドア

スチール製特注

内装・床B1階床

モルタル金ゴテ押え+防塵塗装

内装・床1階床

モルタル金ゴテ押え+防塵塗装、ラーチ合板+クリア塗装

内装・床2階床

ラーチ合板+クリア塗装

内装・壁壁

ラーチ合板+クリア塗装

内装・天井天井

ラーチ合板+クリア塗装

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※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

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    村上智也 / BENDSによる、兵庫・淡路島の美容室「日毎」

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    architecture|feature
    BENDSNEW LIGHT POTTERY兵庫図面あり店舗建材(内装・壁)建材(内装・天井)建材(内装・床)建材(内装・建具)建材(内装・照明)建材(内装・造作家具)建材(外装・壁)建材(外装・床)志摩大輔村上智也淡路島
    村上智也 / BENDSによる、兵庫・淡路島の美容室「日毎」 photo©adhoc 志摩大輔
    村上智也 / BENDSによる、兵庫・淡路島の美容室「日毎」 photo©adhoc 志摩大輔
    村上智也 / BENDSによる、兵庫・淡路島の美容室「日毎」 photo©adhoc 志摩大輔

    村上智也 / BENDSが設計した、兵庫・淡路島の美容室「日毎」です。店舗の公式ページはこちら。

    海、山と川、自然がそのままの形で残る淡路島で生まれ、神戸で美容師経験を積み独立を気に淡路島に移住を決断したオーナーさんの美容室、日毎 。
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    増改築を繰り返す中でいびつな形の天井に様変わりし、必要な柱の何本かは欠損している状況でした
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    建築家によるテキストより
    • 残り11枚の写真と建築家によるテキスト
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    本記事は学生国際コンペ「AYDA2020」を主催する「日本ペイント」と建築ウェブメディア「architecturephoto」のコラボレーションによる特別連載企画です。4人の建築家・デザイナー・色彩計画家による、「色」についてのエッセイを読者の皆様にお届けします。色彩計画家、加藤幸枝氏担当の第4回目中編は建築家の中山英之氏の作品を測色し、判断の根拠を推測していただきました。

     
    色彩を設計するための手がかり① 中山英之「Yビル」

    text:加藤幸枝

     

    以下の写真はクリックで拡大します

    日本ペイント×architecturephotoコラボレーション企画 “色彩にまつわる設計手法” / 第4回 加藤幸枝・中編 「色彩を設計するための手がかり① 中山英之設計『Yビル』」「Yビル」(設計:中山英之建築設計事務所、2009年) photo©太田拓実

    色彩を設計するためには、どういった視座や手法を身につけるべきなのでしょうか。
    私自身は前編で述べたように、直近の、あるいはそれまでさほど気にされずに/放置されてきた色彩における課題に対する「解決策としての色彩設計」に職能としての必要性を感じ、積極的に取り組んできました。その考え方はもちろん新築の計画の際にも役立つものですが、設計という行為においては過去や現況を参照するだけでなく、色彩の現象性や色と色/色と素材とを組み合わせた時の効果や影響を充分に把握し、新しい環境の創造に活かしていくことが大切である、と常々考えています。
    一方で私は、効果や影響は大きければよいというわけではない、とも考えています。

    都市やまちは変わり続けるものです。周辺の環境や社会情勢等の変化をはじめ、日々の天候や季節の変化も対象にさまざまな影響を与えています。こうした影響とどこまで向き合い、対峙するべきなのか/断ち切って開拓する(・突き抜ける)べきなのか…。かれこれ30年、この仕事に係わる中でも、明確な答えは見つかっていません。
    経験に基づき確信を持って言えることといえば、前編で述べた色彩の最大ともいえる特徴、「相互に作用しあう」という事象です。この特徴をできるだけ丁寧に観察し、分析・考察することで、「相互作用の程度や塩梅」を言語化することが可能になります。私はその観察の手がかりとして「色を測る」という行為を習慣化してきました。
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    以下の写真はクリックで拡大します

    日本ペイント×architecturephotoコラボレーション企画 “色彩にまつわる設計手法” / 第4回 加藤幸枝・中編 「色彩を設計するための手がかり① 中山英之設計『Yビル』」「Yビル」(設計:中山英之建築設計事務所、2009年) photo©太田拓実

    建設地を地図で確認してみると、これまでに何度も通りかかったことのある場所でした。T字の交差点にあり、多くの車両や歩行者から見られる環境です。
    ビルの1階には現在、不動産を扱うテナントが入居されています。ファサード正面にある寒色系の帯看板(屋外広告物)は控えめなサイズと落ち着いた色調であり、周囲を見渡してみると、どのビルも同様に屋外広告物に対する工夫や配慮の様子が伺えます。
    このエリアは港区の景観計画において「プラチナ通り周辺景観形成特別地区」に指定されており、通りに面する建築物は規模の大小を問わず、すべてが届出対象行為とされています。周辺の建物を含め、おそらく屋外広告物についても、建築物そのものや周辺との調和、通りの洗練されたイメージにふさわしい広告物のあり方や掲出方法について、さまざまな助言や指導が行われていることが推測できます。

    外装のパネルは2.5Y 7.0/0.5程度でした。竣工から時間を経て、経年変化が見られるのかもしれませんが、完全なN(ニュートラル)系ではなく、間違いなくわずかに黄みのあるグレイでした(1階部分はすべて柱と建具で壁面がないため、写真のように離れた場所(公道から)から2階部分の測色を行いました)。向かって右側のビルの側壁面がN(ニュートラル)系でしたので、比較するとやはりYビルの方がほのかに色味があることがわかります。

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    加藤幸枝色彩にまつわる設計手法論考
    2020.10.27 Tue 15:22
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    The former ‘St. Vincenz hospital’ is situated in the medieval town centre of Paderborn next to the western tributary of the Pader Springs. The hospital moved out in 2013 and the existing complex has been converted into a new headquarters for a family-run company designed by David Chipperfield Architects Berlin.

    The existing ensemble originates from a former seventeenth century Capuchin monastery. The buildings, which were used as a hospital from 1841 onwards, were severely damaged during the Second World War. Subsequently, the complex underwent several changes and extensions through reconstruction and later modifications. The conversion for the Jacoby Studios involved the removal of the post-war additions, exposing the historic building fabric of the monastery once again. In particular, the chapel façade, the cloister, the east building wing and the seventeenth century cellar were preserved and restored, creating a picturesque ruin structure made of quarry-stone masonry with the former cloister at its heart. The complex of monastery and annexes is embedded into a garden designed by Wirtz International.

    New extension wings, ranging from two to three-storeys, are arranged in accordance with the orthogonal structure to the north, west and south of the original buildings. Through the historic entrance gate and the former chapel, visitors access the entrance foyer.

    Echoing the historic situation, the ensemble appears once again in the cityscape as a well-balanced composition of different volumes. In the urban landscape of the Pader Springs, the new complex has its own sense of identity, while maintaining historic continuity.

    davidchipperfield.com
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    コンバージョンデイヴィッド・チッパーフィールドドイツリノベーション事務所
    2020.10.27 Tue 07:31
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    ジャン・ヌーベルが計画している、サウジアラビアの、アルウラ砂漠にある砂岩の中に埋設されるホテルのCG動画

    811.95 ジャン・ヌーベルが計画している、サウジアラビアの、アルウラ砂漠にある砂岩の中に埋設されるホテルのCG動画

    architecture|remarkable|video
    サウジアラビアジャン・ヌーベル宿泊施設

    ジャン・ヌーベルが計画している、サウジアラビアの、アルウラ砂漠にある砂岩の中に埋設されるホテルのCG動画です。

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    サウジアラビアジャン・ヌーベル宿泊施設
    2020.10.27 Tue 07:10
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    2020.10.26Mon
    • 桐山啓一 / Airhouseによる、愛知・瀬戸市の住宅「瀬戸の家」
    • アーティストの村上隆へのインタビュー『生前は雑音。評価は僕が死ぬまで分からない」――現代美術家・村上隆が語る創作とお金』
    • 最も注目を集めたトピックス [期間:2020/10/19-10/25]
    2020.10.28Wed
    • 【ap job更新】 国内外の著名商業施設の内装設計・高級住宅の建築設計を行う「アイケイジー」が、建築設計スタッフとアルバイトを募集中
    • 【ap job更新】 坂茂建築設計が、設計スタッフ(新卒・卒業予定者・第二新卒歓迎)を募集中
    • 村上智也 / BENDSによる、大阪市の「いづる保育園 上本町」
    • 【ap job更新】 白砂孝洋建築設計事務所が、建築設計スタッフ(経験者・アシスタント・アルバイト・在宅ワーク)を募集中
    • 原研哉とnoizによる、台湾・台南市の、台南市美術館でのアートインスタレーション「Shadow In Motion」
    • ほか

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