
1,433.28 長沼和宏+澤田淳 / AIDAHOによる、埼玉・深谷市の住宅「FUKAYA house 02」



長沼和宏+澤田淳 / AIDAHOが設計した、埼玉・深谷市の住宅「FUKAYA house 02」です。
施主の両親が暮らす実家の隣に、施主家族が暮らす離れの家を設計した。
敷地は埼玉県深谷市の郊外の市街化調整区域内であったため、敷地を含む周囲は市街地から区分けされ、原風景として保存されたかのように、この土地の古くからの様相を残していた。
同じ区画内には、実家の他にも畑や施主の祖父がつくった庭園・納屋などがあり、それらの持つノスタルジーな要素との親和性を大切にしつつ、近隣の市街化区域とは異なったコンテクストを感じさせるような景色をつくれたらと考え、計画をしていった。
農地転用をして新たに宅地として切り取った敷地は、母屋の南西側に位置し、互いに採光や通風の妨げになることが懸念された。
そこで建物を母屋に対して45°斜(はす)に角度を振って配置し、さらにヴォリュームを低く抑えることで、互いの視線や世帯間の程良い距離を設けるようにした。
また、母屋と「くの字」状に連なり、庭を囲むような配置となったことで、共有の庭へ吹き込む北風や土埃を防いでいる。
仕事が鉄鋼関係で、自分でもものづくりを楽しむ施主のキャラクターに合わせて、施主が暮らしながら家づくりを楽しんでいけるような家をイメージし、過剰なものを排除したシンプルな構成を心がけた。
建築中も、軒庇のスチール柱や棚受け、カーテンレール、ハンガーバー等、鉄部の殆どは施主が自作したものを提供してもらっている。既製品で済ませるのではなく、家を構成する大小様々なパーツに丁寧な手仕事が垣間見えることもこの家の重要な要素となっている。