ザハ・ハディド・アーキテクツによるキプロス・ニコシアの「エレフテリア広場」です。祭典や公共イベントの為の市民広場として計画され、敷地形状と機能配置から生まれた流動的な幾何学的形状をもち、旧市街と近代地区のコミュニティーの分断を解消し統一を提案するプロジェクトです。
こちらはリリーステキストの翻訳です
ニコシアのエレフテリア広場(Eleftheria Square)は、キプロス共和国大統領ニコス・アナスタシアデ(Nicos Anastasiade)とニコシア市長コンスタンティノス・ヨルカジス(Constantinos Yiorkadjis)によって落成式が行われました。式典には、EU委員のステラ・キリアキデス(Stella Kyriakides)も出席しました。
ザハ・ハディド・アーキテクツのデザインは、エレフテリア広場を街の主要な集いの場として確立し、分裂した首都をひとつにすることを意図した新しいつながりを生み出します。ニコシアは、ベネチア様式の巨大な要塞によって旧市街と近代的な地区が分断され、「グリーンライン」によって首都が2つのコミュニティーに分かれています。
ニコシアの中心部に位置するエレフテリア広場は、ベネチアン・ウォールと街を取り囲む空堀に隣接しています。中世に建設され、16世紀にベネチア人によって大規模に再建されたこの実質的な防御壁は、首都の最も古い部分の境界を定め、古代都市と壁の外の新しい地区とを分けています。
ザハ・ハディド・アーキテクツは、エレフテイラ広場を、首都再統一の触媒となる大規模な都市計画の初期段階として構想しています。デザインは、ヴェネチアン・ウォールの景観を損なわず、ニコシアのアイデンティティーの一部として定着させるとともに、空堀を開放して街を取り囲む環状公園としました。
以前はアクセスできなかった堀の部分を、新しい市民広場や庭園、ヤシの木が並ぶプロムナードなどに変えることで、堀は街を囲む「グリーンベルト」となることができるのです。ザハ・ハディド・アーキテクツのデザインは、堀の中の新しい公共空間を古代の城壁に沿って拡張し、ニコシアを囲むようにすることで、この分断された首都のコミュニティを再びつなげることを提案しています。