中川宏文 / O.F.D.A.と山本稜 / Spicy Architectsが設計した、山梨・富士吉田市の飲食店「喫茶檸檬」です。商店街活性化として計画され、運営者の地域資源と東京の創造性が混ざり合う場という思いに、人々の日常風景と非日常風景を引き立たせる舞台装置としての建築で応えようとする計画です。店舗の公式サイトはこちら。
喫茶檸檬は富士吉田市の、「富士吉田市本町通り活性化プロジェクト」としてつくられた。
富士山に日本一近いと言われる山梨県富士吉田市。市内の至るところから大迫力の富士山を望むことができ、中でも「富士山がきれいに見える商店街」として、富士吉田市本町通りはメディアからも注目されている。1000年以上続く繊維のまちとしても知られファッションブランドの産地として活気溢れるまちとして発展した。しかし、昭和50年代に入ると経済はグローバル化し、低廉な製品が国内に流通し衰退。通り自体は閑散とし空き家や空き店舗が増え、シャッター商店街と化しているのが現状だ。
本プロジェクトは、この本町通りを起点に地域の伝統産業を活用した事業と、地産地消を目指し地元の農作物を使用した運営を行い、空き家や空き店舗を活用し、内装のリノベーション、コンテンツ制作、PR力のあるクリエイターを誘致した長期運営を行い地域の更なる活性化を目的としたプロジェクトである。本プロジェクトを、地域の空き家等活用のモデルケースとしてPRすることで、新たな出店や移住、2拠点居住、ワーケーションの場所として、内外からのニーズや投資を増やしていくことで更なる地域の活性化を目指している。
同店を運営・プロデュースする、東京のデザイン事務所(株)れもんらいふは、富士吉田の資源と東京のクリエイティブが混ざり合う場所にしたいという思いがあった。
そこで我々は、ここに来る多様な人々の活動が街の日常の風景の一部として切り取られ、またある時には映画のワンシーンのような非日常の瞬間として映えるように、2つの舞台を設えることにした。