中本剛志+田中裕一 / STUDIO YYが設計した、千葉市の「丘の幼稚園」です。団地内の敷地で隣接する緑地を手掛かりに設計、地面まで延びる“片流れ屋根の丘”を構想し遊びの場の創出と共に通風等の快適な室内環境を実現、在来工法の採用で短工期の条件もクリアしています。
周囲を何棟もの団地に囲まれ、唯一西側に向けて緑地が続く場所に建つ築50年の幼稚園をこども園とする建替計画となる。
緑地を望む丘を作るように園舎を設計することで、子どもたちが緑に囲まれて、遊びを通して学び、元気に育つ場としたいと考えた。
走り回ったり、駆け上ったりするのが大好きな子どもたちのために、緑地に向け片流れ屋根の丘を配置した。森の中の遊び場を丘の屋根の上に散りばめ、丘を掘り込むようにして内外の空間をつなぐ。丘の屋根の下には保育室と森のホールを緑地に向かって並べることで、団地内にありながら、室内からは緑地の景色だけが見え、森の中に佇むような環境となるようにした。
厳しい予算と4月の開園に向けた約5か月という厳しい工期を達成可能な適材適所の合理的な木造在来工法を採用した。
廊下・トイレ・エントランス等のサービス系諸室は必要最低限の天高とし、保育室、ホールは⼀般的な片流れ屋根工法を採用し、高さのあるのびやかな空間となるようにした。そして、片流れ屋根を地面まで延ばすことで、上部が丘の遊び場となるようにした。