
824.96 中村拓志&NAP建築設計事務所と竹中工務店による、千葉市の「ZOZO本社屋」。諸機能を街にアウトソースし街と共に成長するオフィスを目指し設計、吊屋根で天井高の変化する空間が公と私をグラデーション状に生み、自由な居場所の選択と共に一体感を生み出す



中村拓志&NAP建築設計事務所と竹中工務店が設計した、千葉市の「ZOZO本社屋」です。諸機能を街にアウトソースし街と共に成長するオフィスを目指し設計、吊屋根で天井高の変化する空間が公と私をグラデーション状に生み、自由な居場所の選択と共に一体感を生み出す計画です。
ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOの本社屋では、食事や保育などの諸機能を社内で賄うのではなく、街全体をオフィスと捉える「領域型オフィス」として、周辺のカフェや公園、保育所、ジム等を街の中にアウトソーシングし、街と共に成長するオフィスを目指すことにした。社員の街に対する関係性構築のふるまいが本業のビジネスへの理想的なフィードバックになると考えたからである。
通過交通が多く熱負荷の高い南西道路側は、建物のセットバックにより並木や広場を設けて街並みに寄与することにした。
千葉大学正門と駅を結ぶ学園通り側はストリートとの一体化を目指し、南北方向に開いた吊り屋根の無柱空間と大庇を設けた。今やファッションはストリートから生まれると言われているが、往来する人びとのコーディネートやしぐさの観察が習慣化できるオフィスである。
2.0~8.0mの天井高が、ひとつの空間に空港のようなパブリック性と住宅のようなプライベート性をグラデーション状に生み出している。スキップ状の床と屋根は、目線のずれや人とのほどよい距離感、光のまわり方といった質の異なる空間を生み、仕事内容や活動によって自由に居場所を選択できる環境を支援する。