三輪直樹 / FUDOが設計した、神奈川・鎌倉市の設計者の自邸「Yamanone no ie」です。地域特有の谷地形“谷戸”の台形旗竿地に計画、地形から削り出た様な在り方と山の連なりに寄り添う構成を志向し各要素を設計、内外が織り交ざる多様な居場所を持つ空間を作り出しています。
鎌倉の谷戸に建つ本物件。山の根に位置し、周囲を山に囲まれた敷地である。
急坂を登るとそこには10件もない集落のような様相。行き止まりが該当敷地にあたるが、近付けどもなかなかその姿は見えてこない。
敷地形状は台形の旗竿地であり、間口が狭く奥に広がった形をしている。特異な敷地条件から具に周辺を観察しつつコンテクストを読み取り、その地形から削り出したような家を建築した。とりわけ敷地の持つポテンシャルを最大限に引き出すことに力を割いた。
ピロティ、中庭、バルコニーと塊から削り出されたヴォイドが、空気や光、水の通り道となり、家に彩りを与えてくれる。その彩りを活かすためには谷戸としての山の連なりに寄り添うように空間構成をすることが必要だと感じた。そこで、ひとつながりでありながら離散的空間となるよう、空間構成や窓の配置を丁寧に行った。