イースト・アーキテクチャー・スタジオが設計した、レバノン・トリポリの、オスカー・ニーマイヤー建築の改修プロジェクト「Renovation of Niemeyer Guest House」です。
1970年代の内戦で完成前に放棄された建物を木材産業促進施設に改修する計画です。建築家は、ニーマイヤーの類似プロジェクトを参考にしつつ可逆的な方法で改修を実行しました。それは、施設の存在感を高め、敷地全体の保存計画も促進したのです。
オスカー・ニーマイヤーが設計したパヴィリオンの遺構「Rachid Karami International Fair」の公式サイトはこちら。こちらのページにも遺構の写真が掲載されています。建築家のウェブサイトにも施工の前後を比較する写真等が掲載されています。本建築は、イスラム文化圏に建てられた現代建築を表彰する「アガ・カーン建築賞(2020-2022サイクル)」の最終候補作品です。
こちらはプロジェクト概要の翻訳
1962年にブラジルの著名な建築家オスカー・ニーマイヤーによって設計され、1975年の内戦勃発により完成寸前で放棄されたラチッド・カラミ国際博覧会は、最近ユネスコの世界遺産暫定リストに追加されました。
15あるパヴィリオンの一つであるゲストハウスは、トリポリの長い歴史を持つパイオニア的存在でありながら、後に衰退した木材産業を促進するデザインプラットフォームと生産施設に生まれ変わるために選ばれました。
ニーマイヤーが手がけた類似のプロジェクトが完成しているため、それを参考にしました。介入は元に戻せる形で行われました。天井のリズミカルな構造グリッドに呼応する柔軟で透明なスチールとガラスのパーティションの追加、地元産の合板パネルによる構造要素の隠蔽、天井グリッドに基づく特注照明を含む電気機械的機能の導入、などです。
この流動的で循環的なプログラムは、レセプションスペースからマテリアルライブラリー、コワーキングスペース、ワークショップへとシームレスにつながっています。
このプロジェクトは、この業界の国内外での存在感を高め、敷地全体の保存計画にも拍車をかけました。