妹島和世と原研哉が2022年3月に行った対話「コロナ禍におけるMUSEUM(箱物施設)の存在意義とは」の動画です。外務省が開設したJAPAN HOUSEの主催で行われたものです。
堤庸策 / arbolが設計した、大阪市の住戸改修「Renovation in Miyakojima」です。
都心の仕事場兼住居です。建築家は、施主の好みから導いた“有機的”と“ゆるさ”の具現化を目指して、アール形状を規律として各要素を設計しました。加えて、天井の量塊が躯体の存在を消して有機的な印象を向上させます。
設計依頼のはじまりは、施主が大阪市内の住み慣れた場所で、仕事場を兼ねた住まいが欲しいと考えておられたところからである。住まう場所を軸に考慮すると都心ということもあり、土地の購入からではなく中古マンション+リノベーションを選択した。
施主ご夫妻の「好き」について聞かせていただくと、総じるキーワードとして「有機的」と「ゆるさ」という言葉にたどり着いた。そこから、用途で部屋の区画を分けるのではなく、出入りする人たちや使い方がフレキシブルに変化する、ひとつの大きな空間がイメージできた。
目を惹くのはアーチのデザインと不思議な躍動感の天井のボリューム。ボリュームは用途を持ちつつ、躯体の柱や梁、壁の存在感を消すように配慮する事を心がけている。アールの形状を共通デザインとして取り入れ、有機的なゆるさをつくり出している。横に広いアーチの開口部、低めの天井はどっしりとした安定感と落ち着きを放っている。柱の角は丸みを持たせることで柱そのものの存在を隠し、空間から空間へつながるスムーズな印象を与えている。天井のボリュームも梁を隠し、空間用途の境目を表す役割を担っている。
MVRDVとスタジオポッドによる、インド・ムンバイの公共空間「One Green Mile」です。
地域の主要幹線道路の高架下に計画されました。建築家は、負の影響への対処と緑化や快適さを目指して、全体性を伝えるアクセントカラーを備え様々な公共機能を提供する空間を考案しました。そして、大都市での再現可能なアプローチとなる事も意図されました。
こちらはリリーステキストの翻訳
インフラをもっと活用。MVRDV、ムンバイの「One Green Mile」を完成させ、高架下にコミュニティスペースを設置
MVRDVは、共同設計者のスタジオポッドとともに、ムンバイのセナパティ・バパト・マーグ高架道路の下にある放置された一連のスペースを一新する「One Green Mile」を竣工させました。このデザインは、コンクリートで固められた威圧的なインフラを、地域社会全体のための公共スペースに変え、必要な設備と緑を追加し、移動性を向上させ、地域の強力なビジュアル・アイデンティティを創りだしました。このデザインは、より広いスケールで、持続可能な都市開発のための繰り返し可能なアプローチを提供し、インドの激しい大都市で使われていない公共スペースの新しいベンチマークを主張します。
セナパティ・バパット・マルグ高架道路は、ムンバイの中心部を11km以上にわたって走る一連の幹線道路の一部であり、騒音公害の発生や近隣地域とのバリアとなって移動の選択肢を狭めています。この地域のオフィス開発に関連して、地元の建築事務所スタジオポッドは、ニュークリアス・オフィス・パークから、高架道路に沿って走る800mに及ぶ街路景観の改善を依頼されました。この計画の最も重要な部分である、高架道路の構造体の下の未使用のスペースに、MVRDVを招き、高架道路のネガティブな影響に対処しつつ、この地域の緑や物理的な快適さの不足に応えるコミュニティスペースを共同開発することになりました。
スタジオポッドはまず、交通と道路の外形を解決し、プログラムの定義とターゲットグループの特定を支援しました。これを発展させ、MVRDVは、空間を構成するすべての要素に使用される凝集性のあるビジュアル・アイデンティティとして、しなやかなブルーのストライプをデザインし、楽しくて全体的な都市空間体験を提供するOne Green Mileのコンセプトを作り上げました。
丘陵地に敷き詰められたランドスケープは、2次元の視覚的特徴を3次元の空間体験に変え、さまざまなプログラムに対応し、ダイナミックな物理的魅力を提供しています。素材やグラフィックの視覚的なアクセントカラーは、この施設のあらゆる側面を全体として認識できるようにします。空間は、ラウンジ、ジム、日陰の座席エリア、パフォーマンススペース、読書室など、様々な機能を持つ一連のパブリックルームに分けられています。植栽は空間全体に広がっています。緑を取り入れたデザイン- エントランスのアーチ、擁壁、プランター、そして空間に並ぶスクリーン-は、生物多様性を促進し、周辺空間の冷房や騒音も緩和します。
- 池下成次建築設計室による、福岡市の「高宮の家」。施主家族の慣れ親しんだ場に計画。エリアの変化への応答と地域との繋がりを目指して、透かし積煉瓦塀の“閉じない中庭”を考案。環境・生活・時間軸を考慮して均整のとれた建築をつくる
- トラフ建築設計事務所による、東京・渋谷区の店舗「Hirotaka表参道ヒルズ店」。ブランドの旗艦店の計画。奥まった区画の特徴から“引き込む”事を求めて、異素材を重ねた什器を林立させ自由な動線と回遊性を生む空間を考案。壁等の角度を振る構成でも設計意図を増強
- 金井亮 / RaS DESIGN OFFICEによる、東京・中央区の「アリババ・ジャパン・オフィス」。社内外の会議と社内の執務の二つのエリアを作る計画。全体の一体感を求めて、セキュリティの異なる場をルーバー天井等の要素が越境する構成を考案。内外を行き来しながら柔軟に働ける空間を意図
- 最も注目を集めたトピックス [期間:2022/7/4-7/10]
- 藤本壮介+東畑建築事務所+梓設計による、2025年大阪・関西万博の「大屋根(リング)」。外側高さ約20mで内径約615mの世界最大級の木造建築。会場の主動線として交通空間であると共に、雨風等を遮る快適な滞留空間としても機能。屋上には緑の丘が広がり瀬戸内海の景観を眺望
- 【ap job更新】 隈研吾建築都市設計事務所が、建築設計・インテリアデザイン・ランドスケープ・模型製作・事務の実務経験者・新卒既卒を募集中
- 沖津雄司 / YUJI OKITSUによる、インテリアオブジェ「FOCUS」。モビール状に吊ったレンズに照明を組み合わせた製品。場の光・空気・風景の再構築を行い、変化に呼応した新たな光景を生成。商品化にあたりディテールを洗練させコンセプトを強化
- CHArによる、東京・大田区の店舗「Special End.」。クラフトビール専門店の内装。地域との関係を大切にする為に、世界観でのラッピングを避けて物体が“ゴロっと”置かれた様な空間を構築。周辺の素材や色の参照も行い地域との連続性も作る
- 工藤浩平建築設計事務所による、神奈川の「生田の園庭」。幹線道路に面する場に保育園の園庭を造る計画。子供を守る視点を大事にしつつ成長の促進も目指して、“原木”を用いた五感を養う遊具を考案。建築施工と家具制作の視点を融合し最適な方法で作る